閉院した眼科医院に通院していた女性(50代):
お値段がめちゃくちゃ高いと思ったんですけど、164万円になりました。
「事前に高額な料金を支払ったにも関わらず通院ができなくなった」と『サン!シャイン』のカメラに答えてくれたのは、通っていた眼科が突然閉院してしまった女性です。
女性が通っていたのは横浜市内にある眼科。
経営していたのは、神奈川県内で複数の眼科を展開している医療法人です。
1月5日、系列の眼科に行ってみると…。
取材スタッフ「逗子駅前にある系列の眼科なんですが、こちらも電気が消えてしまっています」
<閉院した眼科医院に出ていた張り紙より>
「2025年12月31日をもちまして閉院いたします。」
経営していた眼科が一斉に閉院し、患者たちとの間に金銭トラブルが発生。
海外メディアにも取り上げられ、ネットテレビにも出演歴がある医師の眼科で何が起きているのか…トラブルの実態を取材しました。
「多焦点眼内レンズ手術件数日本一」費用は前払いで164万円
大晦日に突然閉院した眼科医院は2010年に開院。
好立地、年中無休が好評だったというほか、理事長は海外メディアからも手術実績などの評価で表彰され、眼科医療の先駆者としてネットメディアなどでもたびたび取り上げられる存在でした。
『サン!シャイン』が入手したパンフレットには、次のことが書かれていました。
<閉院した眼科医院のパンフレットより>
「多焦点眼内レンズ
手術件数日本一の
医療機関として表彰!」
白内障で濁るなど、見えにくくなった目の水晶体を眼内レンズに置き換える手術の件数が日本一になったとしています。
パンフレットに掲載されている写真には理事長が手術着姿で表彰状を持って写っていました。
先月ここで手術を受けたという女性は白内障と診断され、日ごとに目が見えづらくなっていたため眼科側から言われるままに手術費用などを支払ったといいます。
――前払いではあった?
閉院した眼科医院に通院していた女性(50代):
前払いです。その契約時にですね。
――それはなぜ前払い?
閉院した眼科医院に通院していた女性(50代):
それはその人独自のレンズの発注があるのと、それじゃないと手術の枠が取れないようなお話があったと思います。
レンズと手術と薬と、1年間のアフターフォローが入ったプランですね。本当でしたら224万円だったんですけど、キャンペーンということで50万円オフ。なのでここの金額から50万円引かれた174万円なんですけど、そこからさらに当日のキャンペーンってことで10万円引くということで金額は164万円ということで契約しました。
費用の内訳として手術費用の他に、術後1年間の検査、診察料、薬代、保護眼鏡代、さらに送迎サービスまで含まれていました。
女性が契約後受け取った直筆の手紙にはこんな一文が。
<女性が契約後受け取った直筆の手紙より>
「大きな選択を安心して進めていただけるようスタッフ一同しっかりとサポートしてまいります。」
女性が見せてくれた紙には術後の注意事項が細かく記載され、今後の通院スケジュールも決まっていましたが、すべて白紙。
「アフターフォローをきちんとしてもらえそうだった」と女性は話しますが、突如、術後の目の状態を診てくれる医師がいなくなってしまったのです。
閉院した眼科医院に通院していた女性(50代):
怖いですよ、もう今も(目の)状態がよくないので。
今2件ぐらい別の眼科に問い合わせしたんですけど(自院で)手術していない方のケアはしないって断られちゃってるので、(術後経過を)診ていただく眼科は見つかっていないです。
本当に裏切られた気持ちと、こんなになるんだったら本当に(手術を)受けなければよかったっていう気持ちで一杯ですね。
負債総額は約18億円…トラブル回避のポイントは
患者に大きな不安を抱かせる閉院トラブルですが、支払った前金は返ってくるのでしょうか。
酒主義久アナウンサー:
この眼科グループの経営状況ですが…東京商工リサーチによりますと、事業を停止したのが去年の12月31日。負債総額は2024年3月期の決算時点で約18億円ありました。その理由は、人件費や設備費、家賃などのコスト負担が重く赤字が常態化していたと。売り上げも8億482万円あったのですが、2024年3月期では8479万円の赤字。
医療ジャーナリスト・市川衛氏:
ポイントとなるのは、これまでの治療を「急激に安い値段で提供しますよ」ということがあった、その背景にはもしかしたら経営状況が悪化していて、資金繰りに困っていた可能性があります。
酒主義久アナウンサー:
前払いの場合どのぐらいお金が戻ってくるのかですが、若狭勝弁護士によりますと事業停止の場合は「弁護士に相談し返還請求を行うことができる、資産があれば前払い金が返ってくる可能性もある」そうですが…。一般的に倒産をした場合、従業員への人件費と税金を支払った後、管財人により債権者へ分配される…ということは全額返金されるかどうかというのは、少し難しい部分もあるかもしれないということです。
患者さんの今後の治療はどうなってくるんでしょう。
医療ジャーナリスト・市川衛氏:
事業停止になってしまったというケースだと、別のクリニックに改めて行って、改めてお金を払ってアフターフォローしてもらうという必要がどうしても出てきます。
ご自身がどんな治療を受けたかというのを、同意書や契約書が残っていると思うので、それをちゃんと見て自分はどんなレンズを入れたのか、どんな手術を受けたのかという情報を取っておくのがすごく大事で、それがないと他の診療科に行っても検査が受けにくくなってしまいます。
佐々木恭子キャスター:
カルテが引き継がれることはない?
医療ジャーナリスト・市川衛氏:
事業者側が勝手にやってくれるというのは考えにくいので、弁護士に自分のカルテの情報を請求する必要があるかもしれません。
「キャンペーン」とか「今だけ無料」という値引きをしているケースは、今回のように経営状況がまずいケースもありますし、逆に安い値段ですよとお客さんを呼んで、来てもらってから急に高いサービスを勧めるというケースが問題化しているので、やっぱり気をつけた方がいい。
また、高額なサービスをローン返済で勧めるというのは、経営が不安定である可能性もあるし、収入に合わないサービスを無理に勧めるというのは、クリニック側の姿勢に問題がある可能性があるので、このあたりは注目した方がいいと思います。
(『サン!シャイン』2026年1月6日放送より)
