――遺品整理がテーマのドラマで“死”が描かれることになると思いますが、中村さんは死についてどのように考えていますか?

今回、遺品整理という職業を改めて知って、人の死後に何が残るのかと考えると、たくさんお金があって物質的に豊かでも、人間は本当はもっとシンプルなことを幸せとして求めているんじゃないかなと感じています。

死を意識することは、自分のなかでの幸せの意味や、寂しさを感じる理由といったものがすごくシンプルになるような気がします。この作品の登場人物や、遺品整理という仕事を通して、人にとってのやさしさや幸せとは何なのかと、いろいろ教えてもらう思いです。

中村ゆり「草彅(剛)さんはどんなアプローチのお芝居でも受け止めてくれる」

――草彅さんとは『37歳で医者になった僕〜研修医純情物語』(2012年/カンテレ・フジテレビ系)やCMで共演があり、今回は大人のラブストーリーを演じます。今回の撮影で感じた、草彅さんの印象をお聞かせてください。

『終幕のロンド-もう二度と、会えないあなたに-』より

私が学生のころから大スターの剛さんですし、最初はとても緊張して撮影に入ったんですけど、ほがらかで一緒にいる相手を包み込んでくださるようなやさしさがあって、身を預けられる包容力のある方です。それはお芝居でもそうで、どんなアプローチをしても受け止めてくださいます。

普段はおどけて面白いことを言っているのも、剛さんの人への気遣いの一環なのだろうなと。勝手ながら、剛さんはきっと人の痛みがわかっている方だと感じていて、先輩としてとても尊敬しています。

あと、恋愛パートでの距離が近づくシーンでは、私をパッと受け止めてくださるのですが、そういうときは身体能力の高さが見えて、本当に運動神経がいいんだなと感じますね。あらゆる面で身を任せられてすごく力強くて、剛さんに頼りっぱなしです。

――最後に、視聴者へのメッセージをお願いします。

人ってどれだけ人生経験を重ねても、結局はトライ&エラーの繰り返しで、自分を振り返ってもたくさん恥ずかしい思いをしながら、それでもどうにか人生を良くしたくて立ち直って、一生懸命生きていくんだと思います。

この作品の登場人物もみんなそうで、いろんな失敗も繰り返しながら、どうにか人にやさしくなりたい、良い人生を歩みたいともがきながら進んでいく人たちの人生ドラマです。

何度失敗しても頑張っていけるということを感じ取っていただけるような作品になると思うので、ぜひご覧になっていただきたいです。