3月に入り土日の暖かさから一転、急に雪が降るほどの寒さとなり、“ぎっくり背中”になる人が続出しているといいます。

“ぎっくり背中”とは?寒暖差も原因に

都内の整体院に治療を受けに来た女性(40代):
(過去に)自転車をこいでいる時にたぶん姿勢がよくなかったかもしれないですね。痛みが止まらなくなってしまって、(検索していたら)そのうち、「ぎっくり背中」ってキーワードが引っかかってきて。

よく聞く「ぎっくり腰」とは違い、聞き慣れない「ぎっくり背中」という言葉。

治療院よしぐち 好口育男院長:
(ぎっくり背中は)固まった筋肉が伸ばされて、筋肉と筋肉を覆っている筋膜の断裂による痛みになります。

どんな症状があるのかというと…。

【ぎっくり腰】
部位:みぞおち裏側から下
症状:重いものを持つ時や腰を曲げての作業時に発症しやすい

【ぎっくり背中】
部位:首の付け根から肋骨あたり肩甲骨周辺や背骨のあたりに痛み
症状:筋肉・筋膜が傷つき炎症

“ぎっくり背中”SNSに投稿が続出 

その“ぎっくり背中”に今週なったとSNSに投稿する人が続出。

SNSより「ギックリ背中が発動した。ヤバイ死ぬ!」

SNSに投稿していた男性を取材すると。

3月3日に「ぎっくり背中」になった男性:
(仕事の休憩中に)ちょうど寒い時期で少し背中に違和感があったので、温めた方がいいと思ってストーブ前で土下座みたいな感じのスタイルで休憩していたんですけどそこから10分ほど動けなくなってその格好で。気温が急に低くなったので、それが影響しているのかなみたいな感じで言われましたね。

先週末の暖かさから急に寒くなり、「寒暖差」が影響している可能性があるといいます。

調布くびと腰の整形外科クリニック 加藤雅敬院長:
寒暖差が激しい時とか、季節の変わり目とか、筋肉の状態が急激な変化に対応ができないのでそういう時は十分気を付けた方がいい。

3月8日から再び寒さが増す予報の中、注意が必要な“ぎっくり背中”。その予防法について整形外科医の光伸メディカルクリニック中村光伸院長に解説いただきました。

“ぎっくり背中”になる3つの要因

渡辺和洋アナウンサー:
ぎっくり背中になる3つの要因があります。

①急な動作や反射的な動作
 主にくしゃみ・せき、振り向く、物をとろうと背伸びした時など

②筋肉の質の低下…運動不足や偏った食事など
 運動不足や偏った食生活で筋肉が硬くなり、動かしにくくなる

③疲労蓄積
…睡眠不足やストレスなど
 血流が悪くなり筋肉が硬くなる
 

“ぎっくり背中”になりやすい人の特徴は?

渡辺和洋アナ:
どんな人がなりやすいのかというと…

・デスクワークや長時間同じ画面を見るなど、30分以上悪い姿勢を続ける
 ⇒姿勢を正すようなことが重要になってきます。

・「肩こり」や「背中の張り」がある人


・30代後半~50歳手前までが多く、高齢者がなることもある

 ⇒スマホやパソコンの長時間使用で20代後半の人も増加しています。

渡辺和洋アナ:
発症した人はどんな時になったのか聞いてみました。

40代男性(アルバイト)「横向きに体をひねり会話をしていた事が原因。フォークで筋肉を縦に裂くような痛みで、今は寝返りがつらい」

40代女性(飲食店パート)「起床時に布団の中で軽く伸びをした時に背中に痛みが出て動けなくなった」

MC 谷原章介:
これは、急にその場でなったのか、疲労もしくは痛みの原因が蓄積してそのときたまたま出たのか、どっちなんですか?

光伸メディカルクリニック 中村光伸院長:
おそらく蓄積が前提としてあったと思います。だけども無視できるくらいでそこに鞭が入った、タイミングが合っちゃったということになるんですね。

渡辺和洋アナ:
どういう方が発症する可能性があるのか?「ぎっくり背中」に要注意な人が分かるチェック方法があります。

①両手を揃えて正面に向ける

②そこから耳の横まで両手を上げる

渡辺和洋アナ:
腕が上まで上がらない人や上げている時に背中の張りを感じる人は、肩甲骨の動きが悪く要注意だということです。

光伸メディカルクリニック 中村光伸院長:
肩甲骨が背中の中心にあって、首とも腕とも、当然背中ともつながっていて、肩甲骨の動きが悪いかどうかをこれで確認しているんです。動きが悪いということは、筋肉がその周囲で固まっているので、疲労が蓄積しているということになります。

日常生活でできる対策と対処法

渡辺和洋アナ:
「ぎっくり背中」にならないためには日常生活の中でも対策ができるといいます。

・イスに座る時に深く腰掛け背もたれにもたれる
 ⇒背中の筋肉の負担を減らす

・階段を“1段飛ばし”でのぼる
 ⇒背骨を支える腸腰筋の筋肉を鍛えられる安定

・起床時は急に立ち上がらず、両足を持ち体を丸めて筋肉をほぐす

 ⇒ゆっくりやることがポイント

・くしゃみをする際はどこかに手をつくなどして背中を大きく動かさない
 
 ⇒両手を付けるとより良く、ぎっくり腰対策にもなる

光伸メディカルクリニック 中村光伸院長:
急激な力を分散することができる。くしゃみをするときの急激の背中の動きを、腕があることでちょっと耐えられます。

渡辺和洋アナ:
さらに、「ぎっくり背中」にならないための予防ストレッチがあります。

①腰に手を当てて肘で円を描くように腕を回す
 前回し10回・後ろ回し10回を朝と夜。
 最初から力を入れず、無理せず痛みのない範囲で

②背中を反らして斜め上を向き
 平泳ぎするように腕を10回回すのを朝と夜

渡辺和洋アナ:
筋肉が硬くなるのが一番良くなく、ストレッチをすることで筋肉の質や柔らかさを高め、疲労の蓄積を改善するなどの効果があるので、予防として行うことが重要になってきます。

渡辺和洋アナ:
もし「ぎっくり背中」を発症してしまった場合どうすればいいのかというと…。

① 発症後:1~3時間は氷のうなどで患部を冷やして筋肉の炎症を鎮める
② 痛みが続く場合は、安静にする
③ 痛みが和らいできたら入浴で血流を良くする

渡辺和洋アナ:
背中の痛みは脊椎の骨腫瘍、がん転移などで病的な圧迫や骨折、内臓疾患などの可能性もあり、痛みが続く場合は病院で受診をしてください。

(『めざまし8』 2025年3月6日放送より)