8月4日、石川県小松市で40.3℃を記録し、さらに、5日は群馬県桐生市で国内の観測史上最高の42℃が予想されるなど、全国的に“災害級”ともいえる暑さに見舞われている日本列島。

しかし、そんなあつ~い日本で、真夏なのにエアコン知らずの町があるといいます。
『サン!シャイン』は、“猛暑でも涼しい町”の秘密を取材しました。
“猛暑でも涼しい町” 東京都との違いは「風」?
東京の品川駅から特急で1時間ほどの場所にある、神奈川県三浦市。

ダイヤモンド富士の絶景が有名な「城ヶ島」など、行楽地としても有名ですが、実は関東有数の避暑地でもあります。

三浦海岸の海の家をのぞいてみると、エアコンはあるものの電源が入っていません。

「夏小屋 MOZU」店主・鈴木俊夫さん:
(エアコンは)ほぼ使ってないですね。最後に僕が一人になって(店を)閉め切ったときは暑くなっちゃうので、そのときだけほんのちょっと使って、あとはほとんど一日も使わない日もあります。
風が気持いい、それがすべてですね。温度よりも、体感2、3℃低い感じじゃないですかね。

今年、東京都心では10日を数える“猛暑日”が、三浦市では、わずか1日。
4日の最高気温も東京都心より3℃ほど低い33.2℃でした。

とはいえ、海の家の人気メニューのポテトフライを揚げる店主の額にはうっすら汗が浮かんでいます。

「夏小屋 MOZU」店主・鈴木俊夫さん:
多分一番、この三浦内で一番暑いのがここなんじゃないかなって、フライヤーのこの近くで。それでもエアコンなしで全然やっていけているんで。
熱中症とか全然出てないんで、涼しいと思いますね。東京よりは、全然過ごしやすいっすね。
都心から海水浴に来た人たちも、実際の気温より涼しいと感じているようです。

川崎から来た親子:
家族で遊びにきました、川崎の家の方よりは、5℃くらいは低いんじゃないかなという体感はありますね。

東京から来た人:
東京より全然涼しいです。(東京と違うのは)風。東京だと、ちょっと歩くだけでも汗かくんですけど。サラサラ、べたつかない。

東は東京湾、南は太平洋、そして、西には相模湾とぐるりと、海に囲まれている三浦市。さらに周囲に高い山などがないため、町にも常に涼しい海風が通り抜けるのです。
そんな気候が心地よいのは、人だけではないようで…。

取材スタッフ:
馬が浜辺に入ってきました。海の中で乗馬をしている方たちいらっしゃいますね。

なんと、海辺で行われていたのは「乗馬体験」。乗っているお客さんだけでなく、馬たちも気持ちよさそうです。

「ホーストレッキングファーム三浦海岸」マネージャー・原琴乃さん:
東京と比べると気温が2~3℃ぐらいはいつも低かったり、海風がかなり吹き込むので、涼しい風が吹いてくるっていうところで、馬たちにとってはかなりいい環境で過ごせているかなと思います。

特に涼しいのが、朝方の時間帯。
毎週日曜に三崎の漁港で開催される「三崎朝市」には、午前4時前から多くの人が訪れていました。列に並ぶ人の中には、長袖を着ている人も。

神奈川・藤沢市から来た家族:
寒いかなと思って。(長袖でも)暑くないです。

この時の気温は、25.8℃。長時間並んでも、汗一つかきません。名物のマグロ丼を食べる人たちも、涼しさもあり、食欲も進みます。
移住者も驚がく…エアコン使用は「試運転の時だけ」
夜になっても涼しさは続きます。『サン!シャイン』が訪れたのは、2023年に三浦市に移住してきたという、鈴木さんのお宅。

三浦市に移住した鈴木さん:
風が抜けるんで、結構、夕方は涼しいです。(エアコンは)今はつけてないですね。扇風機だけで。

暮らし始めてから2年。リビングのエアコンを使ったのは、試運転の時の1度だけだと言います。午後6時の部屋の温度はエアコンなしでも、29.5℃。

以前は、新潟県で暮らしていたという鈴木さん。引っ越したことで、夏の環境はガラッと変わったと言います。

三浦市に移住した鈴木さん:
新潟は暑いんですよ、35℃超えることはざらだったんで。引っ越してきて夏、気温と風のおかげで涼しいというのはうれしい誤算でした。
風のおかげで体感温度が低く感じているのが幸いかなと、朝晩けっこう風が吹いて涼しいんで、新潟のときに感じた寝苦しさが意外とないですね。
(『サン!シャイン』 2025年8月5日放送より)