7月26日に行われた「隅田川花火大会」。2万発の花火を目当てに、約93万人の人が集まりました。

この日の東京都心の最高気温は35.5℃。花火大会が始まる2時間前の午後5時でも、31.8℃と30℃を超えた暑さとなりました。

花火終了後には、駅に人が殺到。浅草駅付近では、入場規制の影響で最後尾が見えないところまで人が滞留。

人が密集したことで、取材スタッフの手元の温度計は夜にもかかわらず「30℃」と高い気温を指していました。

「人いきれ」にご用心!熱中症のリスクが2~3倍増加

いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長によると、このような夏に多くの人が密集するイベントで、野外だったとしても気をつけなくてはいけないのが、「人いきれ(人熱れ)」という現象です。

「人いきれ」とは、人が大勢集まった場所で体温や呼気などの熱気・湿気により、周辺温度が上がる現象のこと。

通常、人の表面温度は32~33℃ですが、密集することで、呼気や汗によって温度・湿度が上がり、風通しも悪いことから熱がこもりやすくなるといいます。
「人いきれ」が起こることで、体感温度は3~5℃上がり、“熱中症”のリスクが2~3倍高くなるというのです。

2016年の7月、東京で夜に行われた大規模な屋外イベントでは、開催時は24.5℃だった暑さ指数が、イベント終了時の最寄り駅付近の人混みでは1.0℃以上(※暑さ指数)上昇し、一段階上の警戒レベルにあがったといいます。

あまりの“猛暑”に夏のイベント主催者も対応に追われる

今年(2025年)の猛暑を受けて、夏のイベント主催者側も対応に追われています。

毎年7月に行われていた、愛知県幸田町の「幸田彦左まつり」は、猛暑の影響で参加者などの安全確保が難しいとして、今年2025年は中止となりました。

毎年8月14、15日に開催されている、三重県四日市市の「鯨船まつり」は、熱中症対策で、今年は日程が9月27日と28日に変更

埼玉県川越市の「川越・百万灯 夏まつり」は、これまでは7月の土日2日間の開催でしたが、近年の酷暑や突然の豪雨に対する備えや開催費用の増大のため、今年は1日のみの開催となりました。

谷原章介キャスター:
(隅田川花火大会)石戸さんが地元だからすごくいろいろ教えてくれたんだけど、だんだん行く気持ちがしぼんでいってしまう…。

石戸諭氏:
この日に限っては、本当に浅草とか駅周辺も帰れなくなりますから。時間をずらさないと。

渡辺和洋アナウンサー:
多くの方がルールを守って、楽しみにしている方がこれだけたくさんいるということですから。大事なのは、熱中症のリスクをしっかりと把握するということです。

(『サン!シャイン』 2025年7月28日放送より)