朝スッキリ起きることができない、起きた時に身体が痛い、熟睡できないなど、尽きない睡眠の悩み。その原因の一つは、自分に合っていないマットレスを使用していることかもしれません。
この記事では、自分に合うマットレスの選び方を、種類・硬さ・素材といった観点から解説。自分にぴったりのマットレスを選ぶための参考にしてください。
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マットレスの役割は正しい寝姿勢を保つこと
マットレスを選ぶ前に、まずはその役割と「正しい寝姿勢」について理解しておきましょう。
正しい寝姿勢とは、立っているときの自然な姿勢をそのまま横にした状態のこと。マットレスは、体を無理なく支えながら全身にかかる圧力を分散させる役割を担っています。
正しい寝姿勢で仰向けに寝たとき、44％もの割合でマットレスに最も圧力をかけているのはお尻です（参考：財団法人日本ふとん協会「ふとんと健康【ふとんに必要な性能について】）。特に仰向けになったとき、マットレスが圧力を分散できずにお尻が沈みすぎると、腰に負担がかかり心地のよい眠りを妨げてしまいます。
また、枕とマットレスはセットで考えましょう。枕の高さが合わないと首や腰の位置がずれてしまい、せっかくのマットレスの効果が得られません。立ち姿勢に近い自然なカーブを保てる高さを意識して選ぶとよいでしょう。
今使っているマットレスで寝心地や起きた時の感覚が快適なら、それはあなたに合っていると考えられます。無理に買い替える必要はありません。
自分に合うマットレスの選び方
マットレス選びには、体格や体重・寝姿勢・好みの硬さ・素材・価格など、さまざまな観点があります。
値段が高いマットレスほど質が高いと思いがちですが、自分の体に合っていればリーズナブルなものでも問題ありません。
ここでは特に着目すべきポイントを4つ紹介します。
立っているときの姿勢を保てるか
実際に店舗で寝てみて、立っているときの自然な姿勢を保てるものを選びましょう。
腰とマットレスの間に大きな隙間がある場合は硬すぎ、お尻が沈み込みすぎる場合は柔らかすぎです。枕を使って仰向けに寝たとき、腰の部分に手がすんなりと入るようなら硬めすぎるサインです。横向きで寝てみたとき、肩や腰に圧迫感がないかも確認しましょう。
床や畳に布団を敷いて寝る場合もこの2点をクリアできれば問題ありません。下にベースとなるマットレスを敷き、上に布団をのせるのがおすすめです。
寝返りのしやすさ
寝返りは血流を促し、体温を調整するために欠かせない動作で、一晩に20回以上行うといわれています。そのため、“寝返りのしやすさ”は快適な睡眠を左右する大切なポイントです。
店頭で試す際は、就寝時に近いゆったりとした服装で確認してみましょう。また、2人で使う場合は、寝返りや起き上がりの際に隣へ振動が伝わりにくいかどうかもチェックしておくと安心です。
体格・体重に合うサイズや硬さ
体格や体重によっても、快適に感じる硬さは異なります。体重が重い人は、柔らかいマットレスでは体が沈み込みすぎてしまうため、硬めがおすすめです。体重が軽い人は圧迫を感じにくい柔らかめのもの、標準的な体重の人は中間の硬さを目安にするとよいでしょう。
また、2人で使用する場合は、幅が広めのサイズを選ぶことで、相手の動きによる揺れを感じにくくなります。特に、ノンコイル系（ジェルもしくは低反発）は隣で動いても揺れが伝わりにくい構造のため、検討してみてください。
マットレスの素材や厚さ
マットレスの中身は、複数の素材を重ねて構成されているものが主流です。底付き感を防ぐためにある程度の厚みは必要ですが、詰め物が多すぎるとへたりやすく、腰への負担につながることもあります。
素材の特徴や厚みのバランスを確認しながら、自分の体をしっかり支えられる構造かを見極めましょう。
マットレスの種類と特徴
マットレスは大きく“コイル系”と“ノンコイル系”に分かれます。それぞれ硬さや強みが異なるため、あらかじめ特徴を理解しておくことが大切。
ここではそれぞれの特徴を紹介します。
コイル系（ポケットコイル、ボンネルコイル）
コイル系には大きく分けて、ポケットコイルとボンネルコイルの2種類があります。
腰の負担軽減に向いているのは、ポケットコイルのマットレスです。点で体を支えるためフィット感が高く、体圧分散性（体全体にかかる圧力を分散させ、一部にかかる負担を和らげる性質）に優れています。振動も抑えられ、隣で寝ている人の動きが伝わりにくく、耐久性も高めです。
一方、ボンネルコイルはコイル同士を連結し、面で体全体を支えます。通気性に優れており、比較的安いのでコストパフォーマンスにも優れるのがメリット。しかしコイルがつながっているため、隣で寝ている人へ振動が伝わりやすいデメリットもあります。
ノンコイル系（高反発ウレタン、低反発ウレタン、ラテックス、樹脂・ジェルなど）
ノンコイル系には、高反発ウレタン、低反発ウレタン、高弾性ウレタン、ラテックス、樹脂、ジェルなど、さまざまな種類があります。
適度な弾力がある高反発ウレタンは寝返りがしやすく、体をしっかり支えて体圧を分散してくれます。硬めのものが多いので、お尻が沈みにくく腰の負担を軽減できるでしょう。
弾むような高弾性ウレタンは、やや柔らかめですが、寝返りのしやすさは抜群。体のラインに沿って支えるため横向き寝でもフィットしやすいです。
天然ゴムのラテックスは、柔らかいのに反発力に優れており、寝返りしやすいのが特徴。腰への負担も少なめですが、通気性はほかの素材より劣ります。
樹脂やジェル素材は構造的に通気性がよく、洗えるものも多いので、清潔さを保ちたい人やアレルギー体質の人におすすめ。しかし硬さやフィット感が素材によって異なるため、実際に店頭で試して自分に合うものを選ぶとよいでしょう。
ファイバー系は硬めで体へのフィット感は劣りますが、軽量で通気性がよく手入れもしやすいため、一人でも簡単に取り扱えます。
また、一人暮らしの女性で掃除や処分のために移動させることが難しい場合は、二つ折りや三つ折りタイプなど折りたたみ可能なマットレスもおすすめです。
編集部おすすめのマットレス
※本記事の監修者は商品選定に関与していません。
独自のコイルリッチ構造で耐圧をしっかり分散
NELL マットレスは、業界水準を上回る多数の小口径ポケットコイルを採用（※ダブルの場合）。体を点で支えるため、体圧を細かく分散してくれます。さらに腰部分に硬めのコイルを配置したセンターハード構造により、寝返りをスムーズにサポートします。 表裏を問わず使える両面仕様も魅力。120日間のフリートライアルと10年間の耐久保証を用意しており、使い心地が合うか不安な人にもおすすめです。
| 素材 | ポケットコイル、ウレタン、綿 |
|---|---|
| サイズ展開 | シングル、セミダブル、ダブル、クイーン、キング |
| サイズ | 95x195x21cm（シングル） 120×195×21cm（セミダブル） 140×195×21cm（ダブル） 160×195×21cm（クイーン） 190×195×21cm（キング） |
三つ折り×二層構造で27通りから好みの硬さを選べる
GOKUMINプレミアムグランマットレスは、厚さ10cmの三つ折りデザインで、2種類の硬さの異なる高反発ウレタンを採用。3つのパーツを入れ替えることで27パターンから好みの硬さに調整できます。 腰部分にへたりが出ても他のパーツと入れ替えて使えるため、長く愛用できるのもポイント。竹炭配合による消臭・調湿機能や、季節ごとに使い分けられるリバーシブルカバーも特徴です。1年間の品質保証付きで、安心して使えます。
| 素材 | 高反発ウレタンフォーム |
|---|---|
| サイズ展開 | スリム、シングル、セミダブル、ダブル |
| サイズ | 約80x195x10cm（スリム） 約97x195x10cm（シングル） 約120×195×10cm（セミダブル） 約140×195×10cm（ダブル） |
極厚20cmで高品質コイルを贅沢に使用した安心モデル
GOKUMINプレミアムスプリングマットレスは、厚さ20cmの極厚タイプ。高密度ポケットコイル（シングルで496個）と高反発ウレタンを組み合わせ、体にフィットしながらしっかり支える構造です。 外周に強度の高いコイルを配置し、端に腰かけたときの安定感を実現。抗菌・防臭・低ホルムアルデヒド仕様で、通気性に優れた専用カバーも採用されています。さらにメーカー直営による8年間の品質保証付きで、長く安心して使えるのも魅力です。
| 素材 | 材質：スプリング、高反発ウレタンフォーム 表面生地：レーヨン35％、ポリエステル65％ 裏面生地：ポリエステル100％ |
|---|---|
| サイズ展開 | スリム、シングル、セミダブル、ダブル、クイーン |
| サイズ | 約80x195x20cm（スリム） 約97x195x20cm（シングル） 約120×195×20cm（セミダブル） 約140×195×20cm（ダブル） 約160×195×20cm（クイーン） |
グッドデザイン賞受賞のスタイリッシュなマットレス
SOMRESTAマットレスPREMIUMは、グッドデザイン賞を受賞したシンプルでスタイリッシュな見た目が魅力の高反発マットレス。 体をしっかり支える高密度ウレタンを使用しており、体圧分散性・弾力性・耐久性に優れています。硬さは154Nと適度で、自然な寝姿勢をサポートしやすいのが特徴です。 3層構造の厚さ約10cmで、床に直置きでも底付き感が少なく快適。カバーは取り外して洗濯できるほか、通気性や防臭・防ダニ対策も考えられており、安心して使用できます。
| 素材 | 高弾性ウレタンフォーム |
|---|---|
| サイズ展開 | シングル、セミダブル、ダブル、ワイドダブル |
| サイズ | 約97x195x10cm（シングル） 約120×195×10cm（セミダブル） 約140×195×10cm（ダブル） 約152×195×10cm（ワイドダブル） |
口コミの調査概要
調査内容：マットレスに関する調査
調査期間：2025年6月30日～7月2日
調査対象：16～60歳の男女200名
調査方法：インターネット調査
マットレスのお手入れの方法と買い替えタイミング
マットレスのフチよりも、お尻の部分が凹んできたら買い替えのタイミングです。素材による寿命は、ウレタン系なら5〜7年、コイル系なら7〜10年程度が目安とされています。
マットレス自体を洗って干すことはできないため、シーツや掛け布団などの寝具を定期的に洗濯・乾燥させ、清潔に保つことが重要。上下や裏表をひっくり返せる場合は、定期的に肌に触れる面を変えましょう。普段から除湿シートやベッドパッドを併用し、湿気対策をするのも効果的です。
ウレタンやラテックスなどの通気性が悪いものは、ベッドフレームをすのこなどの通気のよいものにすることで長持ちします。三つ折りタイプを使用している人は、立てて乾燥させてください。
マットレスは種類や素材、硬さによって寝心地が大きく変わるため、自分の体と生活スタイルに合うものを選ぶことが大切です。本記事で紹介したポイントを参考にしながら、自分にとって無理なく快適に眠れる一枚を探してみてください。
※本記事は2025年10月28日時点での情報をもとに執筆しています。
※一部の商品は調査時から仕様等が変更となっている可能性があります。
※一部の商品はサイズやカラーによって価格が変動する場合があります。
寝具メーカーの研究開発部長を経て独立。これまでに1万人以上の眠りの悩みを解決してきており、特に枕は頭を触っただけで、どんな枕が合うかわかるほど精通。全国での講演や執筆活動のほか、寝具や快眠グッズのプロデュース、ホテルの客室コーディネートなども手がける。著書に『オトナ女子の不調と疲れに効く 眠りにいいこと100』（かんき出版）ほか多数。
