草彅剛さん主演、月10ドラマ『終幕(しゅうまく)のロンド ーもう二度と、会えないあなたにー』。

このドラマは、遺品整理人の鳥飼樹(草彅剛)が、遺品整理会社の仲間たちとともに、さまざまな事情を抱えた家族に寄り添い、遺品に込められた故人の最期のメッセージを解き明かすヒューマンドラマ。

また、せつない大人の恋や大企業を舞台に繰り広げられる不穏なサスペンス要素も描かれるオリジナルストーリーです。

このたび、草彅さんと三宅喜重監督の対談コメントが到着(前後編の前編)。草彅さん初主演のドラマ『いいひと。』(1997年)で、助監督だった三宅さんは、『僕』シリーズ3部作、『戦争』シリーズ3部作など、長年に渡り、草彅×カンテレタッグ作品に携わってきました。

<草彅剛×三宅喜重監督 対談コメント(前編)>

左から)草彅剛、三宅喜重

――「遺品整理人」がテーマの作品に挑もうと思った理由は?

三宅:前回の草彅さんとの『戦争』シリーズ3部作では、復讐劇をテーマに、激しい怒りや悔しさをたぎらせるドラマに取り組んだのですが、今回は、それとはまったく違うテイストの「人の思いを大切にする」、そんなドラマを一緒に作りたいと思いました。題材を探しているなか、いろいろとアドバイスしていただくこともあり、遺品整理人にスポットを当てた作品に挑戦することになりました。

草彅:僕も、これまでとは違うベクトルに、三宅監督と一緒に行けたらなという思いがあって。このドラマで遺品整理人という存在について詳しく知ることができて、僕自身、大変勉強になりました。実際に遺品整理のお仕事をされている方が現場に来てくださってお話を聞きながら、いままで三宅監督と作り上げてきたものとは違うステージで、新しいものを生み出そうという心がけで挑みました。

三宅:自分たちも、昔に比べて年齢を重ねてきて、周りの関係者や、親族も高齢になってきて、遺品整理について考える機会が増えたということも題材を選ぶ一つの要因になったかなと思います。

草彅:遅かれ早かれ、自分が持っているモノをいつか整理するわけで。早いうちに意識していたほうが楽なのかなと思う一方で、自分のことになると無頓着というか。決してネガティブなことではなくて、生前整理や遺品整理を前向きに捉えてもらえたらなと思います。

ドラマの中でも描かれているんですけど、長く生活をともにしたモノってその人の気持ちや魂みたいなものが宿っていると思うんです。僕は、今作との出会いが、自分が大切にしているモノについてあらためて考えるきっかけになりました。

――鳥飼(草彅)たちを見ていると、遺品整理という仕事はとてもエネルギーが必要だと感じます。

草彅:僕は、役として遺品整理に向き合っていることもあり、実際の仕事としての感覚はつかめていないかもしれないけれど、樹(草彅)は遺品を通して亡くなった方の“最後の声”を聞いて、その思いをご遺族さまに届けなくてはという使命感を抱いている。その行為は、どこか聖なるものというか、そこに触れていくためにはやはり研ぎ澄まされた感覚が必要で。肉体的にというよりは精神面ですごくエネルギーを使うなと感じました。

三宅:現役の遺品整理人の方に、何度も現場に来ていただいて話を聞きながら撮影を進めていくことが多かったのですが、やはりすごく丁寧というか、そこに「何かがあるんじゃないか」と思いをはせて遺品を扱っているとおっしゃっていました。

そして、その残されたモノの意味を探っていくには、故人さまの遺品と向き合うことはもちろん、依頼人の方ともいろいろと話をしないと、その意味まではわかってこないと。そこに、相当のエネルギーがかかることは容易に想像できたので、今作の主人公に対してもまず「人の話をよく聞く」イメージが浮かび、草彅さんには、主人公は自分のことを話すよりも「相手の話をよく聞く」人だということを伝えました。

<「樹(草彅剛)のような遺品整理人は本当にいるんです!」遺品整理人&脚本家&プロデューサーが明かす『終幕のロンド』制作秘話>

樹の役には「浮世離れしている“違和感”をプラスしたつもり」(草彅剛)

草彅:実は、樹をはじめ「Heaven’s messenger」で働く人たちの苗字は、神社名からとっていて、脚本を担当されている高橋(美幸)さんが、メンバーたちに対して、神の使い手のようなイメージで書かれているところもあると聞きました。

客観的に、樹の行動を見ていると冷静で感情の起伏もそこまで表に現れないので、浮世離れしている雰囲気はありますが、僕個人としてはおそらくリアルな人間の反応って意外とあんな感じだったりすると思っていて。

ただ、そんな樹も昔は奥さんのことで生きる気力を失い、磯部社長(中村雅俊)に助けられて、遺品整理の仕事をすることで人生を取り戻すことができた。樹が故人さまの思いに全力で寄り添えるのも、その尊さがわかっているからこそなんだと思います。

三宅:樹は、基本的に相手のことを受け入れる人ですが、草彅さんが言う通りそれは昔からではなくて、過去を経て今はそういう人になっている。僕自身は、樹を崇高な人物とは捉えていなくて、“鳥飼樹”という人間を描くことに徹しています。確かにそのなかで、崇高な人に見えたり別のイメージを持ったり、見る人によってその印象は変わってくるだろうなと思います。

草彅:三宅監督には伝えていないのですが、あくまで自分の中だけのシチュエーションとして、僕としては、パラレルワールドというか、どこかで実在するお話という感覚の中で、樹を演じている部分がある。

それは、いかにも“ドラマ作品”としてわかりやすく演じるためではなくて、自分なりのリアルを追求したいという思いから。そのうえで、あまりにも普通のキャラクターだと面白くないし、もうひとつなにかをプラスする作業が、僕は好きなんです。

樹でいうと、まさに浮世離れしている“違和感”をプラスしたつもり。ただ、行き過ぎると作品の本質が伝わらなくなるので、そこはせめぎ合いではあるのだけれど…。監督に「もうちょっとこうやって」と言われないかな、と思いながらギリギリのところを狙っています。監督には、迷惑かもですが(笑)。

三宅:そんな雰囲気を漂わせている樹だからこそ、家庭での息子とのやりとりは、とてもアットホームで、より樹のキャラクターが生きているよね。

草彅:あと、三宅監督が僕のいい表情を引き出してくれるんです。三宅監督が撮ってくれる僕のアップの顔、すごくきれいでしょ!三宅監督とは長い付き合いだから“僕がきれいに映る角度”をわかっているんです。だから、ときとしてフィルターを通して樹が聖人のように見えるのかも。

三宅:草彅さんなら、どの角度からでも大丈夫。すべて、わかっていますから。

草彅:僕のアップを時間をかけてカメラの角度を調整してくれるのですが、やはりカメラの位置が1㎜ずれるだけでも鼻の高さや目の見え方など全然違う。三宅監督は、シチュエーションごとに、どの角度で、どの顔が一番視聴者に思いが伝えられるかがわかっているからこそ、こだわってくれている。自分で見ても「すごくいい顔だな」と思ってしまうくらいなので(笑)。

三宅:それは僕だけではなくて、カメラマンの力が大きいし、本当に草彅さんがいい顔をしているからです。

草彅:三宅監督はもちろん、カメラマンさん、照明さん、メイクさん、衣装さん…僕は、みんなの愛情をすごく感じています。この作品には、清らかでやさしい空気が流れていて、それは三宅監督作品の根底的かつ揺るがないものだなと思います。

後編に続く

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