暖かい春の陽気の翌日に、身も凍るような寒さの日が来る…。
専門家によると、寒暖差の激しいこの時期、「睡眠障害」が起きるリスクが高まるといいます。
東京疲労・睡眠クリニック 梶本修身院長:
この時期というのは非常に寒暖差が激しいんです。体温調節を担っているのが「自律神経」なので、負荷が掛かり疲弊してしまいます。
睡眠の制御をしているのも自律神経なので、結果として睡眠の質が悪くなる。
そもそも、世界的に見ても睡眠時間が短いという日本人。
経済協力開発機構(OECD)による33カ国を対象にした調査によると、平均睡眠時間は8時間29分。しかし、日本は最も短い7時間42分と、他の国に比べて40分以上短いという調査結果になりました。
――本来、何時間ほど寝るのがベストなのでしょうか?
東京疲労・睡眠クリニック 梶本修身院長:
厚労省が調べた研究によると、(日本人で)普段の睡眠が6時間未満の方が、女性の場合4割近くいることが分かっています。理想的な睡眠時間は個人によって異なりますが、7時間から8時間、平均的にはこれくらいは寝てもらいたいと。
小室瑛莉子アナウンサー:
私は、「足して」7時間。4時間と3時間で足してとやっているのですが、あまりよくないですよね…。
東京疲労・睡眠クリニック 梶本修身院長:
そうですね、それに慣れてくるとなじんでくるのですが、普通はあまり良いことではないですね。
日本人は平日に睡眠不足が続いていて、言ってみれば“借金”している状態が続いて、それを休日になんとか返済している。“睡眠負債”をなんとか土日のわずか1日くらいで返済しようとしているのが現状、自転車操業の状態にあると。
――“寝だめ”はできないのでしょうか?
借金を返すことは多少はできるのですが、貯金はできないんです。すなわち、たくさん寝たからといって、翌日寝ないで済むというわけではないんです。
睡眠不足は“危険”
梶本院長によると、「春の睡眠不足」の理由としては、以下のようなものが考えられるといいます。
・春は日照時間が長くなるため睡眠不足に陥りやすい
・寒暖差の影響で体温調節を担う自律神経が疲弊して睡眠の質が悪くなる
・花粉症により鼻が詰まると、脳を効率よく冷却できなくなり脳が十分に休まらず睡眠の質が低下する
睡眠不足は、認知症やうつ病、心疾患、脳卒中など深刻な病気になるリスクが高まる可能性も…。
――自分がしっかり眠れているか調べる方法は?
東京疲労・睡眠クリニック 梶本修身院長:
検査機器ではないので信頼度は低いですが、スクリーニングとして自分の睡眠状態がどうかということを知ることができるスマートフォンの無料アプリがありますので、それを利用してもらう。あとは、自覚的には昼間の眠気、例えば寝落ちを非常にしやすいとか、布団に入って5分以内に寝てしまうのは、“寝付きがいい”のではなくて“寝落ち”なんです。睡眠不足の方に多い症状なので、こういったものが出てくると、やはりちょっと自分で気にしてもらう必要があります。
小室瑛莉子アナウンサー:
…私、床でもソファーでも車でもどこでも5分以内に眠れるので、特技だと思っていたんですけど、良くないんですね…。
東京疲労・睡眠クリニック 梶本修身院長:
それは睡眠負債の典型的な症状です。
睡眠の質を上げるために
より良い睡眠をするためには、以下の事柄に注意してください。
・部屋を真っ暗にして寝る
光には覚醒作用があり、また、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌を抑制するため、明るい場所で眠ると睡眠の質が悪くなります。
寝室に関しては完全に真っ暗が基本、豆電球ぐらいでも子供は近視になる確率が3倍上がるといわれています。
完全に真っ暗では寝付けないという場合は、間接照明などで足元を照らしてください。
・眠る前にスマホを見る場合「新しい情報がないもの」を!
スマホは見ないことが望ましいですが、それが難しいのであればゲームなど興味関心があるコンテンツではなく、リラックスできるコンテンツを見るようにしてください。
東京疲労・睡眠クリニック 梶本修身院長:
興味関心がつきないコンテンツは、どんどん覚醒を上げてしまい、その結果眠れないと。逆に、普段から知っているような動画や映画は安心感がありますよね?安心感があるものというのは眠気を催してくれ、リラックスできる。子供が絵本を読んでもらうようなものです。
そうすると、興味関心より安心感が先に来るので、眠気がスムーズに来やすいと。
睡眠改善「345呼吸法」
さらにベッドに横になっても寝付けない時の裏技「345呼吸法」を紹介。こちらは横になったままでもできるそうです。
「345呼吸法」
1. 3秒かけて鼻から息を吸う
2. 4秒間息を止める
3. 5秒かけて口から息を吐く
これを3セット程度繰り返します。
東京疲労・睡眠クリニック 梶本修身院長:
コツは3秒間「鼻から吸う」ことなんです。で、ためた後口からゆっくりと吐き出すということが大事なので、まず吸うのは鼻からゆっくり3秒吸う、4秒ためて、ゆっくりと吐き出す。
これによって、脳の中の温度を冷却させることができる。ちょうど睡眠の中枢というのが脳のど真ん中にありまして、そこが熱を持っているとなかなか寝付けないんです。睡眠の中枢である、自律神経の中枢を鼻から吸う空気で熱交換で冷ますことができる。
鼻がつまったらぼーっとするのは、脳の温度が上がってくるからなんです。ですから、鼻から空気を通すことで、脳を結果的に自律神経を正常機能させて、眠りをうまく催してあげると…。
眠る30分くらい前に、だいたい3セットやっていただくとかなり違います。今夜からやっていただけたら。
(『めざまし8』 2025年3月19日放送より)
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