2025年11月に警報基準を超えたインフルエンザが、再び猛威を振るっています。
東京都によると、1月19日から25日に定点医療機関から報告を受けたインフルエンザの患者数は13.83人で、東京都の注意報基準を再び超えました。

警戒解除後に再び注意報基準を超えるのは、実に17年ぶり。
耳鼻咽頭科専門医の内尾紀彦医師は、深刻な雨不足による乾燥によって「のど」が乾燥し、ウイルスが体に入りやすい状態になっているといいます。

そらいろ耳鼻咽のど科センター北駅前院 内尾紀彦理事長

そらいろ耳鼻咽のど科センター北駅前院 内尾紀彦理事長:
インフルエンザが、はやりやすくなるのは、乾燥してインフルエンザウイルス自体が活発になることと、のどが乾燥して感染が成立しやすくなるから。この2つが原因になります。

さらに、この「のどの乾燥状態」が続くと、新たな症状を引き起こす可能性も…。

内尾紀彦理事長:
この時期は乾燥しておりますので、“のど乾燥スパイラル”を起こしている方が増えてきています。
乾燥して感染して、炎症を起こしてまた乾燥すると。このサイクルを繰り返す形になり、乾燥が解決しない限り、なかなか良くならないという特徴があります。

ウイルスの侵入口となる「のど」が乾燥すると、粘膜のバリア機能が弱まり、のどの炎症や感染症が起きやすくなります。

このバリア機能が低下した状態が続くと、インフルエンザの症状が治っても、再び別のウイルスに感染したり、症状が長引いたり慢性化したりする「のど乾燥スパイラル」が起きてしまうというのです。

例年の1.5倍の患者「のどの乾燥感」

2月2日、内尾医師が院長を務める、横浜市の「そらいろ耳鼻咽のど科センター北駅前院」を訪ねると、診察受付前にもかかわらず、長蛇の列ができていました。

内尾紀彦理事長:
乾燥した結果、インフルエンザ、ライノウイルスなどのウイルスが活性化して、そういった風邪ももらいやすい時期になりますので、鼻とのどの調子を崩されている方が増えています。

この日訪れた患者は実に120人。例年同時期の約1.5倍だといいます。
そのうち、3人に1人が「のどの乾燥からくる症状」を訴えていました。

のどの痛みを訴える女性(30代):
先週からちょっと咳が出ていて。咳するとちょっとなんか、血の味がするような、ちょっと痛い咳、乾いた咳があって、夜とか寝ていても結構のど痛いなと思うことがあるので、乾燥っていうことに関しては、今回一番感じるかなっていうのはあります。

のどの痛みを訴える男性(20代):
なんか寝起きの時とかに、いつも以上に乾燥を感じることが多いなって思いますね。口もそうですけど、のどの方も“乾燥感”っていうか、カラカラするような感覚があって。

では、「のど乾燥スパイラル」から抜け出すにはどうしたらいいのでしょうか?

内尾紀彦理事長:
より炎症を起こすとのどが乾燥しますので、そこで、保湿をすることによってスパイラルから抜け出して、のどの感染を防ぐことができますので、むしろ感染してしまった後は、より保湿が大事になります。

のどの乾燥と聞くと、「のどあめ」を連想しますが、内尾医師によると食べ過ぎるのも問題だといいます。

内尾紀彦理事長:
のどあめを食べ過ぎると、口の中の水分が奪われてしまって、乾燥してしまいますので。適量は良いのですが、食べ過ぎてしまうとそういったリスクがあります。

『のど乾燥スパイラル』予兆は?対処法は?

――どの程度症状が続いたら『のど乾燥スパイラル』の可能性があるのでしょうか?
内尾紀彦理事長:

一週間以上のどの違和感があったり、イガイガがあったり、引っかかるような症状がありますと、『のど乾燥スパイラル』の可能性があります。

――視聴者からの質問で「のどがいがらっぽくなって、せきが止まらなくなる。急にむせるようなせきに襲われたときの対処法は?(60代)」と来ていますが
内尾紀彦理事長:

まず水分を取っていただくことが良いと思います。どうしてもせきをしてしまうと、のどの声帯が乾燥してむくんでしまって、またせきがでるという。せきと乾燥を繰り返すスパイラルに入りますので、水分を取っていただいて、落ち着くところからかなと。

内尾医師によると、就寝時の乾燥対策としては、枕元に「ぬれタオル」を置くと寝室全体の湿度がゆるやかに上昇し、口やのどの粘膜が自然に潤うので効果的だといいます。
「ぬれマスク」は、就寝直後は効果がありますが、時間がたつと鼻が詰まって口呼吸になり乾燥してしまうことがあります。

また、外出時にのどを潤すなら、スポーツドリンクより「水」の方が好ましいといいます。

内尾紀彦理事長:
スポーツドリンクは電解質を補給するという意味では、非常に良い物になるのですが、取り過ぎてしまうと、糖分がのどの水分を奪ってしまう可能性がありますので。
常温の水の方が吸収されて、保湿効果が高まると。冷えている物だと血管を締めてしまい、温かい物だと胃腸に負担がかかりますので、常温の水が。“さゆ”よりも、常温の方がいいです。

水分を取る際は、一気にとらず、“ちびちび飲み”をすることがのどの潤いを保つコツです。

内尾紀彦理事長:
こまめに飲むことで、一定の保湿が可能になりますので、大体20~30分に1回くらい少しずつ飲めると一番良いかなと思います。少量、潤す程度で効果が出てくると思います。

1日1回できる、のどの潤いを保つ「唾液腺マッサージ」というものがあります。
耳の少し前、上の奥歯あたりに指をあてて、そのまま優しく円を描くように10回マッサージしてください。口の中に唾液がじわっと広がる感覚があればOKです。

(『サン!シャイン』 2026年2月3日放送より)