急速に発達した低気圧の影響で大荒れとなっている北海道。
12月14日よる9時ごろ、『サン!シャイン』の取材班が苫小牧市内に入ったところで猛吹雪に遭遇、車のフロントガラスに雪と風が吹きつけます。

田中良幸リポーター:
苫小牧市内に入ったところで吹雪のように変わってきましたね。雪自体の粒は変わらないんですが風がかなり強くなって、真横に雪が吹き付けてきています。先が白くなるような視界が相当悪くなっていますね。

一夜明けきょう15日午前5時ごろの北見市では“ホワイトアウト”のような場面も…。
駐車場に止まっている車はほとんど雪で見えなくなり、降り積もる雪が膝の高さを超えるところもありました。

午前8時半現在、暴風雪・大雪警報が出ている北見市では、市内の小中学校は休校。さらに大雪と強風の影響などもあり停電や電車・バスの運休など交通障害が起きていて、市民の生活にも影響が出ています。

2つの低気圧が合体で “台風並み”に

北日本に大雪と暴風をもたらしたのは、日本海と太平洋で発生した2つの低気圧です。

天達武史気象予報士:
北海道の道東中心に広い範囲、岩手や宮城、秋田の沿岸地域を中心に暴風雪・暴風警報が出ています。
北海道では大雪警報や高潮警報が出ているところがあります。低気圧が台風並みに発達しているので海面が上がってしまっています。満潮時刻を中心にお昼過ぎにかけて沿岸部の方、根室地方の方お気をつけください。

低気圧が発達して風が非常に強まっています。今、北海道付近にある低気圧が台風並みに発達していますが、この低気圧は13日、14日に関東や東海に大雨を降らせた低気圧と、日本海に降らせた低気圧、この2つの低気圧が合体するような形で台風と同じぐらいの勢力になっています。
等圧線の間隔が非常に狭くなっているんですよ。こういうところは風が非常に強く吹き荒れます。高気圧から低気圧側に吹きますので、日本海から冷たい風がどんどん吹いてきて気温を下げます。

なぜ強い風が吹く?メカニズム解説

天達武史気象予報士:
なぜ低気圧の間隔が狭いと強い風が吹き冬の嵐になっているのか?模型で解説してみたいと思います。
今の天気図を立体的に見たものです。等圧線の間隔が狭いということは山と谷と同じようなものです。なので、一気に風が吹き降りる形になります。

断面図で見ると急斜面になっているので、高気圧側から低気圧側に風が一気に吹く。間隔が広く離れたところではまだ緩やかですが、北日本に近づくと一気に吹き降りる形になります。
これがシベリアからやってくる風なので、北風になって大雪を降らせたり、体感温度を一気に下げるという形になっているんです。
メカニズムが違うだけで、ものとしては台風の目と同じようなものです。急斜面になっている辺りで海面が上がったりもするので、特にこの後、暴風に警戒をお願いしたいです。

きょう15日は雪が収まっても風はずっと強い状態が続きます。夜になりますと路面が凍結しますので、シャーベットからツルツル路面に一気に変わります。ボコボコになってきますので、雪が降った地域はお気をつけいただきたいと思います。

雪から一転…週末は札幌で気温2桁予想も

12月11日、気象庁が出した「高温に関する早期天候情報」

天達武史気象予報士:
季節外れの、今の時期とはかけ離れたような高温が起きる可能性があるという情報。
「10年に一度くらいの高温の可能性がいつもより高まっている」という時に出るので。今の時期の平年と比べて3℃くらい高くなる。これだけ雪が降っていますので、雪が溶けてなだれが起きたりする可能性もあります。

18日(木)、19日(金)ぐらいからということなので、週末の気温を見てみると、東京は21日(日)の最高気温が17℃。これは11月とか春先の気温です。仙台でも21日(日)の最高気温は15℃。札幌では20日(土)に11℃まで上がる予想となっています。
今年の冬はものすごく寒暖差が大きいです。「平年並み」という予想になっているんですけど、3カ月トータルしてずっと平年並みじゃなくて、上がったり下がったり激しいので、ならすと「平年並み」ということです。

(『サン!シャイン』2025年12月15日放送より)