17日にミラノ・コルティナ五輪で行われた、スピードスケート・女子団体パシュート。
エースの髙木美帆選手(31)が率いる日本代表が“魂の滑り”をみせ、見事、銅メダルに輝きました。

左から 堀川桃香選手、野明花菜選手、佐藤綾乃選手、髙木美帆選手

髙木美帆選手(31):
銅メダルまで…メダルを一緒に取りに行くことができたのは、自分の中での“大事なもの”だなって、今感じています。だから感謝の気持ちでいっぱいです。

“偉業”とも言える、3大会連続のメダル。しかし、ここまでの道のりは、決して平坦なものではありませんでした。

「貪欲に」4人で手にしたメダル 菊池彩花氏が語る“強さの秘密”

2018年、平昌五輪で歓喜の金メダルに輝いた、女子団体パシュート日本代表。

2018年 平昌五輪 女子団体パシュート

その4年後の北京大会では、髙木美帆選手の姉・菜那さんが転倒し、涙の銀メダルとなりました。
当時、「どの銀メダルも違う思いがあり、1500mのときとは違った悔しさがある」と悔しさをにじませていた髙木美帆選手。

2023年には、ミラノ・コルティナ五輪での“頂点”を目標に掲げ、「チームゴールド」を結成z2025年の4月に行われたインタビューでは…。

髙木美帆選手:
なんかここで諦めたくないなみたいな。ここで弱気になっていたりとか、踏み出すことにためらっていないで、もっと貪欲にいこうって。

髙木美帆選手、堀川桃香選手、佐藤綾乃選手に加えて、若き新戦力・野明花菜選手も加わって、4人で目指すこととなった、ミラノでの“王者奪還”。

それまで主流だった、それぞれの負担を分け合うために、先頭を滑る選手を交代する“交代戦術”から、先頭を交代せずに前の選手の腰を押しながら滑る“プッシュ戦術”に変更。

タイムが上がる代わりに、先頭の負担が増え、ついていく二人も先頭と動きをぴったり合わせなければならないため、難しい滑りを要求される戦術ですが、4人は見事ものにしました。

そして迎えたミラノ・コルティナ五輪。
準決勝まで勝ち進んだ日本の前に立ち塞がったのは、オランダでした。

抜きつ抜かれつのどちらが勝つか最後まで分からない展開の中で、タイム差わずか0.11秒、距離にして1.4mという僅差で、日本が敗れる形となりました。

平昌五輪で髙木選手たちと共に女子パシュートに出場した、金メダリストの菊池彩花氏は準決勝をこう振り返ります。

女子パシュート元日本代表 菊池彩花氏

女子パシュート元日本代表 菊池彩花氏:
1.4mというと意外と(距離)あるじゃん?と思うかも知れませんが、ものすごいスピードで走っていますので。一瞬なんです。私が見ている中で、残り1.5周のところでもういちど持ち直して、ラスト1周というところで勝っていたので、「絶対行けた!」というふうに思っていたのですけど、最後の半周で日本のスピードが落ちてしまう中で、オランダはスピードを維持したままゴールした。
最後の最後まで展開としてはわからない戦いで、お互いに絶対に負けられないという気持ちで滑ったレースでした。

――ペース配分などは見ていていかがでしたか?
完璧だったと思います。準々決勝のときに課題だった、2周目から(スピードが)落ちてしまうという課題はクリアして、最後の半周だけというところでしたので。そこの部分も、後ろの二人がしっかりと(先頭の)髙木選手をアシストしていくという気持ちを強く持って、課題をクリアにして臨んだと思います。

悔しさの残る中で迎えた、アメリカとの三位決定戦。
メダルを決める大事な一戦で、堀川選手に変わり登場したのは、これが団体パシュートでは初戦になる、野明花菜選手(21)でした。

野明選手は初戦の緊張からか、レースの中では少しよろけるような場面はあったものの、転倒することなく滑りきり、見事、4人で勝ち取った銅メダルとなりました。

――準決勝で敗れた後、すぐに気持ちを立て直して三位決定戦に挑めた、日本の強さはどこにあるのですか?
女子パシュート元日本代表 菊池彩花氏:

すぐに切り替えができるチーム力というか、そこも先輩たちから後輩たちに声をかけていると思いますし、三位決定戦でヒヤリとする場面が二度ありましたが、そこを野明選手がよく耐えたなと思います。

――野明選手の足のもつれは、氷の問題か自身のものか
やはり、緊張からくるものですね。バランスを少し崩してしまったり、最後は自分の足に引っかかっていますので、よく転ばずに耐えたなと。

――「プッシュ戦術」において、髙木選手が先頭というのは、大きな意味があるのですか?
あります。やはりチームの軸でエースという中で、髙木選手でなければこのチームは引っ張れない部分がありまして。
髙木選手はレースの全てが見えているんです。反対側の選手たちがどこにいるかというのも見えていますし、自分のラップタイムと、体感、今どのくらいのラップで走っているかも全て分かった上で、レースをしています。

――今回の結果から、髙木選手の1500mにもメダルの期待がかかりますが
女子パシュート元日本代表 菊池彩花氏:

たくさんの方が期待してくださっていますし、髙木選手もどんどん滑る度に調子が上がっていますので、ぜひ(金メダルを)取ってもらいたいなと。最後に笑ってもらいたいなと思っています。髙木選手は行けます!

(『サン!シャイン』 2026年2月18日放送より)