深刻な人手不足などによる、いわゆる「2025年問題」がたびたび取りざたされてきた配達業界。
国土交通省が「置き配」を宅配便の標準サービスに追加する方針を決めるなど、対策も進みつつありますが、2025年10月の時点での再配達率は8.3%と、政府が目標とする6%にはいまだ届かない状況です。
『サン!シャイン』は、宅配需要が急増する中で奮闘する、配達業者に密着。“正月寒波”に負けず、年明けに働く姿を取材しました。
豪雪と闘う配達員 雪国ならではの工夫も
法人への配達を主な業務としている西濃運輸青森支店。日本有数の豪雪地帯である「酸ヶ湯」も対象地域となっている、まさに“雪と闘う配達業者”です。
取材をした6日の青森市の最高気温は、氷点下3℃。
寒さと雪との闘いは、配達開始前から始まります。配達トラックのタイヤが雪に埋まり、動けなくなってしまったのです。
雪国では出発前のスタックは日常茶飯事。やってきた小型トラクターにロープを結び、なんとか抜け出します。
――雪の中、運転中に気をつけていることは?
配達員 芳賀麗児さん(25):
どうしても(道が)狭いし、何があるか分からないので。スピードを出すと対応ができないので、なるべくすぐ対応できるスピードで。
本来、右折車線と直線車線あるんですけど、雪で通れないので(車道が)減っちゃっているんで。両側に除雪しちゃっているから歩道もないんで、(歩行者が)車道を歩いていたりして。
除雪作業でたまった雪で車線が減少。さらに、歩行者も車道を歩かざるを得ないため、スピードを落とし、細心の注意を払って運転しているといいます。
この日、72cmの積雪を記録した青森市。
雪が深々と降り注ぐ中、配達員の芳賀さんが取り出したのは、「そり」です。車を近くに止めることができない場所などは、そりに荷物を載せて、濡れないようにカバーをして運ぶといいます。
配達員 芳賀麗児さん:
冬だとどうしても台車が使えないので、そりでこういう複数の物は運びます。
様々な工夫を凝らして配達をこなしていきますが、思うように進まないのが雪国の配達。
西濃運輸・青森支店の小林支店長によると、通常時速50~60㎞/hで走れる道も、雪が積もっていると時速30~40㎞/hしか出すことができないため、通常時の2~3倍配達に時間が必要だといいます。
さらに、ドライバーの労働時間の制限もあるため、勤務態勢も普段通りとは行きません。
西濃運輸 青森支店 小林健一支店長:
遠いところは2人で走ったり、ドライバーを途中で代えたりして、お客さんにサービスレベルを落とさないための工夫をしながら、取り組んでいる状況です。
「置き配」便利と責任のはざまで揺れる
配達物が多い都内では、増え続ける需要に人員や車を増やして対応している企業もありました。
取材したのは、多摩地区を中心とした配達を行う「デリバリーサービス」。地域密着を掲げ、年末年始も休まず配達を行っていました。
デリバリーサービスの桑山統括本部長によると、毎月2~3人の増員と、配達する車の台数も増やしたことで、かなり緩和ができてきているといいます。
取材をした5日は、小物から家具や家電など約2000個の荷物が営業所に持ち込まれました。この荷物を、24台の車両で配達します。
密着させてもらったドライバー歴10年の坂本祐亮さんは、配達効率は向上している一方で、新たな“悩み”があると話します。それは、再配達率を抑えようと、国が宅配便の標準サービスに追加する方針を決めた「置き配」です。
この日も大型テレビを「置き配」指定で配達しましたが、指定場所は玄関前。
到着後、念のためインターホンを鳴らすも不在。電話でも応答がなかったため、指定の通り玄関前にテレビを置きますが…不安は拭えません。
デリバリーサービス 坂本祐亮さん:
すんなり置いちゃってもいいんですけど…テレビなんで、できれば人がいるなら直接渡した方がいいかなと思って。
負担減となる「置き配」は効率的だと思う一方で、配達物をきちんと届けたいという責任のはざまで、悩んでいるといいます。
「デリバリーサービス」では、配達だけでなく家具などの買い換えの際に設置作業の代行サービスも行っています。社内の経験豊富な指導員が、配達員にノウハウを伝授しており、様々な商品に対応しています。
この日、頼まれたのはベッドフレームの組み立て。フィリピンで暮らす息子からのお年玉で、日本では初めてベッドを買ったという依頼者。期待に膨らむ瞳で見守られる中、約40分かけて完成させました。
依頼者:
サイズもみんなぴったり、すごくきれいでなんかお嬢さまみたい。すごくうれしいです。2026年のいいプレゼントです。
この後も配達や家電の設置、回収などを行い坂本さんが営業所に戻ると、不在による持ち帰りの荷物がすでに10個以上置かれていました。
デリバリーサービス 坂本祐亮さん:
きょうは、僕らは(再配達は)なかったですけど、だいたい一日に1個か2個。10件に1件ぐらいは持って帰ってくるかな。
(今後は)ドライバーも増えるっていうところも聞いていますので、まだ荷物量もたくさん運べたらいいんじゃないかなと思います。
(『サン!シャイン』 2026年1月7日放送より)
