神奈川・茅ヶ崎市で、雨水を海に流すために海岸に設置された水路の水が、底が見えないほど白く濁る事態が発生しました。

7月6日、市民から市役所に「水路が白く濁っている」と通報が入りました。
職員がすぐに現地を調査したところ、そこにはまるで牛乳を流したかのように真っ白になった水が。

あまりにも“異様”すぎる光景に、近隣住民からも不安の声があがっています。

近隣住民:
小学校低学年の子供たちだと、海に入らないであそこの水路で遊んだりっていうのをよくしているので。目に見えてあれだけ濁っちゃうと…さすがに不安かな。

近隣住民:
僕も今(サーフィンをする場所を)あっちに逃げました、気持ち的に。(海水が)口に入っちゃうからさっき飲んじゃって、やばいと思って。

「水が白くなった理由」を専門家解説

原因を知るべく『サン!シャイン』の取材班が12日に茅ヶ崎の海岸を訪れると、ホースを使って水のくみ上げ作業が行われていました。

取材スタッフ:
今は少し澄んでいるようですね。水がわずかに濁っていますが澄んでいますね。

まだ少し濁っているものの、かなり白さは薄れている

さらに調査を進めるべく、水路に沿って上流を目指すと、水の白濁が確認された水路から、約2km離れた地点でも、海岸と同じ水のくみ上げ作業が行われていました。

実は、水路の上流地点でも水が白く濁る現象が確認されていたのです。その影響もあってか、近くの公園には「臨時閉園中」の張り紙が。

過去には埼玉県でも市街地を流れる河川の水が白く濁るケースがありましたが、このときは調査によって、塗料や薬剤などの流出が原因と判明しました。

しかし、水環境に詳しい「グローバルウォータ・ジャパン」の吉村和就代表によると、魚の死骸などが浮いていないことから、今回の事象は人的要因の可能性は低いといいます。

それでは、なぜ雨水しか流れない水路が白く濁ったのか。吉村氏は水路が地下になっていることに影響があるといいます。

グローバルウォータ・ジャパン 吉村和就代表:
暗渠 (地下に埋設された水路)の方が酸素がない状態、それで気温が高くなるということは、(植物プランクトンが) 異常繁殖する条件が全部そろっているっていうことですね。

地下水路は熱がこもりやすく、酸素が少ないため、そうした環境を好む植物プランクトンが繁殖しやすいことを指摘。さらに、水が白くなった原因として、この植物プランクトンの“異常繁殖”が深く関係しているのではないかといいます。

グローバルウォータ・ジャパン 吉村和就代表:
(植物プランクトンの)アオコは最初青いんですけれども、それが異常繁殖すると共食いをして死ぬんです。その死骸が“真っ白”なんです。アオコが異常繁殖して、その死骸で白濁をすると。

市では白濁した水に近づいたり、触れたりしないよう注意を呼びかけています。

(『サン!シャイン』 2025年7月14日放送より)