『ザ・ノンフィクション』から生まれた、初めてとなる美術展『落合皎児 回顧展 LIFE AFTER LIFE』が、7月12日(土)~27日(日)、「上野の森美術館」ギャラリーで開催されます。

放送開始から30年を迎える『ザ・ノンフィクション』で、番組史上初の“3週連続放送”となった「炎の中で死んだ父を僕は知らない」(2024年11月~12月放送)をきっかけに実現した本展。

火事により、突然この世を去った父・落合皎児と、父の人生をたどる息子の旅を描いた物語は、放送直後から多くの反響を呼びました。ピカソやミロと並び“スペインの現代作家150人”にも選ばれた、知られざる日本人画家の作品と、スペイン・バルセロナやスイス・ジュネーブでの創作活動を追った映像を通して、非業の死を遂げた波瀾万丈の画家・落合皎児の世界に触れることができます。

3週連続放送で大反響!「炎の中で死んだ父を僕は知らない」

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2024年4月…76歳になる父が、火事で突然この世を去りました。

全焼した住居の隣にあるアトリエに遺(のこ)されたのは、画家である父が描いた大量の絵、そして約1500万円の借金でした。知らせを受け、長野の実家にかけつけたのは、44歳の息子、落合陽介ギフレ。若き父が画家として活躍したスペイン・バルセロナで生まれ、父の友人である高名なアーティストがつけてくれた名前です。

80年代にバルセロナで活動した父は、ピカソやミロ、タピエスといった巨匠と並ぶ“スペインの現代画家150人”に選出され称賛を受けていました。一方で、酒浸りで変わり者の父は、幸せな家庭を築くにはほど遠く、日本に帰国後に離婚。

長男の陽介ギフレは、12歳で実家を飛び出し寮生活。父の存在に悩まされ続けた家族は心を病み、母は孤独死、弟は20歳で命を絶ちました。家族を振り回した父に、息子は複雑な思いを抱えながら生きてきたのです。

遺されたのは、父の1000点におよぶ絵画と約1500万円の借金。もし、父の絵画を相続するなら借金も相続することに。日本では輝きを失っていた父の作品は、“ゴミくず”なのか、それとも世界が求める“宝”なのか…。

12歳から別々に暮らすようになった陽介ギフレは、父のことをよく知りません。父はどんな人物で、どんな画家だったのか…なぜ家族を壊してしまったのか…陽介ギフレは迷いながらも、亡き父の人生を知るための旅に出ます。

親戚や親友、画廊関係者など、生前の父を知る人々を訪ねて回る旅は、画家としての原点を育んだスペインへ。旅の中で、父の人生は“家族を翻弄(ほんろう)した父”から“苦悩と執念の中で絵を描き続けた一人のアーティスト”として息子の目に映り始めます。

番組放送後、大きな反響が寄せられたことを受け、父が命がけで描き残した作品と父の生きた軌跡を広く世に紹介するべく、今回の回顧展開催が決定。版画作品など約20点を展示、番組映像の一部が上映されます。