2月18日に行われたスノーボードスロープスタイル決勝。
総合滑走能力が問われ「スノーボード自体がうまくないと勝てない」と言われている種目で、深田茉莉選手(19)が金、村瀬心椛選手(21)が銅、さらに、長谷川帝勝選手(20)も銀メダルを獲得!
男女ですべての色のメダル獲得という快挙となりました。
“うれし涙”と“悔し涙”
スノーボード女子スロープスタイル決勝。選手は3回滑ることができ、記録した最も高い得点で順位が決まります。
ビッグエアで金メダルに輝き、2冠を目指す村瀬心椛選手は1回目で暫定トップに。
続く2回目の滑走で村瀬選手を抜き暫定トップに立ったのが、オリンピック初出場の深田茉莉選手です。最後となる3回目の滑走では2位を引き離す87.83点を記録。
一方、村瀬選手も、逆転を賭けた3回目の滑走では、プレッシャーをはねのけ大技を次々と決めましたが…結果は深田選手に2.03点届かず。
競技後、インタビューに答える深田選手と村瀬選手の目には涙が浮かんでいました。
深田茉莉選手:
頑張ってきたのは自分だけじゃなくて周りの人のおかげだし、親とかのことを考えたら、自分より色々と苦労してたんじゃないかなと思うところもあるので、本当にありがたいなと思いました。
村瀬心椛選手:
3本目にちゃんと今までにないくらいの自分のベストな技を出せて、金を取れたかなって確信っていうか、その時に思ったんですけど…。点数が伸びずに、ちょっと悔しい結果に終わってしまって、皆さんの期待にも応えられなくて、すごく悔しいです。
競技終了後、現地で取材している東中アナウンサーが、深田選手のご家族に話を伺いました。
ーー金メダルの感想は?
深田選手の母・美帆さん:
感動をありがとうです。足が震えるくらいの気持ちで、ドキドキしながら見ていました。
――終わった後、声はかけた?
茉莉が来てくれたので、みんなでハグして。「おめでとう!よく頑張ったね」と言葉をかけました。
東中健アナウンサー:
今、深田選手は親元地元を離れてお兄さんと暮らされているということなんです。そんな深田選手の大好物が、お兄さんが作るチキンのトマト煮。お母さま直伝のレシピということで、栄養バランスもしっかり考えられていて、この「深田家相伝のチキンのトマト煮が金メダルの源です。3日分は作ってあげたい」とお兄さんも笑顔で話してくれました。
母・美帆さんは「親元地元を離れた時は本当に心配だったんですけど、きょうのような最高の瞬間に立ち会えて本当に家族全員が私の宝物です」と話していました。
深田選手金メダルのポイントは?
全日本スノーボード選手権に2度出場している、スノーボード専門誌の編集長・野上大介氏によると、深田選手の強みは…「今回、五輪という大舞台で普段はミスしない1本目に転倒することが多かったものの、メダルがかかった最後の最後で決めるここ一番の勝負強さ」だといいます。
――金メダルを獲得できたポイントは?
野上大介氏:
ジブセクションでミスがなくしっかり決めてきたというところと、(3回目の)ジャンプの1個目、スイッチバックサイド1260というんですけれども、4方向ある回転の中で一番難しいとされていて、銀メダルを取ったゾイ・サドフスキ シノット選手の伝家の宝刀なんですけど、彼女でも900までしかできなかったんですよ。そこで軽量な日本人の深田選手が3.5回転まで持ってきたっていうのは、これ10点満点だったんですよ。
3つ目のジャンプ(フロントサイド720)も彼女しかやっていなかった技なんですけども、通常フロントサイドスピン進行方向におなか側を向ける場合はかかとに乗りながら回すんですよ。逆に背中側に回すときはつま先に乗るんですけど、彼女はつま先に乗りながらおなか側に回してるんです。
――どう難しい?
(つま先だと)ターンを生かせない。難しい回し方で、回転数は2回転なんですけれども、その技を入れてきたっていうのはジャッジ的にも評価高かったです。
膝に「水」けがを抱え…勝ち取った銀メダル
男子も長谷川帝勝選手が銀メダルを獲得。
最初に出場したビッグエアでは11位と、惜しくもメダル圏外となりましたが、スロープスタイルでその実力を世界に示しました。
長谷川選手は1回目から大技を成功させ、82.13点を記録。全選手が1回目を終えた時点で2位につけ…そのまま順位を守り切りました。
長谷川帝勝選手(競技後):
やれるだろうって自信もあったし、その中でこういう結果を出せたっていうのはすごくうれしく思うし、自分を誇りにも思います。
自分に関わった全ての人が血となり肉となり、自分のこういう姿を見せられてると思うので、今まで関わった人には感謝しかないですね。
長谷川選手の両親は…。
父・俊介さん:
最高にかっこいい、帝勝のこだわりのつまった1本が見られて、本当に幸せです。
母・育枝さん:
私はビッグエアからスロープスタイルまで、体調のことだけが心配でした。あとはもう信じてればいいと思ってたんで。
膝に水がたまり、半月板損傷のけがをしていたことを明かしていた長谷川選手。
野上大介氏:
彼と僕、大晦日仕事で1度しゃべったんですよ。そこでもまだけがの心配はありましたし。 やっと医者から滑ってOK が出たくらいですから、調整は相当苦戦したでしょうね。
SPキャスター 杉村太蔵氏:
見ていると、他のライバルの競技が終わってすごい技出したときに選手たちが「うわ~すげえ技出たー!」みたいな。あれは本当にすてきだなと思いますね。
遙洋子氏:
彼らよく「かっこいい」っていう言葉使いますよね。
野上大介氏:
点数抜かれても素晴らしいランだったらやっぱり称えますし。かっこよくなければスノーボードじゃない。もちろんメダルの色も、メダルを取ることも大事ですけど、その前にやっぱりかっこいいスノーボード、その本質を伝えたいというのがあります。
彼らが4年に一度の大舞台で本来の実力を出し切ったことは本当に素晴らしかったですし、敬意を表したいです。
(『サン!シャイン』2026年2月19日放送より)
