1月25日、初場所の優勝決定戦を制し、2場所連続の優勝を果たした、新大関・安青錦(21)。新大関の優勝は20年ぶり、史上9人目の快挙となりました。
『サン!シャイン』ではその強さの秘密を、第66代横綱・若乃花 花田虎上氏に聞きました。

新大関の優勝 20年ぶりの快挙 悲願の“綱とり”へ

今場所の安青錦は順当に白星を重ね、迎えた千秋楽、12勝3敗で並んだのが、両横綱を破り勢いに乗る前頭4枚目の熱海富士(23)です。

迎えた優勝決定戦。立ち会いから圧力をかけて土俵際まで押し込む熱海富士。低い姿勢で耐える安青錦は、左腕を熱海富士の首に巻き付け、最後は「首投げ」で勝負あり。
新大関として迎えた場所での優勝は、2006年の元横綱・白鵬以来、20年ぶりの快挙です。

部屋に戻った安青錦を出迎えたのは、師匠の安治川親方。新大関として迎えた場所での優勝に、部屋は歓喜に包まれました。尊敬する親方、そして女将が注いでくれた勝利の美酒に、思わず笑みがこぼれます。

今場所12日目から、これまでの「青」の締め込みから「黒」へと変えた安青錦。その黒の締め込みは、師匠・安治川親方が現役時代に付けていたものを譲り受けた物でした。

共に戦った師匠は、今場所を振り返り…。

安治川親方:
大変な場所だったなと。結果こうやって優勝。そこまでよくもってきたなと素直に褒めてあげたいなと思います。

ねぎらいの言葉をかけましたが、安青錦は…。

安青錦関:
自分は自分なんで、自分らしく相撲が取れたかなと思います。

平常心を貫く、ウクライナから来た21歳の新大関。次の春場所で、綱とりに挑みます。

安青錦関:
特にあまり(横綱昇進を)考えすぎないように、自分らしく今まで通りやっていけたらいいなと思います。

安青錦 強さの秘密

そんな安青錦の強さについて、視聴者からこんな意見が寄せられました。

「相撲ファンの高1です。安青錦はいつも立ち合いの低さが鋭く、何か秘訣があるのか気になります」

花田虎上氏に聞くと…。

第66代横綱・若乃花 花田虎上氏:
低さというか、ちゃんと相手にとって正対する、顎の下につけるような頭の位置なんですよね。あまり下げすぎると首の方がけがするので、そういう点では下げすぎずにちゃんと額で当たっていると。右左うまく使っているというのは彼の強さなんです。

谷原章介キャスター:
その低さって現役時代の横綱とすごくかぶるような気もするんですけども。

花田虎上氏:
私の場合は右を差してなんですけども、彼の場合は左でも右でも両方。
きのう(25日・優勝決定戦)は本当にギリギリのところです。
下手をとって相手が重たいので一気に相手が来ようとしているところを右で、投げるぞ投げるぞって踏ん張って。でも、本人は「これまずい」と思ってるんですよ。最後、右に右にいって 急に左に投げを打つんですよ。
相手から見ると、相手がまわしを取らなかったのが敗因なんです。あと足の位置ですね。足の位置がちょっと内側に入ってたんで、投げかかるような体勢になったんですね。もうほんと紙一重です。

安青錦が次の春場所挑むのは“綱とり”

九州場所(2025年11月)12勝3敗で初優勝し大関昇進。初場所(2026年1月)12勝3敗で優勝。2場所連続優勝した安青錦。来場所の活躍次第では横綱昇進も見えてきます。

相撲ジャーナリスト 横野レイコ氏:
大関の地位で2場所優勝かそれに準ずる成績ならば横綱昇進ってことになっています。
ただまあ今場所12勝って低いレベルの勝率で優勝だったので、その辺がどう判断されるかですけど。この勢いに乗っていきそうな気配もありましたね。

初場所で躍進 熱海富士

そんな安青錦と優勝を争ったのが前頭4枚目の熱海富士。今場所九日目と十日目、豊昇龍と大の里、横綱2人に2日続けて金星をあげています。

――熱海富士関の強さはどういうふうに見ていましたか?
花田虎上氏:

上がってきた頃も勢いがあって200kg近い体を生かして前に出てたんです。一時期少し、けがもあるのかな?前に出られなかったんで、そういう点では最近、今場所特にあたって前に出るって相撲が多いんですね。
あたるってことは胸から肩からあたったりするだけで1発目はあたれるんですけども、2発目が大切で、あたってそこから大きい体を丸めて相手の胸に頭をつけるっていう相撲がとれるので。1回2回だけで相撲のあたりって何回もあたっていかないといけないので。

谷原章介キャスター:
今場所前に出られたっていうのは意識ですか?体調が良くなった?

花田虎上氏:
体調も意識も良かったと思います。あと、勝っていくとだんだん気持ち盛り上がっていくので。
ただ、最後の相撲(優勝決定戦)はもったいないですよね。まわしを取っていれば相手の逆転の技は食わない。大関から見たら下手投げか首投げしかないんですよね。選択肢は。あそこで(熱海富士が)一歩手前で引いてちょっと戻そうかなっていうような気持ちがあればまたあれ(首投げ)がかからない。

佐々木恭子キャスター:
安青錦関からすると、まわしを取らせないっていうのはどこが?

花田虎上氏:
技術もあります。前日、琴櫻と戦っているんですけど、一発でバーッと持っていけるんですよ。でも出ていくと相手が大きいので振り回される。ということは土俵際でうっちゃりの可能性があるんですよ、軽いから吹っ飛ぶんで。そこを1テンポ置くんです。それができてるんです。熱海富士はそれができなかったもんだから、そこが本人は足りないところだと。そこが大関と横綱に上がる人たちの差なんですよ。

(『サン!シャイン』2026年1月26日放送より)