若者の流行発信地といわれる、東京・原宿の竹下通り。

休みの日には多くの人が訪れ、大きなにぎわいを見せていますが…、今、そんな原宿にも負けないくらい若者が殺到している場所があるといいます。

『サン!シャイン』は、地元の人も「まるで竹下通り」と驚く “原宿化”現象が起こっている場所を徹底取材!人気の秘密と、その発信源を調査しました。
キーワードは“自然界隈”?SNSで拡散か
原宿化が起こっているというウワサを聞きつけ、『サン!シャイン』が訪れたのは、東京・調布市にある「深大寺」です。

歴史は古く起源は奈良時代と言われ、2017年には安置されている「釈迦如来像」が国宝に指定された由緒ある寺院ですが、そんな深大寺に、約1年前から若者が集まり始めているといいます。

甘味処あめや 大前智子さん:
(いままでは)巣鴨っぽいって言ったらあれですけど、そんな感じで中年の方、シニア層が多かったですね。それがもう全然、若い子が一気に増えちゃって、もうここら辺「竹下通り」みたいな感じになっちゃっています。

甘味の食べ歩きや、陶芸体験などを楽しむ若者たち。なぜ急に訪れるようになったのか、理由を聞いてみると…。

若い参拝客:
自然が見たいから、TikTokで調べてみてきました。

若い参拝客:
インスタでよく深大寺を見るので、気になってきました。

若者の多くがTikTokやインスタグラムなどで流れてきた「深大寺」の風景に魅了されて訪れたというのです。
さらに、SNSにはこんな気になる言葉が…。

「深大寺が自然界隈の聖地に」
「自然界隈したいので、深大寺辺りに行きたい」
若者たちの言う“自然界隈”とは一体何なのか。ネットの流行に詳しい、ITジャーナリストの三上洋氏に聞いてみると…。

ITジャーナリスト 三上洋氏:
“自然界隈”とは、例えば高原だったり山・川・海そういった自然のスポットを、ビジュアルとして楽しめる、旅行として楽しめるスポットというのを、(動画などで)紹介することです。この自然界隈の投稿というのはとても(若者達に)バズりやすいんです。TikTokやYouTubeショートのショート動画で特にはやっている印象があります。
例えば、都会のそばにある自然、そして映える場所または体験型のスポットがある場所としてですね、「深大寺」が注目されているんですね。
まるでジブリ映画のような自然を体験
他にも、若者たちが訪れて「原宿」状態になっている街があるといいます。それは、静岡・熱海市。

この場所にも、TikTokなどSNSの投稿に影響を受け、多くの若者が訪れていました。

北海道から来た観光客(20代):
インスタとかTikTokとかに載せたりするのを結構見たり。それこそ熱海旅行で調べたら、結構ここが多く出ていたりするので参考になります。
もちろん、熱海にも若者に人気の“自然界隈”があるといいます。

熱海駅からバスで20分ほどの場所にある、「來宮神社」です。
3連休の最終日である10月13日は、参道にあふれんばかりの参拝客の姿が…。

東京から来た若い参拝客:
都会にオフィスがあるから、息抜き新鮮な空気を吸いに。きれいな景色目的もあり、“自然界隈”の人の投稿とかを見て、あ、次ここに行こうかなみたいなことはあります。

参拝客によると、來宮神社は、まるでジブリ映画に出てきそうな自然を体験できるのが魅力だといいます。
次の“原宿化”はどこ?専門家オススメは
航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏によると、東京・調布市の「深大寺」や静岡・熱海市が人気の理由として、“都心から気軽に行くことができる”という点もあるといいます。

航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗氏:
やはり電車で気軽に行くことができる、特急券や新幹線代をかけなくても行くことができて安くいけると。SNSのショート動画などが牽引役となって、ひとつのきっかけというか、こういうところいいなと思う若者が増えたことで人気が出たと。
「深大寺」については、我々だと“深大寺そば”というイメージが強いのですが、様々な体験や自然というところのニッチさ、アクセスに関しても三鷹や京王線のつつじヶ丘から20~25分バスに乗れば行ける。また、駅前ではないというのも、都会だけど少し違う雰囲気のものが楽しめるというのが大きいかなと。

――現代の若者はSNSで旅行先などの情報収集を行っている?
この旅行先はこういうものがあると分かっていれば、検索サイトで調べたりとか、YouTubeで動画を見るなどがシニアの方含めて多いですが、若い人はまずTikTokなどでスイーツの動画を見て、「熱海にこんなものがあるんだ、ちょっと映えるから行ってみよう」ときっかけをつかんだら、今度はハッシュタグなどで(検索し)写真を見て実際にここに行こうと決めると。
『若者がある場所を知る』最初のきっかけがTikTokのショート動画。我々はじっくりものを見ますが、(若者は)短い動画をたくさん本数を見て、自分にヒットするものがあれば、そこからまた検索をしてそこにいこうと、そういう流れですね。
さらに、鳥海さんによると、次なる“原宿化”スポットは、群馬・草津町だといいます。

航空・旅行アナリスト 鳥海高太朗氏:
2週間前に行ってきたばかりですが、本当にどの旅行地よりも若者の比率が高かった。
湯畑のライトアップや、湯もみ。とにかくリニューアルをして、老舗温泉地でありながらどんどんお金をかけて新しい物も作っています。レトロとモダンの融合と。
若者を意識した戦略を草津は取っているということで、若い人はもちろん外国人観光客も増えていますね。
(『サン!シャイン』 2025年10月14日放送より)