<高橋惠子 コメント>

――オファーを受けたときは、どう思いましたか?

犯人役はあまり経験がなかったのですが、台本がとても面白く、ぜひやりたいと思いました。誰でも、ひとつ間違えば、蘭子のように罪を犯してしまう可能性はあると思うんです。

――偽名や整形手術を重ねて逃亡するという役どころでした。

借金を背負われたりして、思い描いていた夢が打ち砕かれて、思わず凶行に走ってしまう…。自首をせずに逃げ続けていた理由は想像しないとわかりませんが、悔しさがあったのかもしれないし、「私だって、もっと違う人生を生きてみたい」と思ったのかもしれない。

だから、顔も名前も変えて逃げ続けて、警察が迫ってきたらその土地を離れなければいけないわけです。その繰り返しですから、きちんとした人間関係なんて築けないですよね。自分を理解しているのは平造だけだと感じたのではないか…。そんなふうに思いながら演じました。

――視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。

人生に限らず、最後は大事だと思うんです。最後をどのように過ごしてどんな気持ちで旅立つのかで、次の行き先も変わるのではないでしょうか。年をとったからといって閉じこもらず、同世代の人たちと楽しい時間を過ごせる介護スナック「ベルサイユ」は、とてもいいなと思います。

魔法のワインがあれば、言うことないんですけどね(笑)。これから、こういう場所がどんどん増えるといいなと思います。

蘭子と平造のシーンは、もちろん見ていただきたいのですが、罪を償おうとする蘭子を見た大輝(杢代和人)の変化にも注目してほしいですね。2人とも、意図せず罪を犯してしまったわけですから、大輝がどんな最後を選ぶのかを見ていただければと思います。

このドラマを見た年配の方々が、「ベルサイユ」みたいな場所で生き生きと過ごしてほしいなと思います。「自分は老けた」なんて思わず、お互いにいつまでも自分らしく生きていきましょう、とお伝えしたいです。