三谷幸喜さんが、初めて仕事をした神木隆之介さんの演技力を絶賛しました。
水10ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』は、1984年の渋谷を舞台に、主人公の演劇青年・久部三成(くべ・みつなり/菅田将暉)を中心とした若者たちのくすぶり、情熱、苦悩、恋を描く青春群像劇。
菅田将暉さんをはじめ、二階堂ふみさん、神木隆之介さん、浜辺美波さんら魅力的なキャスト陣が続々と発表され、話題を呼んでいます。
本作の脚本を務める三谷さんと、三谷さんがモチーフとなっている放送作家・蓬莱省吾(ほうらい・しょうご)を演じる神木さんが取材会に出席。お互いの印象やドラマ撮影のために建てられたオープンセットなどについて、三谷さんは25年ぶりのGP帯連続ドラマの脚本を手掛ける思い、1984年当時のことなどを語りました。
三谷幸喜が25年ぶりに民放連ドラの脚本を担当「僕にしか書けないものは何だろう」
──三谷さんは民放GP帯連続ドラマの脚本を手がけるのは25年ぶりとのこと。久しぶりにこの時間帯の連続ドラマに携わる思いを聞かせてください。
三谷:この25年の間にNHKの大河ドラマや民放のスペシャルドラマの脚本を書かせていただいていたのですが、意図せずこんなに時間が空いてしまったのは、タイミングが合わなかっただけのことなんです。気づいたら25年経っていました。
──そういったところから、本作を制作することが決まった際の心境はいかがでしたか?
三谷:25年前に仕事をしていた頃のプロデューサー、ディレクターの方々は皆さん偉くなっちゃって(笑)。映画の現場でも、最近はもう僕世代の人はいなくて、スタッフはどんどん若くなっているんですよね。若いプロデューサーさんは僕に声をかけにくいんだろうなと思っていました。
そんななかで、勇気のあるフジテレビの若いプロデューサーさんが「何かやりたい」と声をかけてくださったんです。そこから、今の僕が書くなら何がいいんだろう、僕にしか書けないものは何だろうと考え始めて。1980年代の東京を舞台にした物語を書くことを思いつきました。
──神木さんは新人の放送作家・蓬莱省吾を演じますが、三谷さんがモチーフとなっている役を演じることについて意気込みなどを聞かせてください。

神木:そういう役をいただけたことがうれしかったのと同時に緊張感がありました。三谷さんとご一緒させていただくのは初めてでしたし、三谷さんの動きや話し方をどこまで役に反映させるべきなのかなということも一生懸命考えました。
ですが、今回は蓬莱という役で名前が違いますし、三谷さんの要素は脚本の中にもとから入っている部分もあると思うので、それを僕がどうピックアップして表現していくかが大事なのかな、と。それは現場に入らないとわからない部分もあって…撮影中の今でもまだ、三谷さんの要素を入れるか入れないかの塩梅は難しいなと感じています。
三谷:僕のことは知っていたんですか?
神木:もちろんです。以前、朝ドラ(連続テレビ小説『らんまん』/NHK)をやらせてもらっているときに、スタジオでお見かけしたことがあって。遠目から「本物だ!」と、騒いでいました(笑)。
三谷:僕もそうですよ。「あ、本物の神木隆之介だ!」って。大きくなりましたね(笑)。
神木:いやいや…ありがとうございます!