ナレーション収録を終えた宮﨑さんにインタビュー。これまでフジタさんを見守って感じたこと、お父さんとの関係性、改めて思う「親になることの責任」について語ってくれました。
――妻が第一子を出産し、お父さんは他界…フジタさんにさまざまな出来事が起こるシリーズ第3弾ですが、どんなことを思いましたか?
幸せのかたちは人それぞれだと思いますが、フジタさんに幸せになってほしいと思うと同時に、新しい命が誕生したので、その命が一番幸せになる道は何なのか…と考えました。
フジタさんはとても優しい方だと思います。奥さまもお子さんが生まれて、日々向き合って責任を感じるなかで、きっといろいろなことを考えたのでしょう。
――お父さんが、孫が生まれたと聞いてフジタさんに「ありがとう」と伝える場面が印象的でした。
あの「ありがとう」は、フジタさんもとてもうれしそうでしたし、私も「お父さんからその言葉が聞けて良かった」と思いました。お父さんが一番望んでいるのは、フジタさんの幸せだと思うので、この先、幸せになってほしいです。
――そんなお父さんですが、孫の誕生からわずか8日後に亡くなってしまいました。
お父さんが亡くなられた後、フジタさんはお父さんに「お疲れさま、ありがとう」と言葉をかけていましたが、これはきっとフジタさんの素直な本心だと思います。お父さんに対してこのような気持ちになれたことで、フジタさん自身も次に進めると思うので、そこは良かったなと感じています。
また今回、初めてフジタさんのお兄さんが登場して、フジタさんと再会する場面もありました。こうしてフジタさんの家族のかたちが少しずつ、前向きに変わっていったら良いなという期待も持っています。

――フジタさんはお父さんにも妻にも、粘り強く向き合ってきました。改めてフジタさんにどんな印象を抱きましたか?
きっと、フジタさんは抱えているものが大きすぎる、重すぎることもあって、人に対してすごく優しい方なのだと思いました。
優しすぎるがゆえに、上手くいかないこともあるのだろうなと思うと、優しさって何だろう…と考えてしまいます。相手に合わせるだけが優しさではないけれど、フジタさんは相手を尊重したいと思うタイプの方のようですし…。「頑張ってください!」と応援したくなります。
――フジタさんが、自身と妻との関係性について「お父さんと同じ道を歩んでる」とつぶやく場面があります。
反面教師にしているはずなのに、吸い寄せられるように同じ道を歩んでしまう…なぜでしょう。きっと当事者同士にしかわからないことがたくさんあるのだと思いますが、不思議ですよね。
どんな環境で育つか、ということの重要性も考えさせられました。1人ひとりバックグラウンドが違うので、一概に「この人が悪い」とも言い切れないですが、そういうことも含め、それぞれの人生を自分事のように考えました。『ザ・ノンフィクション』は本当にすごい番組だと思います。
――前回、宮﨑さんが語りを担当した「炎の中で死んだ父を僕は知らない」(2024年11月・12月放送)は、息子・落合陽介ギフレさんが、家族をバラバラにした父の人生をたどる物語でした。2組の親子を見つめて、どんなことを感じましたか?
ギフレさんの場合はお父さんが火事で他界されていて、今となってはわからないことも多いので、お父さんの本心をギフレさんが想像で補う部分もあったと思います。ただ、フジタさんの場合、お父さんの過去や現実をもっとリアルに知っているからこそ、より悩んでしまうといいますか…。
改めて、親になるというのは責任重大だなと思いました。素晴らしい責任ですが。もちろん誰が悪いという話ではなく、親として、人として、子どもたちに少しでも良い環境を整えて、良い影響を与えられる人でありたいと思います。
予告動画
YouTube「フジテレビドキュメンタリー」で、『ザ・ノンフィクション』の予告を配信中。4月20日(日)14時~「あの日 僕を捨てた父は3 ~ようやく家族になれたのに~」
配信スケジュール
4月6日・13日放送「上京物語2025~二十歳のふたり 駆け出した夢~」前・後編(語り:黒木華さん)が、4月27日までTVer・FODで無料配信されます。