5月8日から9日にかけて、「メイストーム」五月の嵐がやってきます。
その原因は、発達した低気圧。すでに、九州北部と山口県に暴風警報が出されています。

まだそれほど風が強まっていないところでも、等圧線の間隔が非常に狭くなっていますので、9日の昼前くらいから急激に風が強くなってくるのが特徴です。

警報が出ていることから、特に九州北部は交通機関が乱れる可能性があります。

天達武史気象防災キャスター:
今回は低気圧にプラスして梅雨時並の「暖湿流」というのが流れ込んでくるんです。
暖湿流というのは、暖かく湿った空気で雨雲の原料になるものです。これが梅雨の大雨を降らせるような、湿った空気が入りますから、短時間で非常に激しい雨。今年はまだ降ったことがないような降り方をしそうです。激しい雷雨になりそうです。

すでにライン上の雨雲が九州の西の海上にあり、これが停滞してしまうと、いわゆる「線状降水帯」、大きな災害に結びつくのですが、今回は動きます。なので、同じ場所で大雨は続かないのですが、短時間で30分くらいで冠水するような雨になります。山口県、福岡県あたりを中心にお気を付けください。

これからもしお出かけを計画されている方、どうしても外に行かなくてはいけない方は長靴と、それから防水加工がされたものを着た方がいいかなと思います。
観天望気・反時計回りで渦巻く雲の正体
視聴者の皆さんが投稿した空や、動物の不思議な行動などから天気を予測する、天達武史の「観天望気」。

今回届いたのは、千葉県松戸市で5月7日に撮影された“渦巻く不思議な雲”です。

天達武史気象防災キャスター:
時計と反対回りに渦が回っているのが分かりますが、このようなときは雲が強い上昇気流を伴いながらどんどん上がってきていると。これは、天気が激しく変わるサインなんです。
映像を見ると、黒い雲もできはじめていますので、こんな時は激しい雷雨にも注意が必要です。

別の視聴者が、2018年8月に撮影した映像を見てみると、空にできた巨大な「かなとこ雲」が。頂上は切られたかのように真っすぐで、その下に巨大な雲が渦を巻いています。これは、非常に発達した積乱雲で、雲の下はゲリラ雷雨になっています。

「かなとこ雲」は、1時間程度で消えると言われていますが、消える際に強い雨を降らせます。このときに、吹き降りる強い下降気流「ダウンバースト」を引き起こす可能性があります。
どの様な原理で「ダウンバースト」は起きるのか、天達キャスターが実際にその仕組みを実験しました。

天達武史気象防災キャスター:
ここに水が入ったコップがあります。この中に、雲をドライアイスで作っていきます。
水の中にドライアイスを入れると、もくもくと煙が出てきます。ここに石けんでふたをすると…。

天達キャスターが手に石けんを付けて、コップの上を軽くなでると、下に流れていた煙が、みるみるうちに丸く膨れ上がっていきます。

コップの上でどんどんと巨大化する丸い“雲”。次第にコップが雲を支えきれなくなり、破裂して周囲に白い煙をまき散らしました。


天達武史気象防災キャスター:
これが「ダウンバースト」です。ぶわっと広がっていきますので、最後の最後まで積乱雲から目が離せません。
実際の雲は、発達しきった状況から、最後は下降気流と共に消えていくわけです。そのときに地面に打ち付けるような気流が発生するんです。このダウンバーストは、これからの時期、注意が必要です。

(『サン!シャイン』 2025年5月9日放送より)