コメの価格安定化に向け、「“聖域なく”考えていく」という姿勢を強く示した、小泉進次郎農水相(44)。

6月に入り次々と市場に出始めた、“小泉米”こと、随意契約で放出された「政府備蓄米」。
約30万tあるといわれていますが、それがつきた際に備え、小泉農水相は「海外からのコメを輸入する可能性」も示唆しています。

輸入米は備蓄米の代わりになり得るのか?『サン!シャイン』がコリアンタウンで有名な新大久保を取材すると、意外な事実が判明しました。

陳列された、タイ米やインド米。価格を見ると、タイ米が5kg3490円から4100円で販売されています。

タイ米を買いに来たミャンマー人客:
なんでそんな高くなったか分からない。私はいつもタイのお米食べているから。前は本当に安いけど、いま倍になっている。日本の米も高い、タイ米も高いビックリしました。

実は、日本のコメ高騰に呼応するように、南アジアや東南アジアのコメも1年前から軒並み倍近く値上がりしているといいます。

コメの流通に詳しい流通経済研究所の主任研究員である折笠俊輔氏によると、外国産のコメの価格か高騰している理由として、関税分の上乗せや円安の影響があるといいます。

緊急輸入発言は“ハッタリ”?

実際に、今後、備蓄米がなくなってしまう可能性があるのか。
折笠氏は、「備蓄米は新米が出る9月から10月までは持つのでは」と話し、小泉農水相の緊急輸入発言については、国内でコメを所持している業者に在庫を吐き出させるための“ハッタリ”ではないかと推察します。

谷原章介キャスター:
緊急輸入をしても、安い5kg2000円に近い価格でちゃんと国は放出することができるのかどうかですよね。今はちょっと落ち着いている方向にありますけども、備蓄米にも限界はあるじゃないですか、限りはありますから。
30年間2000円で来た米の価格っていうのはインフレで、ずっと物価は上がっているのに米だけは上がっていなかった。今考えると異常だよね。

スペシャルキャスター カズレーザー:
僕は普通に上がるべきだと思うんです。
それが急に、今まで上がらなかった分がドンと来たから、めちゃくちゃ上がったっていう感覚はあると思いますね。
やっぱり、(小泉氏の)こういう発言があって備蓄米がこれだけ放出されて、それにつられて銘柄米も一応、店頭に少しずつ増えているっていうのがあるじゃないですか。それは今まで流通のところにとどまっていた部分が、つられて出てきている。ずっと抱え込んでいても損するから出しているんじゃないかっていう、そういう風に考えられているという説もあって。
こういうことを発言することによって、やっぱり、銘柄米より輸入米の方が安いって、はっきり分かってくると、ああ、やっぱりとどまっていても備蓄米がなくなるまで少し待ってようって戦略が取りづらくなれば、お米の流通量が増えるから、それにつられて安くはなるはずなので、この発言は必要なのかなって。
どこまでハッタリなのか本当なのか分かりませんけど、発言は必要だと思います。

「一時的な措置」今後のコメ価格は?

渡辺正行氏:
うちは兄貴がコメ作っているんですよ。コメ作っていて今回こういう小泉さんの発言があって、外国米を輸入って話があるけれどどうだ?って兄貴に言ったら「そりゃあ困る」「日本のコメの値段が崩れるから、それはやってもらっちゃ困る」と。でも、安くなるから消費者の皆さんはいいじゃないかと言うと「そりゃあ買う人はいいかも知れないけど、俺は…困る」と。

スペシャルキャスター カズレーザー:
それに対しては、「これが本当に一時的な措置なんだ」っていうのは、はっきり言ってくれて。ずっと安いままっていうのは農家としては無理があるんじゃないか。それは順当な適切な価格を目指していこうっていう発言も、必要なんじゃないかと思います。

谷原章介キャスター:
備蓄米が秋まで持つなら、新米が出た後に備蓄米をもう一回貯められるだけの量の供給を、国の農政として長期的に考えてほしいなとは思いますね。

渡辺正行氏:
備蓄米って大体、税金で買っているんだからね。買ったカネで出せばいいのにね。

スペシャルキャスター カズレーザー:
急激に安くなったお米が手に入ると、みんな安くお米が手に入るならと高いお米をかわなくなっちゃうから…。

谷原章介キャスター:
短期的には、小泉さんの政策は効果を発揮していますので、長期的な農政もお願いしたいと思います。

(『サン!シャイン』 2025年6月9日放送より)