新水10ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』の第1話完成披露試写会が9月21日に行われ、脚本の三谷幸喜さん、主演の菅田将暉さん、共演の二階堂ふみさん、神木隆之介さん、浜辺美波さんらが登壇しました。

本作は1984年の渋谷を舞台にした青春群像劇で、三谷さんの半自伝的要素を含んだ完全オリジナルストーリー。不器用ながらも、生きることに一生懸命な“人間くさい”人たちがエネルギッシュに生きたこの時代を、三谷ワールド全開で笑いと涙いっぱいに描きます。
三谷幸喜「深い読みをされて感謝しております」菅田将暉の解釈に感激
三谷さんは、本作が“三谷さんの半自伝的物語”とされていることについて、「ちょっと違っていて。本当、半々々々々…半自伝くらいです。僕の若かりし頃の、約2ヵ月くらいの体験をもとに作りました。(割合にして)7%くらい」と、軽妙なトークでさっそく和ませました。
そして「実際に神木さんが演じられている役が、僕の立ち位置です。彼のキャラクターは、僕が体験したものそのまま」とコメント。神木さんは、放送作家の蓬莱省吾(ほうらい・しょうご)を演じます。

主人公で劇団の演出家・久部三成(くべ・みつなり)役の菅田さんは、物語の舞台が1980年代ということで、当時のカルチャーについて「スタッフさんとともに、80年代に『ドラゴンボール』が連載開始しているね、『風の谷のナウシカ』が公開されたね、と共有しました」と振り返り。

菅田さんは、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)に続き、三谷作品へは二度目の参加ですが、三谷さんの脚本の魅力を聞かれると「群像劇のなかで、誰一人暇(ひま)じゃない。誰が主人公か分からない。みんな前のめりにマイペースに生きているのが楽しい」とコメント。

これに三谷さんは「なるほど、と思いました。深い読みをされて感謝しております」と感嘆。さらに「菅田さんは、僕と似た感性を持っているなと思って、とても話しやすかったです。今後、仕事につながっていくかわからないですが…」と、先のことは分からないと言いつつも、菅田さんをすっかり気に入った様子を見せました。
二階堂ふみのダンスをアン ミカがベタ褒め「所作がすごくきれい」
ダンサー・倖田リカ(こうだ・りか)役の二階堂さんは「三谷さんの作品は、映像の世界に憧れるきっかけの一つでもあって、ようやく参加できるという喜びがありました」とニッコリ。

撮影の合間にダンスの練習もかなりあったそうで、菅田さんは「スケジュール表の最後に『二階堂ふみ、ダンス練習』とか書いてあって。すごい数でした」と回想。
同じくダンサー役のアン ミカさんは二階堂さんについて、「バレエの基本があるので、所作がすごくきれい」とベタ褒めしました。

神木さんは、冒頭の三谷さんの言葉を受けて「どのくらい三谷さんのしゃべり方や動きを取り入れるべきか、プレッシャーではありました」と話しました。
衣装の銀縁メガネは、数種類あるメガネの中から神木さんが選んだそうですが、その後、三谷さんから「どのメガネにされたんですか?」と聞かれ、「銀縁にしました」と答えたところ、「なぜですか」と突っ込まれたのだとか。

さらに「僕はもう少し四角いメガネをかけていましたけどね」と告げられたそうで、神木さんは恐怖を感じたと語り、会場の笑いを誘いました。
この話を受けて三谷さんは「よくあそこまで僕を再現してくれた。僕にしか見えなかった!母も泣くと思います」と、神木さんの再現っぷりを絶賛しました。
浜辺さんは、1980年代はみんなどこでもタバコを吸っていたことにビックリしたそう。

「(劇中で)通りすがりのおじさまとか、エキストラさんとかも吸ってて、すごく煙たくて。今はなかなか感じられない」と驚きの表情を見せました。