Qアンナさんは結婚前後で、治療に対しての考え方などは何か変わりましたか?
アンナ:

1人の時と今じゃ全然違います。
血液検査の発表があるんですけど、以前は泣いたことは無かったんです。
でも結婚して初めて病院に一緒に行ってもらった時に、自分がすごくガタガタしていて、泣いちゃった。あれはなんの涙なんだろうって思ったら、より一層死ぬのが怖いというか。1人だったら思わなかったけど、結婚したことによって「死んじゃいけないな」ってより一層思いました。

世継:
問診する診察室に入る扉を、もう、開けないで、ずっと立って、泣きながら。

アンナ:
結婚したばかりで「梅宮さんちょっと…再検査です」とか言われたらって…「ああもう勘弁して!」って思った。結果的に何もなかったから良かったですけど。嬉しかったし。

“50%の期待”で挑んだ乳がん治療

アンナ:
治療が始まってから、私の命は50%と思って治療してきました。治したいと言う気持ちはもちろんあるんだけど、医学って限界があるから。100%の期待を持っちゃうと、ダメな時に大変なことになるから。身を守るために…それは自分の考え方なんですけど。両方の可能性を持っておかないと、自分が嫌。
で、治療が終わって今こうやって元気となると、倍嬉しいんですよね。

「死んでしまうかもしれない」と思うことはもう自動的にというか、それはもう仕方ない。でも、それを思うことで1日1日がすごく大事になったんですよね。
がんになって良かったとは全然思わないですよ。ただ、がんでは無かった2024年から前の自分と、がんになった後の自分を考えて、「どっちがいい?」って聞かれたら、私は絶対に今の自分を選ぶ。
もう言い方変だけど、まぁまぁ薄っぺらかったのかもと思う。自分の人生がね。

SNSも、人のために、誰かのためにをやるっていう姿勢は変わっていないけど、それがより一層楽しくなっちゃって。投稿を読んでくれて、たった一人でもいいから「アンナちゃんありがとう」って。もう一人でいいんですよ、一人で。そういう気持ちで生活してると、やっぱりすごく幸せな気持ちになります。

夫・世継恭規が気付いた妻・梅宮アンナの”強さ”

世継さんは結婚後、こうしたアンナさんのがんとの向き合い方に間近で触れ、その“強さ”に驚いたといいます。

世継:
アンナを見ていると、何て気丈な人なんだって思います。
「髪の毛生えるのかな、どうなのかな…」って泣きながらどうしよう、どうしようって家では言っているけど、でも、ステージに上がったらもう全然、「みなさん!ご機嫌よう」となってるから、「偉いなぁ」と…。
ウィッグも「付けましょう」となったときに、例えば「100万円する」となったら、「じゃあ50万円とか30万円とかあるんじゃないの?」と自ら探して、がんの人が困らないように「開発しましょう」と作っちゃったりするから、そこまでやるってすごいなと思う。

アンナの横にいると「治すぞ」という覚悟を決めてやっていて、さらに困っている人に対して「こういう風にしたらいいですよ」と伝えるのが自分の使命と思ってやっている。
もし自分ががんになったら…と思ったら、この人(アンナ)みたいなことは100%できないですよね。