大手旅行会社「JTB」が7月3日に発表した「2025年夏休みの旅行動向」によると、国内旅行に出かける人の数は推定7220万人で微増。
平均費用は1人当たり4万6000円と、宿泊費高騰のあおりを受け、過去最高額となりました。

そんな中、増えているのが“車中泊”用にカスタムされた車などで旅をする人たちです。

ワンボックスカーで「車中泊」しながら旅をする人:
お値段が違いますし、自由さも違いますし、今までは(ホテルの宿泊費)3万円くらいで行っていましたが、(車中泊なら)1万円しないでキャンピング施設の一区画を借りるので、相当値段は違いますよね。

そんな”車中泊”人気を受けて、大手コンビニエンスストアの「ローソン」は、7月14日から千葉県の一部店舗で、「車中泊用駐車スペース」の提供を開始しました。
一泊2500円~3000円で、トイレの貸し出しやゴミの処理などを行ってくれます。

大分県杵築市では、「株式会社Parks おおいた」が7月26日から、「車中泊」専門のレンタカー店「GORDON MILLER VANLIFE RENT CAR」をオープン。

24時間レンタルで、1台あたり約2万円から。
車中泊仕様にカスタムされた車内には、大人二人がゆったり横になれるほどの布団が敷いてあり、すべての窓には明かりを遮るため、特注の遮光カーテンが取り付けられています。

株式会社Parks おおいた・広報戦略部 木元慎之助さん:
旅費と車の中の宿泊がセットになっているので、すごく割安で行けるし、今まで泊まれない場所だったり、いい景色の場所に泊まって、これ自体が移動できるホテルみたいな形になると思います。

旅行アナリストがオススメの「お得旅」紹介!

最近の国内旅行の動向について、航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏は…。

航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗氏:
物価高でホテル代の高騰というのがありますので、同じ行程で旅行をしても必然的に必要な旅行費用が増えていると。
ちょっと節約したいなということで、近場や日数を短くすることで工夫する中、お金を払ってコンビニで車中泊する。特に週末やお盆など高くなるときは利用があるのではないかと思います。

番組では、鳥海氏にオススメの「お得旅」を聞きました。

▼モニターツアー

「モニターツアー」は、旅行会社などが新しいプランやサービスを、試験的に実施するツアー旅行。旅行後のアンケート回答などの条件で、通常よりも安く旅行できます。

例えば、福岡県の相双地域「魅力発見ツアー」では、1泊2日の食事付きで、通常なら大人一人3万円ほどかかるところを、約半額の1万4820円で楽しむことができるのです。
(※旅行後、A4用紙2枚程度のアンケートの協力、旅先の魅力などに関するSNS投稿を1回以上行う、旅行中の写真はパンフレットなどに使用するなどの条件あり)

航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗氏:
これは企業や自治体が情報収集したいということと、自治体が旅行のパンフレットなどで写真を載せるときに、普通の旅行者の方は顔出しなどができないのですが、これは顔出しも了承してもらうのも含めて安くなっていると。
2~3割安かったり、半額になったり、中には無料というのもありますが、どちらかというと半額が一番ちょうどいい金額で、旅行者もある程度お金を払っているので率直な意見が聞けるかなと。

▼おてつたび

短期的に人手不足を補う仕事、“お手伝い”をしながら旅先での滞在を楽しむというサービス。
現地までの交通費は自己負担ですが、地域の仕事に携わることで報酬を得られ、宿泊費も無料のため、旅の費用を抑えることができます。

参加者は、10代・20代が約半数を占めており、最近は子育てを終えた主婦や退職者などシニア層も増えているということです。

3月に岐阜・高山市で「おてつたび」を利用した人(60代):
退職した機会にいろんなとこに行きたいなと思う中で、給料をもらえて、観光もできる、割と面白かったですね。
大体6から8時間勤務、(朝食)バイキングの終わったあとの片づけ、お皿を洗い、拭いたものを元の場所にこうセッティングするとか。

一日6~8時間ほどの「お手伝い」をして(週休2日)、宿泊費は無料、食事は格安料金で、3週間ほどの滞在で約13万円の給料がもらえたといいます。

谷原章介キャスター:
単なる旅行ではなく、働くから地元の方とも交流できますよね。

航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗氏:
そうですね、地元の方とも交流できるし、収入を増やすというより、旅行先でおいしいものを食べたり、観光する費用を捻出できると。あとは、若いときにできなかったリゾートバイトを、シニアになってから思い出すと、そういう方も多いです。

(『サン!シャイン』 2025年7月15日放送より)