7月15日、温かく湿った空気が流れ込んだ影響で、東海から関東にかけ、大雨に見舞われました。

梅雨の末期に各地を襲った雨。
関東甲信では、17日にかけて引き続き大雨に注意が必要ですが、週末からは一転、各地で最高気温が30℃を超える暑さが予想されています。

天達武史気象防災キャスターによると、梅雨明けが近い今の季節は「熱中症」が一気に重症化する恐れがあるといいます。注意点を詳しく聞きました。
梅雨明け 熱中症の救急搬送が1.4倍
消防庁が出している、2024年の「熱中症による救急搬送状況」を見てみると、梅雨明けの翌週に熱中症の救急搬送者が約1.4倍になっていることが分かります。

なぜ、梅雨明けの翌週に救急搬送される人が急増するのか?
埼玉慈恵病院の藤永剛 副院長によると、梅雨の期間は「ジメジメ猛暑」で、曇りや雨が多いため日差しは弱いものの、汗が蒸発しにくいので熱がこもりやすいため、「だるさ・頭痛・食欲低下」などの熱中症の症状がおきやすいといいます。

一方、梅雨明け以降は「ジリジリ猛暑」で、雲が少なく日差しが強くなり。急な気温上昇に体温調節が追いつかず、外気温が35℃以上になると体から熱が逃げにくくなります。
その結果、「意識障害」や「けいれん」を伴う熱中症の症状が増えるといいます。

――季節で症状も変わってくる?
天達武史 気象防災キャスター:
そうです、昔は日射病と熱中症と分けたりしていたのですが、今では日射病も、とにかく体に熱がこもってコントロールできなくなったものを全て「熱中症」といっているので、「ジリジリ猛暑」で起こる症状は、昔で言う日射病に近いと思います。
今年は梅雨の時期も暑かったですが、一日10時間以上日差しがあるという日はそんなになかったんです。でも、これから梅雨明けすると12時間くらい日差しが出ていますので。
外にいる間は、常に日差しが出ている状況がしばらく続きそうですので、注意が必要です。
熱中症死亡例の多くが“屋内”
東京23区で2013年から2023年までの10年間に、熱中症で死亡した1447例のうち、1319件が屋内で亡くなっており、その多くを60歳以上の高齢者が占めています。

さらに、1319件のうちサウナや勤務先などをのぞいた1295件のエアコンの使用状況を見ていくと、「エアコンを切っていた」が581例(44.9%)と約半分を占めており、残りは、「エアコンが設置されていない」が381例(29.4%)、「エアコンが故障」が129例(10.0%)、「エアコンはついていたが、設定が不適切だった」が84例(6.5%)と、大半の事例で「エアコンが機能していなかった」ことが分かりました。

「エアコンはついていたが、設定が不適切だった」とはどんな状態なのか?
詳しく見ると、「温度は28℃だったが“暖房”だった」、「リモコンの電池が切れて使えなかった」「送風口にほこりが詰まっていて風が出ていなかった」「エアコンをつけていたが、電気毛布を使っていた」などの事例があります。

スペシャルキャスター 武田鉄矢氏:
私は出身が南なので、暑さには割と強いと思っていたんですけども、でもやはりこれだけ言われるとさすがにクーラーを入れるようになったんですが、きのう大ミスやっちゃいまして。
2時間ほどクーラーをかけてぐっすり眠ったんですよ。眠っていたら、夜中に暑くなったもんだから、もう一回クーラーをつけたら、暖房を押しちゃったみたいで。ま~目を閉じた後、暑いのなんのって…。
気付いたから良かったけど、もうすぐ冷たい風が来るはずだと思って目を閉じるから、そのまま寝てしまうとまずいですよね…。
「冷房」「暖房」が一字違いで、もう小さいの!リモコンの文字が。

宮澤智アナウンサー:
本当に、夏はエアコンを適切に使う、こまめに水分を取るというのが大事になってきますね。
梅雨明けは“カラっと”した天気に
――今後のお天気は?
天達武史 気象防災キャスター:
あすまでは結構不安定で、東京などでは気温が低く割と過ごしやすいのですが、一気に変わります。湿度はあさってまで高いです。
ただ、夏を演出する太平洋高気圧が、普通は南からくるのですが、東から覆ってきます。東から来ると、天気の崩れ方や回復の仕方が変わってくる。

関東・東海は、きょう大雨モードですが、あさってになると一気に高気圧が広がるので、四国や九州は雨に注意なのですが、そのほかの地方は、一気に高気圧に覆われて、中心に入っていくので、一気に湿度が下がりそうです。

「梅雨明け十日」という言葉があるように、梅雨明けしてから1週間くらいは割とカラっとすると思います。ただ、カラっとはするんですが、気温が35℃を軽く超えて、日差しがたっぷりありますので、熱中症には注意が必要です。
(『サン!シャイン』 2025年7月16日放送)