早くも暑さ全開となっている中…皆さんはもう、“夏の厄介者”である「蚊」の姿を見ましたか?

長年、蚊の研究を続けている、害虫防除技術研究所の白井良和代表によると、実は今年、気温が高いことで卵から成虫までの発育スピードが速く、「蚊が増えやすい」傾向にあると考えられるといいます。

そんな中、気になるのは…蚊にまつわる“ウワサ”

街の人:
O型の血液がだいぶ刺されやすいみたいな…。

ちなみに、このウワサは「本当」です。害虫防除技術研究所の実験によると、O型、B型、AB型、A型の順で刺されやすいという結果になりました。
(※血液型に限らず他の要因でも刺されやすさは決まるため注意が必要)

そこで『サン!シャイン』は、日頃から気になっている「蚊にまつわるウワサ」の真相を知るべく、専門家に「蚊の “ウソ”“ホント”」を伺いました。

気になる!“蚊にまつわる12のウワサ”

今回、疑問に答えてくれたのは、ヤマザキ動物看護大学の長島孝行教授です。

Q1. 体温が高い人は刺されやすい?
A.本当

蚊は体温が高いと寄ってきやすい。特に子どもは新陳代謝が活発で、体温が高く、半袖半ズボンなど露出が多い服装でいることが多いので、大人より刺されやすい傾向にある。

長島孝行教授:
男女差はなく、刺されやすいのは、代謝が高い人・体温が高い人・二酸化炭素が多い人ですね。それから、皮膚が薄くて柔らかい人は刺されやすいです。
最近の研究で、皮膚に「オイル」を少し塗っておくと、蚊が着地しにくくなって、刺されにくいということがあります。

Q2. 高齢者は刺されない?
A.ウソ

高齢者も蚊に刺される。蚊に刺された回数が多くなるとあまりかゆさを感じなくなる。

Q3. 日なたより日陰の方が刺されにくい?
A.ウソ

人と同じように35℃以上の暑さは蚊も苦手。
暑い日なたより、日陰にいることが多い。人が行きたいと思う所(日陰や室内)に蚊も行きたがる。

Q4. ハッカのにおいが嫌い?
A.本当

ハッカに含まれるメントールという成分が、蚊や虫にとって不快な香りで避ける傾向があるため、蚊や虫よけになる。柑橘系のにおいも嫌い。

Q5. 刺されたらセロハンテープを貼るといい?
A.ウソ

外からの刺激を受けにくくなるのでかゆみが抑えられる可能性はあるが、刺し口に雑菌が繁殖してしまう危険性があるのでNG。貼るなら虫刺され用のばんそうこうが良い。

長島孝行教授:
なぜこういう話が出たのかなと考えたときに…「かかない」ために、こういうものがいいのではないかということで出たのかなと。

Q6. 刺されたらお湯で流すとかゆくなくなる?
A.ウソ

かゆみの原因は毒ではなくアレルギー反応のため、お湯で流したら蚊の毒が不活性化されるというのはウソ。
温めるとアレルゲンを広げて悪化する可能性もあるため、むしろ冷やした方がいい。

Q7. 日中より夜の方が刺されやすい
A.本当

暑い日中は蚊も休んでいる。涼しい朝や夜の方が蚊は活発に活動するため、刺されやすい。

Q8. ドロドロな血の人の方が、かゆくなりやすい?
A.本当

さらさらした血の方が飲みやすいので、たくさん吸う。ドロドロの血は途中で吸血をやめる傾向があり、かゆみを発生させる唾液が残ってしまう。

Q9.血を吸われているときに力を入れると、蚊が逃げられない?
A.ウソ

蚊は筋肉より上の血管から血液を吸っている。
針は筋肉まで届いていないので、力を入れて筋肉を締めれば針が抜けなくなって逃げられないというのはウソ。

長島孝行教授:
レスラーの方に試してもらったことがあるのですが、ぐっと力を入れてもらっても普通にさして普通に吸血して普通に帰って行きました。筋肉はかなり内側にあるので、どんなに力を入れても皮膚は硬くはならないんです。一方で、指などの場合は、伸ばすことで皮膚が伸びるので、そうするとちょっと抜けにくくなる。

Q10. 刺されたらつぶさず放っといた方がいい?
A.本当

蚊は吸血する時に唾液を出しており、この唾液がアレルギー反応を起こしてかゆみの原因になるため、最後まで唾液を一緒に吸い尽くさせた方が、かゆみが軽減される。

Q11. 飛んでいる蚊は上下からたたくといい?
A.本当

蚊はフワフワと上下に飛ぶことが多いので、左右からたたくより、上下から挟むようにたたいた方が命中しやすい。

Q12. お酒を飲むと刺されにくい?
A.ウソ

蚊は二酸化炭素にも寄ってくる。アルコールが分解されると二酸化炭素の排出量が増えるので刺されやすくなる。

長島孝行教授:
お酒を飲むと代謝が高くなりますので、二酸化炭素を多く排出したり、体温が高くなったりして、刺されやすくなります。

――蚊に刺されないためにできること
長島孝行教授:

刺されにくくするためには、体をアルコールの除菌シートで拭いてあげるといいです。
また、シャワーなどで洗ってから外に出るとかなり刺されにくいです。特に、足の裏や指の間の常在菌に蚊が寄ってくる成分があるので、足の裏を消毒したり、水で拭くだけでも効果があります。
虫よけスプレーを使う際は、蚊は足元から上がってくるので、足元に重点的にかけると良いです。赤ちゃんの場合は、服の上からでも大丈夫です。

(『サン!シャイン』 2025年7月3日放送より)