紙のように薄く、食べられる「シート状食材」が、今注目を集めています。

料理研究家 島本美由紀さん:
野菜や調味料をシートタイプにしたものは、最近スーパーやデパートなどでも見かけるようになりました。料理に彩りを手軽にプラスすることができて、手間もなく調理ができるので便利です。

料理研究家の島本美由紀さんによると、シート状の食品が増えている理由として、以下のようなものがあるといいます。

・お弁当などに手軽に使えバリエーションが増える
・長期保存が可能、災害時に必要な栄養補給ができる
・調味料は使い切れない場合があるので、ムダなく最後まで使え食品ロスを防げる

「スライスようかん」女将の思いつきが“大ヒット”

シート状の食品が広く知られるようになったきっかけは、京都の老舗和菓子店「亀屋良長株式会社」が2018年に発売した、「スライスようかん(小倉バター)」

亀屋良長株式会社 女将・吉村由依子さん:
スライス状の「あんこ」があったらすごい便利かなと思ったのがきっかけです。面白い商品ができたなという気持ちはあったんですけど、そんなに売れるとは全く思っていませんでした。

開発のきっかけは、女将の吉村さんが子どもたちの朝食のパンにあんこを塗っていたところ、「スライスチーズのように“のせるだけ”のあんこがあれば…」と思ったことだったといいます。

ようかんの売上が低迷していた中発売した「スライスようかん」は、75万袋超えの大ヒット!
発売当初はこんなに売れるとは思っていなかったため、製造体制が整っておらず慌てて型やスライス台を購入したといいます。

世界初!「しょうゆ」「味噌」シート化で輸送コスト減

熊本の老舗醸造メーカー「株式会社フンドーダイ」は、世界初の特殊製法で、日本食に欠かせない「しょうゆ」と「味噌」のシート状製品の開発に成功!

しょうゆシートは好きな形に切り抜いてお寿司にのせたり、冷や奴にかつお節のようにふりかけてもよし。 

味噌シートを魚にのせれば、簡単に味噌焼きを作ることができ、チーズと合わせてクラッカーにのせればおつまみ!これまでとは違った料理のアレンジを楽しむことができます。

株式会社フンドーダイ 代表取締役社長 山村脩さん:
(海外で)和食に対する認知度っていうのは広がっているのは実感していますね。
フレンチ、イタリアン含めた洋の世界含めてなんですけども、そういったところで転用を広げていくことができるんじゃないかなと。

日本食の海外進出を目指す中、物価高の影響で輸送コストの増加が壁となっていました。
そこで、「シート化」すれば、輸送コストを抑えられるだけでなく、洋食にも使いやすいのではないかと開発されたといいます。

ふりかけの新しい形「巻くふりかけ」

広島・呉市の創業125年のふりかけの老舗「田中食品」が開発した、「巻くふりかけ」は、「さけ」「赤しそ」「広島菜」の3種類が販売。

色も、オレンジ、紫、緑と鮮やかで、おにぎりにまいてかわいくデコレーションしたり、巻き寿司の中に挟んだり、折り紙のように折って箸置きにすることもできます。

開発に20年以上の歳月を掛け、ふりかけは「ご飯のお供」という固定観念が強いため、シート状にすることで、料理に幅広く使ってもらう狙いもあるといいます。

彩り鮮やか「やさいシート」

長崎県の食品メーカー「アイル」が開発したのは、「やさいシート」

賞味期限は2年間、ニンジン、ムラサキイモ、かぼちゃ、ホウレンソウがあり、規格外の野菜を使うことで食品ロス削減につながり、野菜が苦手な子どもや、歯が弱い高齢者など幅広く利用することができます。

『めざまし8』のスタジオでも、この「やさいシート」を使った卵焼きを試食してみました。

村上佳菜子氏:
ホウレンソウしょうゆ、すごく香りがいいです!すごいホウレンソウ。

MC谷原章介:
これは、ニンジン。ちょっと食感もニンジンのある気がする。ニンジンを食べたときのような食感が。

小室瑛莉子アナウンサー:
シートが崩れずに残っているので、断面もきれいな。かわいいですね、より、お弁当の彩りにつながりそうな気がします。

料理研究家の島本美由紀さんによると、卵サンドにやさいシートを挟んだり、ヨーグルトにやさいシートを刻んで乗せるという食べ方もオススメだそうです。

村上佳菜子氏:
パウダーの物は出てたりするんですけど、シートの方が使いやすいし、最近はライスペーパーがはやったりしているので、代わりにやさいシートにしたらもう少し栄養もとれるだろうし、いいなぁと。

(『めざまし8』 2025年3月24日放送より)