2025年3月17日、都内で開かれたのは、2024年12月9日、膀胱がんのため77歳で亡くなった小倉智昭さんの「お別れの会」。

22年間にわたり、フジテレビの朝の顔として、『とくダネ!』のメインキャスターを務めた小倉さん。会場には、生前、小倉さんと親交があった、多くの著名人の姿がありました。

弔辞を述べたのは、小倉さんと40年来の親交があった俳優の寺尾聰さんです。

寺尾聰:
小倉さん、小倉くん、周りに誰も人がいない時には「おい、小倉」「なんだよ、聰」そんな時もありました。彼は他の人に見せない顔を僕にたくさん見せてくれていたと、そういう思いがあります。

去年5月に、彼と電話で「一生にいっぺんぐらい、2人だけで誕生祝いの飯会でもやろうか」と。恥ずかしいんですがジジイが2人で小さなプレゼントを交換し合いながら、誕生会をやりました。彼は僕にサングラスをプレゼントしてくれました。僕は彼にもっと金持ちになれと言って小さな財布をプレゼントしました。

彼が、その誕生会を2人でやったときに、「おい、2人で77歳が並んで『7777』4つも並んで、チンジャラジャラで縁起がいいかもしれない」と、そう言ったらうれしそうに彼は笑顔を見せてくれました。
そして…しばらくして、数ヵ月して突然連絡をいただき、僕は呼ばれて君のお宅へお邪魔しました。君はベッドに横になりながら、奥様に背中をさすられ、苦しげな、やや苦しげな顔をして、「おー」。

そして、僕も、少しだけ背中をさすってやり、あまり長居もできないので、帰ろうと思って、なんと言って帰ったらいいのか混乱しました。結局右手を少し上げて、君の顔の前に出して「じゃあ、またな」そう言うと君は、ゆっくり僕に手のひらを見せて、「うん、またな」そう言ってくれました。
誰にも周りの人に心遣いがあって、優しくて頑張り屋で…力強い男でした。
素晴らしい友達でした。
小倉智昭くん、「じゃあ、またな」。

二宮和也「もう“お父さん”でした」

『とくダネ!』で、小倉さんと丁々発止のやり取りを繰り広げていた デーブ・スペクターさんも、小倉さんへ言葉を贈りました。

デーブ・スペクター:
一言って言えば、ヨーダみたいな存在で、少なくとも800歳分の知識と知恵がありました。今日の小倉さんはニュースをどう切るか、ハラハラする番組名物のオープニングトーク。放送後は毎日が炎上のメリークリスマス。小倉さんに少しでも喜ばれたい、褒められたい気持ちで頑張れた。さりげない激励の言葉が宝物でした。
周りをハッピーにしていただいて、本当にありがとうございました。お疲れさまでした。

同じく『とくダネ!』で、約5年間、小倉さんと司会を務めた、菊川怜さんは…。

菊川怜:
小倉さんが病気でつらい時に、私も、ちょっとつらいことがあって。小倉さんは最後まで私を心配をしてくれて、なんか…なんか私はすごい甘えちゃったなと思って。
「前向きに、やっていけるかわからない。自信がない」みたいなことを言った時に、「怜ちゃん大丈夫だよ!大丈夫だよ!」って言って、すごい声をかけてくれて、元気づけてもらって。小倉さんの方が本当はすごい大変な時なのに、本当に、本当に心配して、支えてもらいました。
小倉さんに最後かけてもらった言葉を忘れないようにして、前向きに前に進んで本当にその言葉を支えに、頑張っていきたいと思います。

共演者や番組スタッフなど多くの人から慕われていた、小倉さん。
我が子のようにかわいがっていた、嵐の二宮和也さんは、小倉さんと仕事をしてその“偉大さ”に気づいたと話しました。

二宮和也:
出会ったことで言うと、グループ結成の99年からなので、25~26年は一緒に。
そのうちに、バラエティーを一緒にやるんですけども、そこで初めて小倉さんの“偉大さ”といいますか、「この人、いつ寝てんだ?」っていうようなスケジュールで、動いている話を聞いて。それがまだ1年じゃなくて何年も続いているし、これからも続いていくルーティンっていうのを聞いて、こう…驚いたというか、若者の我々は何をやっているんだみたいな。眠い眠いって言っちゃいけないんだなみたいな。

嵐のDVDだったり音楽だったり、うちのメンバーが出ているドラマ・映画っていうのは、別枠で時間を割いて見てくれていたのが、やっぱり僕らにとって本当に大きかったですし、僕らがなんか頼りない時には、「じゃあ、一緒に番組出てやるよ」って番組にも出て、こいつは、こうやつなんだみたいなのをプレゼンしてくれたりとか。
本当にお父さんのようなというか…、
もう、“お父さん”でした。

やっぱりまだ悲しいですし、ずっと最後、飯を食った時の小倉さんのままずっと思い出はありますけども。楽しいことやっていてもらいたいなと思うし、なんか僕らが、またバカなことやっていたら、「バカだな、こいつら」と上からのぞいて笑ってもらえるように。我々も頑張んなきゃいけないのかなっていうのは、思うところですね。
今の芸能界というものをどう見えているか分からないし、見えていたらどう言うのかも分からないけれども、本当に小倉さんに怒られないように、頑張って働きます。

(『めざまし8』 2025年3月18日放送より)