“学歴詐称疑惑”や“ホテル密会”問題“…“セクハラ問題”…、今、全国で市長のスキャンダルが相次ぎ、連日様々な問題が報じられ、有権者の間に不信感が広がっていますが…。

その一方で、行政のトップとして市民から大きな支持を得ている市長もいます。

今回、『サン!シャイン』が取材したのは、大阪・寝屋川市の広瀬慶輔市長(55)。
“Mr.スピード感”の異名を持ち、課題や要望にスピード対応する広瀬市長の仕事に密着しました。

市民の9割が評価!寝屋川市長のお仕事に密着

大阪の東に位置する人口約22万人の寝屋川市。
寝屋川生まれ、寝屋川育ちの広瀬市長は、1999年、寝屋川市議会議員に史上最年少・最高得票で自民の推薦で当選。
2019年から市長を務め、現在2期目。“Mr.スピード感”の異名を持ち、課題や要望にスピード対応することをモットーとしているそうです。

そんな広瀬市長の一日に『サン!シャイン』が密着。
朝一番、自宅から徒歩で市役所へ現れたラフなTシャツ姿の市長に、まずはそのことを聞きました。

――きょうはTシャツ1枚で?
広瀬慶輔市長:

そうです。あとはジャケット(バッグの中にあり)。
上から変えていくと。最近この1年半くらいはかなり服装も変わってきましたので。

「お役所仕事卒業します」をスローガンに掲げる寝屋川市。労働生産性向上を図るため、職員の服装を原則、自由としています。

午前9時の開庁前に市長室に着くと…。

――普段の朝にまずやることは?
広瀬市長:

だいたい来たらすぐに日程がスタートするので。病院の待合室みたいなものでダーッと(予定が)並ぶので…。

準備などをして20分。

高齢者たちと一緒に体操をする市長

市役所を出て向かった先にいたのは高齢者たち。市の老人クラブの連合会が主催しているゴルフ大会です。

市政と方針を策定し懸案事項について打合せをするだけでなく、市内外で行われる行事・会議への出席、視察なども大事な市長の仕事の一つです。

市長の給料は市民の支持率と連動

【10月7日午前10時前】

大会会場から、市役所に戻ると…。

広瀬市長:
こっから怒濤の“アレ”が…。

怒濤の“アレ”…。それは会議・打ち合わせのラッシュ。
まずは市の職員たちの人事評価についての打ち合わせです。

広瀬市長「今年度のフォーメーションはこうよねと…。今年度新しいものがないフォーメーションはこうとか…」

市長は人事権を持ち、各部署の適切な人材配置など、相談に乗ったり、指示をしたりします。
一方、市長自身の評価は、全国的に見ても画期的な方法で市民に委ねているのです。

広瀬市長:
実績連動型給与。市民評価連動型給与と我々は言ってるんですけど。

市長の給料は市民の支持率と連動していて、仮に不支持率が支持率を上回った場合、最大で30%カット。
逆に支持率が不支持率を上回っている場合は、満額の月給102万円が支給されます。
2023年の市の調査では、市民の約9割が「評価する」という結果に…。それを受けて満額支給となりました。

市民に、広瀬市長のどんなところを評価しているのか聞くと…。

寝屋川市民:
過去の市長よりも実行力があるのを感じています。

寝屋川市民:
(学校の)いじめ対策。できるだけ早期発見して早く解決すると。そういうことも率先してやってますので。

学校でのいじめ通報や調査をする市長直轄の「監察課」の設置など、「いじめゼロへの取り組み」も高評価に。

そんな市長は4年前に結婚し、今は2人の男の子を育てるパパ。

家族の夕飯は、いつも市長が作っているといい、タンパク質など栄養たっぷりのメニューを考案。
この日の昼食も自身の手作り弁当です。

広瀬市長:
妻も働いているので、作るのは僕が作るんですけど、「きょうはこのご飯です」っていうのは妻が企画して考える。
考えて買い出しして作るって全部やると大変でしょ。それを担当分けしてやってます。

課題や要望にスピード対応

【7日午後1時ごろ】

手早く昼食を済ませると…午後、最初の仕事は、苦情や意見の相談窓口として活用している市の公式SNS「業務監察X」の打ち合わせです。

そこで議題として上がったのは、市民からの市役所対応の苦情でした。

〈市のSNSに寄せられた苦情〉
「印鑑登録と印鑑証明2枚用意してもらうのに2時間も待たされたんですけど、そんなに時間かかるもんですかね?」
「きのう寝屋川に引っ越しされてきたご夫婦が市役所で5時間放置されたって言ってましたよ。酷すぎません?」

窓口の待ち時間に関する苦情を聞いた市長は早速対応を行います。

職員「本部により(担当部署に)勧告を発出しますと。ついてはオペレーションの改善に努めておりますので…という内容で」

広瀬市長「市民のお客さまの中で長時間待ってしまっているようなケースがあったときに(職員が)声をかけてもらうような何か仕組みはいるかもしれない」

“Mr.スピード感” の異名を持つ広瀬市長は、就任早々にも、“窓口改革”に取り組んでいました。
市民の声により対応するべく、市は2020年から、全国で初めて平日午前8時から午後8時まで窓口を延長。
職員の勤務時間は「フレックス制度」によって、午前8時から午後8時までの間で希望する時間に働くことができます。

――ワークライフバランスについて
広瀬市長:

僕は見本を見せなアカンと思っているので。
実は週末に予定が重なってくると、平日は午後出勤とかにしたりします。

その後も、政策立案に繋がる取り組みの施設整備についての打ち合わせや、自治会加入促進チラシなどについての打ち合わせなどが続きます。
一段落したのは夕方5時半。

広瀬市長:
ちゃんと撮れましたか?

取材スタッフ:
大丈夫です。

広瀬市長:
 (お菓子)食べますか。

取材スタッフ:
大丈夫です!

広瀬市長:
そうなん!?強いですね。

取材の最後に、最近相次ぐ市長の不祥事について聞きました。

広瀬市長:
法律に触れるところなのか、例えば、市長としての能力に関わるところなのか、いろんなところでやっぱり切り分けて、市民の方も判断をしていく必要があるのかなとは思います。市民が、自分たちが望む街ができていくとか、ワクワクする街ができると思えば、いろんな基準で判断していくべきなんだろうなと思いますけどね。

(『サン!シャイン』2025年10月8日放送より)