気持ちも脳にも刺激を与えると注目されている「介護美容」について考えました。

女性が気になる話題について、スタジオで生討論を繰り広げるフジテレビ『ノンストップ!』の金曜恒例コーナー「ノンストップ!サミット」。

今回は、「シニアを元気にする美容の力」というテーマでMCの設楽統さんと三上真奈フジテレビアナウンサー、千秋さん、カンニング竹山さん、キャシー中島さん、『婦人公論』元編集長の三木哲男さんがトークしました。

化粧水のボトルを開ける、紅筆を使う…指先の細かな動きが脳に刺激を与えて“介護予防”に!

最近、高齢者向け施設やデイサービスなどで取り入れるところが増えているという「介護美容」。プロにメイクやネイルをしてもらうだけではなく、高齢者が自分でメイクやネイルに挑戦することが“介護予防”につながると注目されているそう。

キャシーさんは、「60歳の時に、毎日メイクをしようと決めた。色からもらう力は大きいから、赤い口紅をひくと明るくなるし、シワを伸ばして眉を描いたりすることでノーメイクのときよりも表情が動くようになる」と実感を。

千秋さんも「メイクをしないでいると意識が向かないけど、ちゃんとメイクをすると『もっと上手くなろう』と思えるようになる」と、日々のメイクの大切さを語りました。

メイクで使う筋力は食事の2〜3倍!利き手ではない手を使うネイルもオススメ

番組では、「介護美容」を実践しているデイサービスや高齢者向け施設を取材。施設の責任者は、美容師のサポートを受けながら化粧水の蓋を開けたり、ブラシを使ったりする作業が、高齢者にとって脳に良い刺激を与えることにつながると感じているとコメント。

特にネイルは、利き手ではない手を使い、小さな爪に色を塗る必要があるので、集中力をアップさせる効果も。

資生堂みらい開発研究所の池山和幸主任研究員によると、3kgほどある腕を顔の高さに浮かせながらメイクをする作業で使う筋力は、食事の2〜3倍!また、メイクをするだけで「触覚」「嗅覚」「視覚」を使うほか、人との会話が増えて「聴覚」にも刺激が加わるのだそうです。

キャシーさんは「みんな、メイクをするだけでガラッと表情が変わって、ステキね」と笑顔を見せ、千秋さんは「毎日メイクをしているけれど、そんなに筋力を使っているとは!」と驚いた様子。

三上アナも「若い世代でも『リップどこの?』とか会話が増えるし、メイクでウキウキする気持ちには年齢は関係ない」と、納得の表情で語りました。

唾液の分泌が減る高齢者にオススメのスキンケア方法は?

池山研究員によると、スキンケア中の顔のマッサージは、唾液の分泌を多くする効果も。耳の前にある「耳下腺」や顎の両脇にある「顎下腺」、舌の下部分にある「舌下腺」を刺激すると唾液が増え、ウイルスが体内に入りづらい環境を作ることができるといいます。

竹山さんは「震災のとき、避難所を訪れた美容師が高齢者の髪を切っただけで、表情が変わるのを目の当たりにしたことがある」と体験を語り、キャシーさんは「介護施設で男性もスキンケアをしていたけれど、恥ずかしがらずにもっとしたらいい」とエールを送りました。

昨今、高齢者向けのメイク術だけでなく、コミュニケーションの取り方や車椅子の人への施術方法などを学ぶことができる、「介護美容」の講座も多数開講中だといいます。

講座には副業やセカンドキャリアを検討中の40〜50代の女性が多いそうですが、千秋さんは「いずれ介護が必要になる親のために学んでいるという人がいたけれど、自分のためにもなりそう」と前向きに受け止め、三上アナは「メイクが好きな人が楽しく働けるし、話題も広がりそう」と「介護美容」に興味を持った様子でした。

『ノンストップ!』(フジテレビ)2025年9月12日放送より