今、全国で相次ぐ市長のスキャンダルが連日報じられ、有権者の間に不信感が広がっていますが…、その一方で、行政のトップとして市民から大きな支持を得ている市長も。

今回『サン!シャイン』が取材したのは、2025年2月に就任した埼玉・川越市の森田初恵市長(42)。
裁判官から転身した川越市初の女性市長であり、さらに3人の子供を子育て中!
公務と子育ての“二刀流”に奮闘する新人市長の挑戦に密着しました。

登庁は保育園送迎後…「母親の顔」から「市長の顔」へ

10月8日朝8時20分、笑顔でカメラの前に現れた森田市長。

川越市 森田初恵市長(42):
おはようございます。
「保育園行きません!」みたいな感じで、逃げる子供をつかまえたりしながら送ってきました。

8歳、6歳、3歳と3人の子供の母親でもある森田市長。可能な限り、自らの手で子供を保育園に送り届けてから登庁しているといいます。

川越市 森田初恵市長:
子供もまだ小さいので、最初(親には)すごく反対されましたけれども…、子育て中の自分がやることにも意味があるだろうと思いまして。

「子育て支援をもっと充実させたい」。
そんな熱意は周囲にも伝わり、徐々に応援してくれるようになったといいます。

“小江戸”とも呼ばれ観光地としても人気の川越市

川越市は人口約35万人の中核市。
「蔵造りの町並み」が色濃く残り、観光地としても人気です。

森田市長は、この町で生まれ育ちました。

川越市 森田初恵市長:
事件が起こらないような世の中づくりというのに携わりたいという思いがありまして。
「自分が大好きな川越のために尽くしたい」というふうに思ったということですね。

モットーは「聴く、見る、話す」 元裁判官市長の1日

【10月8日午前9時】

この日、森田市長の最初の公務は次の議会での議案を審査する会議。

それを終えると、休む間もなく市の行財政について話し合う会議に出席。
各部署の担当職員が集まる中、委員長として会議を仕切ります。

――委員会はいかがでしたか?
川越市 森田初恵市長:

それぞれの立場から意見が出されて、非常に議論は深まったと思います。
午前中なかなか重い会議が詰まっていたので、ようやくお昼取れるなというです。

【10月8日正午すぎ】

正午を回ったところでようやく一息。

この日のお昼ご飯は、きのうの夕食の残りを詰めたお弁当です。

――普段お料理は?
川越市 森田初恵市長:

家ではできるだけしています。
「小さい子はこんなにおいしいものを何で食べてくれないんだ!」みたいなことはありますね(笑)。
一生懸命作って出しても「白いご飯がいい」とか言われて…。

うちの子たちは、結構カラオケが好きで。
私の好きな歌手はゆずなんですけれども、私が歌ってるのを見て子供が好きになって歌ったりっていうのはありますかね。

母親としての一面を見せたのも束の間、休憩時間が終わると再び市長の顔に戻ります。
各部署の職員が代わる代わる報告や相談に訪れたかと思うと…。

続いて市長室にやってきたのは若手職員たち。

若手職員とも積極的に意見を交換しあう

川越市 森田初恵市長:
私は部課長などと接触する機会が多いんですけれども、市役所を支えてくれている若手の人たちから直接意見を聞いたり自分の意見を伝えしたりする機会がないので、ぜひ意見交換したいということで。

森田市長のモットーは「聴く、見る、話す」
数日に分けて若手職員を中心に30人ほどから話を聞くといいます。

川越市 森田初恵市長:
市政のことについては本当に長けた職員がたくさんいるわけですけれども、私は市民の信託を得て市長の席に座っているわけでして。
市民からの視点、外からの視点っていうところを、(職員と)丁寧に議論していくっていうことが、市政の発展につながるかなと思ってやっています。
それは裁判官時代に培ったものかなとも思います。

森田市長が力を入れる子育て政策…市民の期待は

森田市長が就任以降力を入れているのが「子育て支援の拡充」
就任4カ月後の今年6月には、全国に先駆け、「こども誰でも通園制度」を実施しました。

生後6カ月から満3歳未満で川越市に住民登録がある子どもであれば、1時間あたり300円で、市内の保育所などに預けることができます。

「こども誰でも通園制度」利用者:
専業主婦なんですけど、点数が足りなくて保育園に入れられなくて。
3時間だけでも預けてという制度があるのが助かってて。

さらに、市長選で公約に掲げていた「学校給食費無償化」に向けた第一歩として、「学校給食費の半額化」も決定。
市立の小・中学校、特別支援学校では今年9月から来年3月までの給食費の負担が半分に減額されます。

川越市民(30代):
やっぱり助かる家庭も多くなると思うので、子供の方に投資をしていってほしいなっていうのは親としては思います。

川越市民(80代):
女性の感覚がこれから必要なんじゃないかなと思って。
若い人がしっかりと生きる基盤を作ってもらう、それが大事。

市民からの要望について、森田市長は…。

川越市 森田初恵市長:
これまでずっと(市長職を)男性がやってきたわけで、女性の視点でトップから市政を動かしていくというのは意味があると思いますし、これまで届かなかった自分の声が届くかもしれないと思ってくれた若い世代や女性がいたというのは、すごく実感しています。

女性初のリーダーとして…公務と子育ての両立への思い

“女性のリーダー”といえば、自民党初の女性総裁、“高市早苗新総裁”が選出されたばかりです。
その際に語った“ゆるぎない覚悟”が「働いて働いて働いて働いて働いて、参ります」という言葉とともに注目されました。

川越市初の女性リーダーとして、“公務”と“子育て”に奮闘中の森田市長。
仕事とプライベートの両立をどう考えているのでしょうか?

川越市 森田初恵市長:
ワークライフバランスという言葉はさておき、自分の中で最適な子育ての時間と仕事の時間と…それを組んでやっているという感じですかね。
どっちも力を入れたいことなので、それぞれ制約がありながらバランスをとってやっていく。

(『サン!シャイン』2025年10月9日放送より)