日本を訪れた外国人観光客に“映える”と大人気の風景、「コンビニ越しの富士山」。

日本らしさを感じる風景だといいますが、ベストショットを撮ろうとすると、撮影のための危険な横断など、外国人観光客の迷惑行為が問題になっています。

そのため山梨県富士河口湖町は、苦肉の策として向かいの歩道から“コンビニ富士”を撮影できないように、黒い幕を設置しました。

2024年5月21日に設置された巨大な黒幕

撮影できる最後のチャンスとなった、5月20日。

あいにくの曇り空となりましたが、それでも 外国人観光客の姿がたくさん見られました。

外国人観光客:
この場所で撮影する写真は とても素晴らしい。
ただ、観光客が多すぎてベストな場所とは言えないかもしれません。

 富士河口湖町の決断の一方で、外国人観光客は各地に分散していました。 

別の場所でも…富士山“映えスポット”迷惑行為で地元困惑

Seaofcioudsさんのインスタグラムより

昭和レトロな街並みと富士山のコラボが撮影できる“映えスポット”富士吉田市の商店街。

みんなが撮影したくなる“映える風景”が…富士山をバックに交差点を渡るこの一枚。

 

※歩道から撮影

市は安全に撮影してもらうため、警備員を配置し観光客の誘導を行っていますが、赤信号を横断し、途中でポーズを決める女性。

クラクションもお構いなしで撮影を続ける人も。

車道に出ている人に声をかけると…。

スタッフ:
デンジャー!(危険です)

外国人観光客:
・・・

 こうした状況に警備員を配置していますが、対策が追い付かないのが現状だといいます。

富士吉田市役所 経済環境部 富士山課 勝俣美香氏:
たくさんの方来ていただいて、それはすごく喜ばしいことなんですけれども、車道の中に出て写真を撮ってしまう方がいますので、そういうところはちょっと危ないなと思います。 

「観光客が来てくれるのはうれしいことだけど…」
そうした複雑な思いは、同じ、富士山を観光資源とする静岡県でも…。

 

写真:大淵二丁目ささば景観保存会

静岡県富士市にある茶畑越しの富士山が美しい「大淵笹場」。

外国人観光客のツボにはまる風景のようですが、周辺を見ると…

スタッフ:
茶畑の植えられている壁なんですけれども、このように落書きがされていますね。 

別の場所にも多くの落書きが書かれていました。

地元の保存会の藤田会長は…

大淵二丁目ささば景観保存会 藤田好廣会長:
例えば茶畑のこのまあ畝の中に入って写真撮影をしたり、大声を出したりだとか、そういったところが見受けられます。 

「観光客が増えるのはうれしいこと」だとした上で、マナーの悪い一部の観光客に悩まされているといいます。

大淵二丁目ささば景観保存会 藤田好廣会長:
楽しみにしてくださるお客さんに、ある程度何らかの形で影響を与えると思いますので、そういったところはやめていただきたいですね。