少しずつ暑さが収まり、猛暑も終わりが見えかけてきたか?というこの季節、注意しなくてはいけない生き物がいます…それは、「蚊」です。
害虫防除技術研究所の白井良和代表によると、9月になると「蚊は産卵のために必死に人の血を吸いにくる」というのです。

『サン!シャイン』では、蚊にまつわる“ウワサ”のウソ?ホント?を専門家が徹底解説!蚊の意外な事実に迫ります!
雨の日は…毛深い人は?気になる“ウワサ”
前回に引き続き、蚊にまつわる疑問に答えてくれたのは、ヤマザキ動物看護大学の長島孝行教授です。

Q.1:雨の日は蚊が多くなる?
A.ウソ
蚊は小さいため雨粒が重くては羽を動かせず、雨が降っているときは葉っぱの裏などでじっとしている。

長島孝行教授:
風もダメです、結局蚊って小さいじゃないですか。それが空中を飛んでいるというのは彼らにとってハードなんです。重いというかそういうイメージがあって、それに雨が加算されたらとても重くて飛ぶことができないので。
雨がやんだら、一気に休んでいた分出てきたり、暑くないということで出てくるので、そこで刺される。傘を差しながら刺されるということはあまりないかと。
Q.2:毛深い人は刺されにくい?
A.ホント
長島孝行教授:
本当だと思うんですね、ぼくも毛深いのですが蚊は着地する部分を常に探しているんです。その距離や形を彼らはきちっと見抜くんです。毛がいっぱいあると着地しにくいじゃないですか?ですから犬とかもそうなんですが、背中に止まろうとする、でも毛があるのでなかなかそこで吸血はできないので別のところに吸血を求めていくと。
そういう意味では刺されにくい。
Q.:3蚊は人間の血はあまり好まず、近くにいるからいやいや吸っている?
A.ウソ

長島孝行教授:
(人間の血は)好きですよ、好物です。交尾をした雌というのは、人間の血液が大好きです。栄養価が高くて、彼らは産卵をするために血液を吸うので、本来ならば糖だけで済むのですが、蚊の中でごく一部の種類が血液を吸うことを覚えたんです。そうすると、産卵がぐっと増えるんです。血液を吸わないと、40~50卵しか生まないのですが、血液を吸うと100とか200とか、数倍になる。
Q.4:蚊は1秒間に800回羽ばたく?
A.ホント
生物界でもトップクラスの回数(ミツバチは約200回/秒)で、ドローン技術への応用研究も行われている。

長島孝行教授:
ドローンを蚊のようにうまくコントロールできればいいですよね?障害物をものすごくうまくクリアできるんです。距離感もきちんと分かっているし、下に何があるかも見えている、そういったソナーみたいなものを羽を使ってやっているんです。
例えば、ミツバチは200回、チョウだと十数回から20回で飛べるんです。だからなぜこんなすごい飛び方をしているか不思議で、昔は500~600回くらいだろうと言われていたのですが、機械が発展して800という数字が出てきた。
さらに不思議なことに羽ばたきは180度羽ばたいていないんです。40度なんです。ということは、ある意味羽ばたくんだけど、ヘリコプターのような飛び方をしている。
Q.5:刺されやすい「県民」がいる
A.ホント

ゲノムデータをもとに、蚊の刺されやすさに関わる遺伝子解析を行ったところ、蚊に刺されやすい遺伝子タイプが多い都道府県が分かってきた。1位は愛媛県、一番刺されにくい最下位は山梨県。


長島孝行教授:
正直このデータを知らなかったのですが、ある企業が汗のにおいだったり、体臭に関わる遺伝子を調べたところ、こういうふうなことが起きたと。どこかで僕も調べてみたいです。蚊は結構“におい”に敏感なので、そういったものの遺伝子がどう違うかと調べた結果だと。

9月から“凶暴化”する「蚊」。何月まで気をつける必要があるのでしょうか?
長島孝行教授:
今までは蚊の風物詩というか、期間は8月とか、7月下旬と言われてきましたが、最近になって気候変動によって変わってきましたよね。雨と気温と吸血、これが重なって増えていくということなので、下手をすると、10月末から11月まで。彼らそのくらいまで活動しますので。
ただ、重要なことは管理ができるということです。うまくやれば、増やすことも増やさないようにすることもできると。ぜひ皆さん気をつけて増やさない努力をしていただければなと。
(『サン!シャイン』 2025年9月4日放送より)