夜明け前の山頂で救助活動
“弾丸登山”が減る中、山頂付近はどうなっているのか。
登山道の安全を確保する巡回指導員の太田さんと共に山頂を目指すと…。
富士山登山巡回指導員 太田安彦さん:
みんなカッパとか、レインウェアあるよね。
上は風が強いんですよ、だから気を付けてください。
登山客に声をかける太田さん。
登山道では特にトラブルはありませんでした。
しかし、頂上を目指す登山客を苦しめたのが、絶え間なく登山道を吹き付ける、風速20mという強風。
風が勢いを増す中、巡回指導員の太田さんの無線に緊急事態を知らせる一報が入りました。
富士山登山巡回指導員 太田安彦さん:
山頂に向かってくれる?低体温症の人が。
救急搬送になるかなという感じですね。
――救急搬送?
上に低体温症の通報が入りつつある。
山頂にいた登山客が低体温症を発症したといいます。
すぐさま山頂の現場へ急行。すると小屋の奥にうずくまる男性の姿が…。
富士山登山巡回指導員 太田安彦さん:
深呼吸をしてもらって、高山病かもしれないし、低体温症かもしれない。
何が一番気持ち悪い?
傷病者:
呼吸がしんどいです。
しんどそうに話すのは20代の男性。
山頂に到着したのはご来光2時間前の午前2時半ごろ。
肌着が汗で濡れていたことや、強風の影響で急激に体温が下がり低体温症を引き起こしたといいます。
富士山登山巡回指導員 太田安彦さん:
口でふーって、ロウソクの火消すみたいに。
ふーってはいて、鼻でぐーっと吸うと肺にも圧がかかって、効率よく酸素をとりこめる。
太田さんが応急処置を試みる中、医師と看護師が到着。
男性を抱きかかえ連れて行こうとしますが、強風が吹き付ける中での救助活動は困難を極めました。
4人がかりで男性を寝袋などで包む「低体温症ラッピング」と呼ばれる措置を施し、8合目の救護所に搬送されました。
その後、体調が回復した男性は自力で下山したということです。
富士山登山巡回指導員 太田安彦さん:
海の日を境に人も増えていきます。
特に山の日、去年だったら弾丸登山というのは多い日だったので、やはりその2つを迎えて、越えていかないと安堵はしないかなと思います。
(『めざまし8』2024年7月8日放送より)
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