2007年、年金記録 約5000万件が誰のものか分からなくなり、支給漏れが発覚した“消えた年金”問題
現在も、持ち主不明の記録が1689万件(2024年9月時点)残されているといいます。

なぜいまだに該当者不明の年金記録がこんなにも多く残されているのか。中央大学商学部客員講師でマネーコンサルタントの頼藤太希氏は、その理由についてこう話します。

マネーコンサルタント 頼藤太希氏:
該当する可能性がある人に通知をしているのですが、未回答などのため、持ち主が判明していないケース。あとは、持ち主の手がかりがいまだ得られていない記録などがあって、解決に至っていないと。

対象は、1996年12月以前に公的年金に加入した人(40代後半)で、特に「転職の多かった人」「結婚・離婚で姓の変更があった人」「名前に色々な読み方がある人」は注意が必要です。

マネーコンサルタント 頼藤太希氏:
毎年もらえる年金額が変わる可能性もありますが、過去にもらえていないということであれば一括して受給できるので。全額もらえます。

「消えた年金」どうやって探す?

自身が「消えた年金」に該当しているかどうか、日本年金機構の「ねんきんネット」というサイトにある「持ち主不明記録」から検索することができます。

マイナポータルからの登録、または基礎年金番号とメールアドレスでユーザーIDを取得すると、検索が可能になります。
すでに亡くなっている方の年金記録を遺族が検索することも可能で、同居もしくは生活費の援助をしていた遺族なら受給可能です。

氏名・フリガナ・生年月日・性別を入力して検索しますが、出てこない場合は、旧姓や別の名前の読み方で検索したり、生年月日を1日ずらすなどして検索することが大切です。
一致する記録があった場合、年金事務所に行って確認を行ってください。

このほかにも、毎年誕生日の月に届く「ねんきん定期便」で確認する方法もあります。

ねんきん定期便には、これまで支払った「保険料納付額」や「加入期間」が記載されているので間違いがないか確認し、もし間違っていた場合は年金事務所に相談しに行けば、正しく訂正してくれます。

今すぐ知りたい“年金のギモン”

視聴者から番組に寄せられた、年金に関する質問をいくつかご紹介します。

「65歳から年金支給額は約6万円、国民年金では頼りにならないので対策はありますか?」(50代 自営業)

頼藤氏によると、付加年金という制度を利用することで、受給額の増額をのぞめるといいます。

現在の国民年金保険料は、月額1万7510円。そこに、付加保険料を月額400円上乗せして、40年間払い続けると、受給額が月8000円、年間9万6000円増額するのです。
しかし、付加年金の加入率はわずか9.5%(2023年度)だといいます。

マネーコンサルタント 頼藤太希氏:
意外と知られていない制度ではあると思います。あとはより増やしたい人は、国民年金基金やiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入しているので、付加年金に加入しないというパターンはあるかなと。iDeCoと付加年金の併用は可能です。
(金額を)多くほしいなら、国民年金基金やiDeCoの方がいいです、この2つも併用できます。

「何歳からもらったらいい?」(60代)

年金を70歳から受給に繰り下げた場合、82歳の時点で65歳から受給した人の受給額を上回ります。
90歳になると、65歳受給で4500万円、70歳受給で5112万円と額面では大きな差が出ますが、年金額が増えれば税金や社会保険料の負担も増えるため注意が必要です。

松嶋尚美:
84歳の時点でもまだ7万円の得でしょ?1年が。得が始まった!ってなっても、1年で7万なら早めに6万ずつもらって、置いておくほうが…とか。

マネーコンサルタント 頼藤太希氏:
健康寿命を考えていただいて、もらえるときにもらうでもいいですし、自分は働いているから働き終わったらタイミングでもらおうかなという考えでもいいかと思います。

MC谷原章介:
確かに、先にもらっておいて投資に回すという手もありますもんね。

スペシャルキャスター 武田鉄矢:
これから勉強だよね。ちょっと任せきりなところもあるから。でもお金の話って不思議なもので、考え始めるとどんどんややこしくなるんですよね…。考えないのが一番…。

MC谷原章介:
いやいや、考えましょ!

(『サン!シャイン』 2025年4月23日放送より)