8月に起きた、神戸で女性がナイフで刺されて殺害される事件や、9月1日に東京・世田谷区の路上で女性が男に首を切りつけられ殺害されるなど、相次ぐ凶悪犯罪を受けて、女性たちの間で、催涙スプレーなどの「護身用品」が注目されています。

20代学生:
(以前父から)一応念のため持っときなって言われて、持たせられたことがあります。もう1回、持ってもいいんじゃないかなっていうふうには思っています。

20代女性:
神戸のエレベーターで刺されたというニュースを見て、エレベーターで二人になったら、身を守る方法がないから、お守りとしてでも。
護身用グッズの需要は年々増加しており、特に、唐辛子の辛味成分「カプサイシン」などを原料とする液体を噴射し、目・鼻・のどを強く刺激する「催涙スプレー」は、以前の2倍以上の売れ行きだといいます。

さらに、自分の身を守るために「護身術教室」に通う人も増加。
東京・千代田区の「剣護身術」では、小学校などへの出張授業の依頼も年々増えているといいます。

『サン!シャイン』は、スタジオに「剣護身術」代表のヒーロ黒木さんを呼んで、実際に危険な事態に遭遇した際どのように対処すればいいのか詳しく解説してもらいました。
羽交い締めにされた場合の対処法
神戸で発生した事件のように、後ろから「羽交い締め」にされた場合はどのように対処すれば良いのでしょうか?

「剣護身術」ヒーロ黒木代表:
まず、羽交い締めになるのは相手に対して背中を向けている可能性があるので、背中を向けないとか、このような状況を作らないことが基本ですが、それでも歯がいじめされた場合、相手の足の甲を狙って思いっきり踏むというのがひとつ。

相手がブーツなどの硬い靴を履いていると効果が薄いので、その場合はすねを狙います。そして、ひるんで腕がほどけたら逃げると。

逃げるときもしっかり声を出して「誰か-!助けてください!」と大きな声を出して逃げることによって、相手が逃げる可能性もありますので、声を出して逃げると。なんでもいいです、そのときに出る言葉、とにかく大きな声を出すのが大事です。

――体重が軽い女性はどうすれば?
体重が軽いと浮く可能性があるので、少し前屈みになって足の甲を踏む。蹴るときは思い切り足を前に振って勢いをつけて、何度も蹴る。大きく足を振りかぶらないと威力が出ないので。

――口を押さえられたらどうすればいい?
片方の手が空くので、肘打ちを入れるとか、男性の急所を打つ。もちろん訓練は必要ですが、そういう形で身を守ります。
刃物を所持していた場合の対処法
もし、襲われた際に相手が刃物を持っていた場合はどうすればいいのでしょうか?

「剣護身術」ヒーロ黒木代表:
相手が金品目的だった場合は、相手の指示に従って金品を差し出す。命が一番大事ですから。
ただ、最近多い通り魔のような事件の場合は、リュックなどのバッグを両手で持って自分の前に差し出して構えます。そうすると、刺しにくい雰囲気が出ませんか?まず、相手が「やりづらい」状況を作るのが大事です。
さらに、言葉が重要です。「なんですか!」「やめてください!」と、こんな感じで強い言葉を発することで、心理的なインパクトを与えるので、こいつはやりにくい・手強いという印象を与えられるので、そうすると相手はどこかに行ってくれる可能性がある。
まずは、自分は手強いぞ、強いぞという印象を与えるのが大事。

その後、近づいて刺してくるという可能性もありますが、そのときはバッグで思い切り押し返す。押し方があって、手で押すのではなく、腕をある程度伸ばした状態にすると、非常に強い状態で押すことができます。

押すポイントとしては、できれば相手の肘が体に付くように押すと力が出にくくなりますので、体格差があっても身が守れる可能性がある。

あとは、相手の力が強かった場合は、押した後にぱっと体をひねって力を流して逃げるというやり方もあります。
(『サン!シャイン』 2025年9月9日放送より)