“氷上の格闘技”ショートトラック。
1周約110mのトラックを複数人で滑走し、目まぐるしく変動する順位と繰り広げられる選手の駆け引き…。

そこに挑むのは、“3冠”の記録を持つ日本ショートトラック界のエース・中島未莉選手(22)と、ニューヒロイン・長森遥南選手(23)。

ミラノ・コルティナ五輪で女子初のメダルに挑む2人を取材しました。

“エース” 中島未莉選手 武器は「スピード」

2024年全日本距離別選手権3冠、2025年ワールドツアー代表選考会3冠を達成。
代表の“エース”として最初に名前を呼ばれた中島未莉選手。

中島未莉選手:
絶対最初に名前が呼ばれるっていうことを目標にしてきたので、本当に“エース”と言われてすごくうれしいです。

中島選手の武器は、女子の中でもトップクラスのスピード。

中島未莉選手:
人よりもバンクの傾斜がかけられる。傾斜をかけることによって遠心力にも耐えられるし、氷に伝わる力っていうのも増えるので、スムーズな動きだったりとかスピード感が出ます。
スピードも他の選手よりあるなっていうふうに思っているので、そこは自信があります。

そのスピードの秘訣とは?
『サン!シャイン』は、幼い頃から中島選手を知る大学時代の後輩、垣波武蔵さんに話を聞きました。

垣波武蔵さん:
(中島選手の出身)岡山に合宿に行くことがあったんですよ。そこで初めて一緒になったのが小学4年生ぐらいの時で、(男子の)自分とあまり変わらない実力を持っていたので、結構速いなと思って見ていました、小さい頃から。

2024の距離別選手権では、20歳の若さで500m、1000m、1500mの3冠を達成。
それでも中島選手は、自らの武器であるスピードをさらに鍛え上げるため、“ある練習”に取り組みはじめました。

垣波武蔵さん:
先シーズンぐらいから男子の中に混ざって練習するようになって、女子が追いつけないようなところをちょっと無理してでもついてきてたっていうのが、今の速さになっているんじゃないかなって思います。

名門のトヨタ自動車に入社後、スピードの速い男子選手とも練習。

中島未莉選手:
アメリカで合宿に参加させていただいたんですけど、世界で女子トップの選手が男子選手と一緒に練習するのを見て「今のままじゃダメだ」と感じて、そこから一気に急成長したかなっていうふうに思います。

磨いてきたスピード。その結果、2025年9月のワールドツアー代表選考会でも3冠を達成。
日本女子選手初となるメダル獲得が期待される“エース”となりました。

中島未莉選手:
オリンピックという夢を夢で終わらせない。しっかりメダルを獲得していきたいと思います。

“ニューヒロイン” 長森遥南選手 逆転でつかんだ夢の舞台

そしてもう1人が…
2025年12月、オリンピック代表の最終選考を兼ねた全日本選手権で3冠を達成し、すべりこみで代表入りを決めたニューヒロイン、長森遥南選手(23)。

長森遥南選手:
まさか選ばれるとは思ってなかったっていうのが本音で。夢の舞台なので、しっかりと輝けるように頑張りたいです。

実は長森選手、大学卒業と同時に「引退」を考えていたといいます。

それでも諦めなかったのは、夢の舞台への思いがあったから。

長森遥南選手:
やっぱりここで中途半端に終わるより、一年続けてオリンピック出たいなっていう思いが強かったので。

大学を卒業した去年からは、洋菓子ブランドで“パティシエール”として働きながら練習する日々。

長森遥南選手:
プティ・ガトーフィナンシェの混ぜる生地の工程を作るところをやっています。会社に入ってから背負うものっていうのが、誰かのために滑るっていうのを意識して、やっぱり応援してくださる方がいるからこそ、本当にスケートのために一年間過ごしてきました。

そしてつかんだ、代表“最後の椅子”。

長森遥南選手:
試合が始まる前は確率としてはゼロに近かったので、本当にうれしいと同時に責任っていうのを重く感じて、しっかり強い心を持って挑めたらなと思います。
私が滑っている時に、子供たちが「やっぱりスケートって楽しいな」っていうのと「オリンピックに出たいな」っていう、一つでも勇気を与えられたらなっていう滑りをできたらなって思います。

(『サン!シャイン』2026年2月4日放送より)