1年で一番寒い「大寒」だった1月20日。『サン!シャイン』の取材班が訪れたのは、400年続く“奇祭”が行われているという、群馬県長野原町の川原湯温泉。
この場所で、毎年1月20日の「大寒」に行われているのが、伝統の奇祭「湯かけ祭り」です。

川原湯温泉街の一部はもともと八ッ場ダムの水の底にあり、ダムは2020年に完成し、かつての姿は消えてしまいましたが、家々や温泉施設は、ダムの上に移転。
今も伝統は途切れず、続いているといいます。

「湯かけ祭り」実行委員長 久保田雄大さん:
ただかけ合うのではなくて、お湯をぶつけるって言った方がいいですかね。かけられた時はあったかいんですけど、(気温は)マイナス5℃以下になりますから、寒いです、本当に。

この祭りの原点は約400年前。
突然、温泉が湧き出なくなったことに困った人々は、温泉の“硫黄のにおい”と、ゆでた卵のにおいが似ていることから、神にニワトリを捧げて祈りました。

すると再び温泉が湧き、「お湯わいた」「おゆわいた」…「おいわいだ」「お祝いだ!」と言いながら、湯をかけるようになったといいます。

祭りの前日、会場の共同浴場で準備が進む中、バッチリとメイクをして現れたのは、今回が初参加だと話す女性2人。

ヨガインストラクター 土肥麻衣子さん:
今からね、お湯をかけあって(メイク崩れを)検証するんです。アハハ!

ヨガインストラクター AmiYogaさん:
一度メイクは取れちゃうかもですけど…一応(メイク)して出ようと思ってます。

この地の自然にひかれて、2年前に移住してきたという、小澤直志さん(47)も、今回が初参加。

2年前に移住 小澤直志さん:
「参加して」って言われちゃって。「いや、自分新参者なんでちょっと…」って言ったんですけど。いやそこはね、そういうとこを経験して…これから参加してほしいっていうこと言われて、「分かりました」って。逆らえない、ハハハ。

まだ地域の人たちと打ち解けられていないのか、遠慮や不安がうかがえる小澤さん。果たして、本番は大丈夫なのでしょうか。

気温は氷点下でも参加者はぽかぽか

「湯かけ祭り」当日。早朝5時半ごろ、厳かに神事が始まりました。この時間の気温は氷点下2.3℃。あまりの寒さに参加者も体を震わせます。

そして迎えた午前6時。熱狂の火ぶたが切られました!

「お祝いだ!お祝いだ!お祝いだ!」

町民ら30人が温泉施設の前で2組に分かれ、温泉のかけ合い。お湯を“かける”というより、“たたきつける”勢いで相手にかけていきます。

気温はさらに下がり、氷点下4℃近くに。ふんどし一丁でお湯をかけあう人々は寒くないのか…、サーモカメラで会場を見てみると、見守る人は寒そうなのに対して、お湯をかけ合っている参加者たちは真っ赤です。

実は、手元のお湯をかけるたびに共同浴場の温泉をくみにいくのですが、その際ちゃっかり温泉につかっている人が…、これは温かいはずです。

お湯のかけ合いも終盤、激しくお湯をかけ合う男性陣に交じって、メイク崩れの検証をすると言っていた女性たちの姿を見つけました。

果たして、こだわりのウォータープルーフのメイクはどうなったのか?顔を見せてもらうと…2人ともバッチリキープ!検証のかいがあったようです。

さらに、移住2年目で初参加。地域になじめていないのか、あまり乗り気ではなかった小澤さんは…。

始まる前がうそのように、満面の笑顔で自らお湯を浴びに行き、豪快にお湯をかけていました。

2年前に移住 小澤直志さん:
新参者ではありますけど、体験することができてすごく楽しかったし、いい経験になったと思います!
川原湯の皆さんとか、この土地にもなじめたのかなっていう感じが今はあります。(来年も)やります。もちろん、これからずっと参加させていただければ。この町に貢献していきたいなと。

伝統の奇祭に参加し、魅了され、伝統をつなぐ新しい力に。
たとえ昔の街はダムの底に沈んでも、残り続ける“人々の思い”がそこにはありました。

紅組大将を務めた 樋田恒祐さん:
川原湯自体の若い人自体が少ないですし、続けるってことが大事なのかなって思います。

(『サン!シャイン』 2026年1月22日放送より)