各々、優先順位の異なる物件選び。
今、人気となっているのが…スペースがほとんどない、“激セマ物件”です。

“激セマ物件”を専門にしている会社の入居率は驚異の99%。

株式会社SPILYTUS LIVISION 推進チーム 伊勢田梨歌さん:
(現在)1500部屋ほどありまして、入居率が99%になってます。
住んでみて、狭いので掃除が楽だったりとか、あとは「いらないものを買わなくなった」などお声をいただいています。

『サン!シャイン』は“激セマ物件”に住む人を取材。選んだ理由とは?

東京・目黒区 家賃7万9500円

多くの高級住宅街が点在する目黒区にあるアパート。

2024年7月に引っ越したという飲食店で働く大神さん(26)。部屋の広さは、約9㎡で6畳ほど。

居住スペースだけだと、約3畳しかありません。

しかし、ワンルームながらロフト付きで、シャワールームとトイレは別。小さいキッチンもついていました。

大神さん:
ソファベッドを倒して、最初ロフトで寝ようと思ったんですけど、(ロフトが)暑くなりやすいのとよくお酒飲んだりするんで酔っ払って階段(上るの)怖いなというので。

物置として利用しているロフト

ロフトは物置として利用し、リビングの半分を占めるソファーベッドで寝ています。

生活家電は、冷蔵庫も洗濯機もなるべく小さいものを購入。
物を置くスペースも縦方向に確保しています。

身長180cmの大神さんには狭すぎる気がしますが…。

大神さん:
物もすぐ取って使えるって感じですね。

――移動しなくても生活ができる?
そうですね。わりと仕事終わってヘトヘトで帰ってくるんで、移動ないのが楽ですね。
空調が本当に効きが早いので、狭い分。暑いと思って帰ってきて(空調を)つけて、シャワー浴びて出てきたらキンキンなんで。

しかし、ひとつだけ不便な点が…。

大神さん:
トイレは縦が狭くて、座ると幅がないので、扉閉めると膝が当たっちゃううらいの幅で…。
トイレは幅が狭く、座るとドアが閉められません。
いったいなぜ、この激セマ物件を選んだのでしょうか?

大神さん:
駅からの立地ですね。祐天寺駅と学芸大学駅どっちもアクセスがよくて10分圏内に行ける距離という。

最寄り駅から徒歩7分で、家賃は7万9500円。
築浅できれいな事が大きな決め手だったそうです。

東京・江戸川区 家賃5万5000円

そんな“激セマ物件”は女性にも人気。

江戸川区に住む、学生の山本さん(19)。

最寄り駅から徒歩7分で家賃5万500円。
ワンルームのロフト付きで広さは約11㎡。
居住スペースは、約3畳しかありません。

そのため、ロフトに布団を敷き、下の居住スペースを確保。
さらに広さを保つため収納に工夫が…。

山本さん:
磁石をたくさん貼ったりして、物を浮かせて下にかさばらないようにしたり、高い棚を使って空間を作ることを意識しています。

冷蔵庫にはタオルやティッシュペーパーなどを磁石で固定。
あらゆる所に突っ張り棒を駆使するなど、空間をうまく活用していました。

山本さん:
家賃をどれだけ安く抑えられるかを目標にして、とてもきれいで、オートロックもついていたり、トイレとシャワー室が別であったりすることから、私はここの物件がいいと思い選びました。

いったいなぜ、ここまで“激セマ物件”にこだわるのでしょうか?

株式会社SPILYTUS LIVISION 推進チーム 伊勢田梨歌さん:
若者を応援したいという思いで、通勤通学に便利な場所にあり、家賃も2、3万ほど安く住むことができます。
通学に使っていた時間や、家賃にかけていたお金を将来の自分に投資して、大きく羽ばたいていってほしいと思っております。

住宅評論家の櫻井幸雄氏は…

住宅評論家 櫻井幸雄氏:
住む人は若い人が多いんですよ。単身のサラリーマンとか学生さん。そういう人たちは遠くまで通うということがしにくいので、なるべく職場の近く、学校の近くで住みたい。
飲食店に勤めているような若い方だと、帰りが遅くなってしまうので、終電が終わった後に帰らなきゃいけないとなると、都心の繁華街の近くで借りたいと、家賃がワンルームでも10万円以上しちゃうんですよ。
そうすると、少しでも安く、というと“激セマ物件”を選ばざるを得ないというところがあります。

“激セマ”以外にも…“北向き物件”が人気!

AMUSE不動産の高橋寛之代表によると、猛暑での強い日差しを避けるため北向きが人気になっているといいます。
南向きに比べ、家賃が比較的安くお得だということもあり、AMUSE不動産が扱う“北向き物件”はすべて満室だそうです。

(『サン!シャイン』 2025年9月5日放送より)