オンラインで授業を行う大学受験塾「SS義塾」が突如授業を停止、受講生や保護者から不安の声が挙がっています。
小論文や面接による『総合型選抜入試』などの対策をオンラインで行う“独自の授業スタイル”をうたい、「最高峰の精鋭プロ講師が丁寧に指導」「高校2年生の今なら逆転合格可能」などの魅力的な言葉が並ぶホームページ。
『サン!シャイン』は、「SS義塾」を受講していた高校2年生の生徒の母親を取材しました。
「SS義塾」と連絡が取れなくなった母親:
総合型選抜の塾を探していまして、学校の部活の関係とかで、普通の塾に通うというのが時間的に厳しいというところから、オンラインをメインにやっているところに絞ってまず探したという。あとは、SNSとかにもすごく広告が上がっていて。
“業界ナンバーワン”って出ていましたからね。「大手です」みたいなのも書かれていたのもあって、ああそうかって素直に受け取っていましたね。
“業界ナンバー1”という言葉と、求めていた条件に合っていたので「SS義塾」に決めた親子。
週に1回のオンライン授業を受けるために、12月と来年1月分の2カ月分・約5万円を支払いましたが、12月6日の授業を最後に、その2日後から連絡が取れなくなったといいます
「SS義塾」と連絡が取れなくなった母親:
(8日に)私の方から塾に連絡してみたりとか、直接入塾に際してお世話にというか、リクルーターみたいな方の電話番号に連絡しても、全くつながらないということが起きましたので。「あ、これは本当に連絡が取れないんだ」っていうのが月曜日の夜に。
ちょっと正直なところ教室がなくて、オンラインだけっていう意味で、所在地も正直知らないというか…何も確認ができない、その場にいて本当に何があったのかっていうの、やっぱり現場に行くこともできないし。
連絡ツールを断たれてしまうと、もう一切こちらから情報を得ることができなくなってしまうという怖さと、もう本当に不信感。
運営会社社長「塾運営を機能不全に」
なぜ、オンライン授業は、突如休止になったのか?そして、授業料は返還されるのか?
フジテレビの取材に対し、運営会社の社長は以下の回答を行いました。
《SS義塾の運営会社社長》
「実務運営を委託していた中心人物が、営業、経理、一部講師を抱き込み事業資金を全額不正出金し、塾運営を機能不全におとしいれて逃亡した」
また今後については、「運営状況を復帰させ、生徒や保護者などに適切な方法で連絡が取れる状況に戻し、深くおわびしたい」としています。
保護者らは授業料の返還を請求できるのか、ダーウィン法律事務所の代表弁護士で荒川香遥氏によると、受けられなくなったサービスの対価(授業料など)を会社側に請求することは可能ですが、会社側に十分な支払い能力がない場合、返金は実現しない可能性が高いといいます。
また、元大手予備校講師で予備校の経営にも携わった、社会構想大学院大学の廣政愁一教授は、信頼できる塾選びについて、「投資のように慎重にならなくてはいけない、子どもの場合はもっと大きな影響を及ぼす」と話しますが、子どもがいる『サン!シャイン』スタジオ陣は…。
谷原章介キャスター:
でもこれ、(信頼できる会社かどうか)本籍所在地とか見ても分からないですよね。
フリーアナウンサー 豊崎由里絵氏:
分からないですし、そもそもずっとあおられているんです。
小学校に息子が入った瞬間に、「中学受験するかもしれないので、座席を確保するためにも塾に入った方がいい」という勧誘が来るわけです。そうすると、正常な判断が親も難しくなってくるので、ましてや親が経験したことのない受験スタイルに挑まなくてはならないので、飛びついてしまう気持ちは分かりますね。
――信頼できる業者を見分けるポイントは?
元大手予備校講師 廣政愁一教授:
少なくとも、いわゆる“大手さん”はブランドを積み重ねているので、基本的にはそこから考えていくべきだと。
鈴木おさむ氏:
でも他社と比べて3万、5万安いとなると、そこに連絡してしまう可能性はありますよね。
(『サン!シャイン』 2025年12月16日放送より)
