日本時間の2月17日早朝に行われた、スキージャンプの新種目・男子スーパーチーム。
2人1組の団体戦となるこの種目に、日本からは、小林陵侑選手(29)と二階堂蓮選手(24)が出場。
大ジャンプの連続で順位がめまぐるしく入れ替わる大熱戦。しかし、その結末は意外なものとなりました。
特大138.5mのジャンプも…突如中止
今大会、これまで3つのメダルを獲得している二階堂蓮選手。 4種目は、憧れの先輩でライバルでもある小林陵侑選手と出場するチーム戦で、金メダルを目指します。
小林選手は、前回の北京オリンピックでスキージャンプとして、日本勢24年ぶりの金メダルを獲得した“日本のエース”。今大会、連覇をかけて臨んだノーマルヒルは8位。15日に行われたラージヒルでは、2回目で138.5mのビッグジャンプも、6位と表彰台には届かず。
小林陵侑選手(ラージヒル競技後):
やっとイメージとかみ合ったなという感じでした。さっき蓮とも「次こそ金だな」って話したんで、それに向けていいジャンプしたいですね。
そして、日本時間の17日早朝に行われた、新種目・スキージャンプ男子スーパーチーム。
2人1組のチーム戦。1ラウンドで1選手が1回ずつ跳び、2人の合計得点で争います。
3ラウンド制で合計得点が高いチームが金メダルとなります。
第1ラウンドを5位で通過した日本。
二階堂選手の2回目はK点を大きく超えるジャンプで131m。小林選手も130mを飛び、第2ラウンド、日本は6位で最後の戦い、第3ラウンドへ。
〈実況〉
今大会最後のジャンプ!鋭く出た!高さはあるぞ!進んでいる!
よっしゃ!!!3回目ビッグジャンプ!
二階堂選手が、138.5mの大ジャンプ!一気に順位を上げ、第3ラウンドの1人目が終了した時点で 日本は2位。あとは、小林選手のジャンプを待つだけ…。
しかし、ここで天候が悪化します。会場に降り続く、視界をさえぎるほどの大雪。
この後、まさかの結末が…。
悪天候のため、競技が終了。第2ラウンド終了時点の結果が最終結果となる、驚きの展開に。
3回目の二階堂選手の大ジャンプは幻となり、日本は6位でフィニッシュとなりました。
二階堂蓮選手(スーパーチーム競技後):
いやぁ~これがオリンピックっすね!そう思うしかないですよね。
1本目、2本目、なかなかいいジャンプができなかったので、3本目にやっと合わせることができたんですけども。こういう形になってしまったんですけど、悔しさは通り越して、むしろ前向きになってますね。
そして、最後のジャンプを飛ぶことなく、ゴンドラで降りてきた小林選手は…。
小林陵侑選手(スーパーチーム競技後):
悔しいですけど、スキージャンプなんで。
飛びたかったですね。この通り、5分でも待っていればできた状況だったので、その判断がなぜできなかったのかもわかんないですし。まあ、悔しいですね。
なぜ競技続行できず?
競技は第3ラウンドの途中、グループ2の5人目、ポーランド代表・トマシャク選手がジャンプを終えたあと、「他選手との得点差がありすぎる」などの要因で中止に。残すは小林選手を含むあと3人という状況でした。
『サン!シャイン』は、二階堂選手と小学校の頃からライバルで、今回のオリンピックまで3年間ともに練習をしていた藤田慎之介選手に話を聞きました。
――このような中止は今までもあったんですか?
藤田慎之介選手:
私の経験している国内の試合でも何回か大雪の影響で中止ということはあるんですけども、やっぱりオリンピックという大きな大会なので、続行するだろうと私も思いながら見ていたんですけども。助走路のスピードの公平性が保てない状況になっていたり、着地が詰まってしまって危険な競技になり始めたというのがあっての中止という決断だったのかなというふうには思っています。
――大雪で中断した後、テストジャンパーが飛んでいましたが、どういうことを調べているのでしょうか?
藤田慎之介選手:
アプローチの滑走路の積雪の状況ですとか 、風の状況などを確かめる役割を今回のテストジャンパーは担っていたと思います。このように雪がいっぱい降ってる場合だと、 滑走路に雪が溜まって滑っていく最中に急ブレーキがかかってしまって、頭からつんのめってテイクオフしてしまう可能性があるので、かなり危険なジャンプになってしまうっていうのもありますので、テストジャンパーが確認してそれを競技役員が危険と判断したための中止なので。やっぱり点差っていうところよりも、助走路のスピードが出ていないっていうことと、着地で詰まってブレーキがかかってしまうことが大きな要因かなっていうふうには思っています。
長野オリンピックのスキージャンプ団体の時も、悪天候で1回目のみで競技を終了するという案が浮上。競技を続行するかどうか、テストジャンパーに委ねられ、25人が飛んで安全を確認し競技続行。日本が見事金メダルを獲得しました。
では、なぜ今回は競技を続行することができなかったのでしょうか。
藤田慎之介選手:
長野オリンピックと現代のジャンプでは安全面に対する規約がかなり変わってきておりまして、長野オリンピックの時は長いスキーを使っていて、その後に短いスキーにルール変更がされました。今シーズンもスーツを小さくしてっていうルール変更があったんです。
どちらもやはり飛距離が出過ぎてしまうから安全性を保てない。膝のけがにつながってしまうので飛距離を出さないようにっていうルール変更があります。
そういう面も含めて、国際スキー連盟の方ではジャンプ選手を安全に着地させて競技を成立させるということに重きを置いているんだと思うので、今回中止の直前に飛んだポーランドの選手が着地した瞬間に詰まりかけるような、急ブレーキがかかって転倒しかけるようなジャンプをしていたので、それもあっての判断だったと思います。
――幻のジャンプになりましたが、二階堂選手の3回目素晴らしかったですね。あのジャンプはいかがでしたか?
藤田慎之介選手:
いやぁ~もう、最高のジャンプを見せてもらいました!一緒に練習していて、僕も競技者としてやっているので、あのジャンプには胸を打たれましたし、僕も次のオリンピック一緒に蓮と出ようという、出たいという気持ちが強くなりましたので。
今後のワールドカップもある中でのいいきっかけになる1本のジャンプだと思うので。3月1日に250mぐらい飛ぶ大会があるので、そこに勢いのつくジャンプになったと思います。
(『サン!シャイン』2026年2月17日放送より)
