“瀬戸内のハワイ”とも言われる、山口県周防大島町の「笠佐島」。

東京ドーム約20個分の94万㎡という広大な土地に、人口はわずか7人。
美しい海や自然が広がるこの離島で、今、「中国資本による土地購入」が起きているといいます。

住民によると、島に外国人が訪れるようになったのは、数年前のこと。土地を購入するための下見に来ている様子だったといいます。

笠佐島に25年住む 八木秀也さん(79):
何するのかなと思っていたんですけど、造成して家を建てるって。投資のために、中国の人が買ったんじゃないですかね。
ここは何をしても分からないんですよ。人が来ないから。この島が好きやからね、魚釣りが好きで来とるから。変なことになると、ちょっといやだなと思って。

この日、島を訪れていた岩国市議会の石本崇議員は、笠佐島が在日米軍基地や海上自衛隊の基地に近いこと、愛媛県の伊方原発にも近い距離であることをあげ、海外資本への安易な売買は問題ではないかと訴えます。

岩国市議会 石本崇議員:
(外国人の土地購入は)岩国基地にも関連する問題であるということ。簡単に外国の方に(土地を)売買してしまう。それはやっぱりいろんな面で問題のあることですから。

2022年に新たに施行された「重要土地等調査法」では、防衛関係施設や国境付近にある離島などの土地について、機能を阻害する行為が認められた場合に、国がその対象区域内を調査し、場合によっては勧告・命令が可能と記されていますが、この対象が限定的であることを指摘する声もあります。

石本市議が入手した土地の登記によると、2つの区画が、中国の上海に住所を持つ、中国人らしき人物の所有と明記されていました。

石本崇議員:
たまたま5月、こちらに来たときに、ちょうど土地の下見に来た中国人の家族と一緒になりまして、船着き場には何千万円もするような高級外車が置いてあった。
最近になって電柱工事が行われて、ちょうど中国人の方が購入している土地のところに、電柱が立つようになった。

住民の協力を得て、電柱を立てる工事が行われていたという場所に向かってみることにしました。中国に住所を持つ人物が購入した土地は、住民が住む地域とは離れた場所。島の反対側にあるといいます。
船を走らせること約5分、見えてきたのは森林が切り開かれた広大な土地。土地の登記などによると、約3700㎡の広さがあります。真新しい電柱が何本も立っているのも見えました。

取材スタッフ:
奥の方、大きな石が見えます。さらに奥の方、電柱の下には大きなショベルカーのようなものも見えますね。奥行き100mくらいはあるでしょうか。かなり広い土地です。
購入者は「別荘に」不動産業者に“いやがらせ”も
なぜ笠佐島の土地を、中国に住所を持つ人物たちは買いたがるのでしょうか?

中国のSNSには、笠佐島の土地が安いから買いという投稿に、「買いなよ。買ったら中国国旗を差すのを忘れないで」という書き込みもみられましたが…。
笠佐島に住む八木秀也さん:
我々がいなかったら、孤島ですから。

石本崇議員:
そうなると、“中国人の島”になりますよね。

土地を販売した不動産業者によると、購入者は中国人3人。
別荘を建てるために土地を購入したといい、日本企業に勤めている人物だといいます。
不動産業者には、土地を海外資本に販売したことへの反感からか、いやがらせ電話や誹謗中傷が相次いでいるといいます。

土地を販売した不動産業者:
変な目的だったらお売りしていません。電話がかかってくるなど、誹謗中傷を受けていて妻と2人で困っています。法律違反はしていません。
(『サン!シャイン』 2025年7月30日放送より)