7月23日、各地で危険な暑さとなり、全国237地点で35℃以上の猛暑日となった日本列島。

“避暑地”の代表エリアともいえる北海道でも、11地点で観測史上最高気温を更新するなど、災害級の暑さとなりました。

そんな中、『サン!シャイン』が訪れたのは、北海道の東側に位置する北見市です。この日は、気温が37℃まであがり、2025年最高気温を観測しました。
照りつける太陽の下、駅前の温度計は「39.8℃」と今にも40℃に達しそうに…。

駅前の温度計

取材スタッフ:
39.8℃まで上がりました…あっ、表示が消えました。40℃までいくと表示が映らないんでしょうか。

しかし、よく観察すると39.9℃まで上がると、一度表示が消え37℃に戻ってまた上がるを繰り返していました。北見市役所によると、これは、あまりの高温で温度計が正常な表示ができなくなっている可能性があるといいます。

室内温度「35℃」危険な暑さで過ごす「熱中症になっちゃう」

ウェザーニュースの調査によると、クーラー保有率が約60%という北海道。
実際に、「自宅にエアコンがない」と話す、北見市内に住む70代の男性のお宅にお邪魔しました。

北見市在住の男性(70代):
エアコンついてないです、北見は半分くらいはエアコンなしの生活じゃないかと思うけどね。1日くらいならなんとかなるけど。もう3日も4日も続いているから。それが(体に)こたえてる…。

猛暑の中、扇風機と窓の開閉でなんとか耐え忍んでいるといいますが…室内の温度を測ってみるとなんと35℃。

――エアコンをつけようとは思わないのですか?
北見市在住の男性(70代):

毎年思うんだけど、一番暑い時期は1週間か10日くらいだなと思って、我慢しているうちに、そのうち涼しくなるから。
でも、今年はちょっと早いかな暑くなるのが。このまま急には涼しくならないから、たぶん(例年より)長いんじゃないかなと思うんですけど。

そんな男性を心配して訪ねてきた友人も、「エアコンはつけた方がいい」と忠告します。

男性の友人:
(エアコン)つけたほうがいい。9月いっぱいまで暑いから今年は。家にずっといるならつけないと、熱中症になっちゃう。

北見市在住の男性(70代):
そうだな…。

搬送される患者の7割 “エアコンなし”

北見市の北見赤十字病院。23日の午前中に搬送されてきたのは、熱中症とみられる症状を訴える、市内在住の70代女性です。
付き添った夫によると、自宅にエアコンは設置していたものの使用していなかったといいます。

搬送された女性の夫:
扇風機しか回ってないから(室温が)30℃は優に超えています。室内35℃あったんじゃないかな。

診断結果は、やはり「熱中症」。大事に至っていないということです。

北見赤十字病院 副院長兼救命救急センター長
齋藤高彦医師:

熱中症の方もともと北見そんなに多くはなくて、当院に熱中症で入院する方は年間数人ぐらいなんですよ、毎年。でも今年はもうすでに(熱中症で)15人入院していて、北見にしては多い状態ですね。
古い家とかはやはりエアコンない家が多いでしょうし、やっぱり暑さに強くはないですね。涼しさ、寒さに慣れているので。

北見地区の消防によると、2025年熱中症で運ばれた患者のうちの7割が、家にエアコンが設置されていなかったといいます。

北海道斜里町では、23日に90代の女性が熱中症の疑いで亡くなりました。消防によると、部屋にはエアコンがなく、窓も開いていなかったということです。

高齢者宅訪問を決めた自治体も

このような状況を未然に防ぐべく、動きだした自治体もあります。

冬にはぬれたタオルも一瞬で凍ってしまう、「日本一寒い町」陸別町。
23日、熱中症の危険が高いとして、陸別町役場の保健師・主任介護専門員を務める請川友香さんは、急きょ町内の高齢者を訪問してまわることを決めたといいます。

1件目は、エアコンのない80代のお宅。室内の温度計は38℃を指しており、扇風機も使用していませんでいた。

保健師・主任介護専門員 請川友香さん:
絶対扇風機あった方がいいよ、ちょっと家の中さ暑さこもったら困るから、扇風機で風回しておきましょうかね。

2件目も、扇風機はつけていたものの、「弱」設定。
その次に訪問したお宅は、窓も閉め切り扇風機も止まったままでした。

保健師・主任介護専門員 請川友香さん:
エアコンがなくても、一時だから耐え忍ぶって町民が多いのかもしれないですね。大丈夫だろうと思っているかもしれないけど、やっぱりお互いに声をかけあっていかないと、ちょっと危ないかなと思っています。

7月24日はより更に暑く、帯広市などで北海道では史上初の40℃に届く予想となっているため、さらに注意が必要です。

(『サン!シャイン』 2025年7月24日放送より)