4人の詐欺師が次々に連絡してきて…最新の「ニセ警察官詐欺」の手口とは?
また、今年7月末時点で過去最悪の約722億円の被害が出ている特殊詐欺の中でも、約6割を占めている「ニセ警察官詐欺」の被害に遭った、ピアニストの芥川怜子さんにも取材しました。

ある日、警察から「実際にあったマネーロンダリング事件に関わっている」と連絡を受けた芥川さん。その後、高圧的な男性警察官や穏やかな女性警察官から複数回連絡があり、LINEのビデオ通話に誘導されたといいます。
犯人は芥川さんの銀行の預金残高を詳細に聞き出した上で、LINEを通じて「逮捕状」や「守秘義務命令」、銀行口座を凍結させる「凍結捜査差押許可状」などのPDFを送付。芥川さんは、嫌疑を晴らすためには、お金の動きを調査する「資金調査手続き」が必要だと説明を受けました。

そして検事を名乗る男から「家族に相談したら家族のことも調査しなければならなくなる」と脅され、「この状況を早く解決しなければ」と数百万円を指定された口座に振り込んでしまったのだそうです。
「今でも電話が鳴ると怖いし、初対面の人を『この人も詐欺師なのでは』と疑ってしまう」と、芥川さんは被害を受けた後のトラウマを語りました。
詐欺師はマインドコントロールしてくることも…警官がLINEで連絡してきた時点で詐欺!
芥川さんは電話番号に「+」が付いていたことを不審に思いつつ、そのあとの番号が県警と同じだったので信じてしまったそうですが、「口座乗っ取りなどで、知らないうちにマネーロンダリングに加担しているのではないかと信じてしまう人が多いが、一度電話を切って自分から警察署に電話をするのが一番」と多田さん。
「『守秘義務』と言われても『警察から電話があった』という事実は他者に相談してOKだし、SNSで警察が連絡をしたり逮捕状を見せたりすることは絶対にないので気をつけてほしい」と、注意するべきポイントを語りました。
また詐欺グループは芥川さんに、「容疑者は体にタトゥや手術痕があるから」と体を見せることも要求。芥川さんがとっさに女性警官の立ち会いを求めたため、下着姿を撮影される被害は免れたそうですが、多田さんによると「そういう方法で自分の監視下にあるとマインドコントロールして、お金を引き出しやすくする」というのもよく見られる手口なのだそうです。

千秋さんは「『もうちょっと行けるかな?』と思われている感じで腹が立つ。騙す方にもマニュアルがあるのだから、こちらも受け身でいてはダメ」と、気を引き締めた様子でした。
『ノンストップ!』(フジテレビ)2025年9月19日放送より