『サン!シャイン』の取材に応じてくれたのは、元シブがき隊の布川敏和さん(60)。
還暦を迎えた今年、ある決断をしたといいます。

元シブがき隊 布川敏和さん:
30年住んでいた一軒家を売却して、このたびマンションに引っ越しました。
(自宅から)スーパーも歩いて行けないし、食べ物屋さんも何もないようなところの土地にあった一軒家だったんですね。だから車使わないとちょっと不便な場所という感じ。

今年5月、東京・世田谷区の一軒家から都内の駅近・2LDKのマンションに引っ越した布川さん。

以前住んでいた一軒家は、築約30年の2階建て。老朽化が進み、自宅にコウモリが出たこともあったとか。
1人暮らしで、広い一軒家を持て余していたといいます。

布川敏和さん:
一軒家で広すぎて、自分が使うスペースがほぼ限られてきて。それがもったいないっていうのと、あとは庭があったんですけども、庭の管理もかなり一軒家ってすごく大変で。
早くここ(駅近マンション)に引っ越せばよかったなと思って。ちょっと10年間無駄だったなと思いましたね。

実は今、同じように持ち家を売り、駅近のマンションへと住み替えるシニア世代が増えているといいます。

シニアの決断 駅近マンションへの移住

 シニア世代向けの物件のみを取り扱う都内の不動産会社。

問い合わせ内容をまとめたメモには「自宅を売却し、息子の住む都内への引っ越しを希望」の文字が。
この不動産会社には、同様の依頼が月30件ほど来ているといいます。
また、その流れは郊外でも…。

シティーハウス八千代緑が丘  マンションギャラリー 志済諭氏:
都内の不動産を所有している方がそちらを売却して検討する方が多いですね。マンション価格の高騰がありまして、今持っているマンションがかなり高額で売れると。多少現金を残したいという考えの方が多いのかなと思います。

取材班がやって来たのは、都心から電車で約50分、千葉・八千代市で売り出し中の駅近分譲マンション。現在、購入者の約2割がシニア世代だといいます。

見せてもらったのは、3LD・K  約70㎡で、販売価格4280万円(予定)~のお部屋。
大きな西向きの窓を備え、洋室と合わせて約17畳になるリビングに…

寝室を想定した、ブルー系の壁紙がアクセントの約6畳の洋室。

また、廊下を挟んだ反対側には、書斎など趣味に没頭できそうな約5畳の洋室も。

2つの洋室には、それぞれウォークインクローゼットを完備。夫婦で使い分けもできるようになっています。

さらに、ポイントはバルコニー。あえて透明なガラス張りのパネルを使っていて、外出が少なくなりがちなシニア世代からは、自宅にいながら景色を楽しめると好評だといいます。
また、外に出れば、最寄りの駅までは徒歩4分。徒歩圏内にスーパーや大型ショッピングモール、ゴルフ練習場があるのも人気の理由です。

シティーハウス八千代緑が丘  マンションギャラリー 志済諭氏:
駅自体に周りの商業施設、医療施設がかなり多いものですから、徒歩で全て完結できますので、いずれ車を利用しないとか、そういうことを考えると非常に便利かなとは思います。
シニア世代で広がっている、一軒家から便利な駅近マンションへの住み替え。環境が変わることへの不安や苦労などはないのでしょうか?

マンション生活は「けっこう楽」

続いて取材したのは、30年ほど住んだ兵庫県内の一軒家を手放し、今年5月、同じ県内にある20kmほど離れた駅近のマンションを購入した加藤さん夫婦。
以前は、庭付き・5LDK、約170㎡の一軒家に住んでいましたが、子供たちは独立。70㎡の3LDKで新たな生活を始めました。

夫(85):
高齢になってきますとね、やっぱり(一軒家は)大きすぎると。とても管理が今後難しいというふうにこれも急に思うようになりましてね。

――このマンションは動きやすい距離感?
適度だと思いますね。2人だったらもうこれで十分です。

快適な新生活を送っているという加藤さん。
駅近とあって、徒歩10分圏内に飲食店やスーパー、郵便局など生活に必要な施設がコンパクトに集結。また、買い物の時以外でも、体を動かすために、普段から家の近所を散歩しているといいます。

妻(78):
マンションに住むというのは初めてだったもんですから、マンション生活ってどんなんかなって思っていましたけど「けっこう楽」って思います。

――キッチンも一軒家の時よりは狭い?
妻(78):

まあでも別に年とってそんなに複雑なお料理とかしませんのでこれで十分なんです。手を伸ばせばすぐ手が届くという。

マイホームを建てた当時は、「“終のすみか”にしよう」と思っていた加藤さん。しかし…。

夫(85):
2人が生活するのにちょうど適度な大きさ、広さであるということ。やっぱり便利ですね住まいの環境が。
結果的に移ってよかったというふうには思っています。

妻(78):
年とって、もう車が運転できなくなりましたら、駅近の徒歩でいろいろなことができるような地域に年寄りは来た方が便利だなと思います。

今、全国的に広がっているシニア世代の駅近マンションへの住み替え。
シニア世代が住むのにおすすめのエリアとマンションを購入する際の注意点を住宅評論家の櫻井幸雄氏に教えてもらいました。

駅近マンション シニアにオススメな駅ベスト3

1位 東京・八王子市 高尾駅( JR中央線・京王高尾線)
・新築マンション(3LDK)が4000万円台で購入可能
・駅近くに大型商業施設あり
・自然が多くゴルフ場も多数
・新宿まで最短45分→座って行ける可能性あり

2位 千葉・八千代市 八千代緑が丘駅(東葉高速鉄道)
・駅近マンションや一戸建てが多く家賃が安い
・駅周辺に大型商業施設・映画館などがあり活気がある
・商業施設は発展する余地あり
・東京・銀座まで約50分

3位 横浜市緑区 中山駅(JR横浜線・横浜市地下鉄グリーンライン)
・マンションの価格・家賃が安い
・敬老バスを有効活用できる地域(横浜市在住で70歳以上)
横浜の中心部まで約50分
港北ニュータウンまで約10分
・ホタル観賞ができる「四季の森公園」徒歩圏内

マンションを購入する際のチェックポイントは…
①玄関ドア・バルコニーの窓は重すぎないか?
②浴室・浴槽が広すぎないか?
→掃除・入浴時に不便に…
③窓に下地材が入っているか?
→手すりの取り付けが楽!

(『サン!シャイン』2025年10月22日放送より)