例年、寒く乾燥する冬に流行する傾向がある「インフルエンザ」
しかし今年(2025年)は、各地で30℃を超える残暑が続く中、異例の早さで猛威を振るっているといいます。

青森県では過去10年で最も早い流行、福岡・北九州市では9月に6つの小・中学校で学級閉鎖となりました。

日本学校保健会によると、9月11日時点で、全国の高校以下の学校などで、インフルエンザで学級閉鎖になっているのは全部で38クラスに達しています。

9月5日に、地域の小学校で学級閉鎖が行われた千葉・市川市では、子供がいる家庭に、市から一斉メールが送られてきました。

市内のクリニックの医師からは、あまりに早すぎる流行に戸惑いの声が…。

市川未来クリニック 新 健太郎院長:
(例年は)ちょっと学級閉鎖を聞かないかなって感じですね。9月からだと。
きのう(10日)、学級閉鎖になったご家族が来院されて検査したらA型陽性が出ました。
予防注射が始まるのが9月終わり~10月からというところですから、ちょっと予防接種のタイミングより早く流行している感じがあるので、多分、今、薬を卸しとか現場に来るまでの準備がまだ整ってないと思うので。

なぜ今?原因は猛暑とインバウンド?

多くの地域でワクチン接種が始まっていない中、猛威を振るっているインフルエンザ。なぜ、この早い時期に流行しているのでしょうか?

川崎医科大学 中野貴司 特任教授:
ひとつは猛暑でエアコンを使用していると換気が悪くなりますよね、新型コロナのときも言われましたが、密室に長い間いると感染症が流行しやすいです。
もうひとつは猛暑が続いている、そうすると、睡眠不足にもなりますし、免疫力も低下して病原体と闘う力が低下してしまう、この二つが影響していると思います。
感染症の流行という観点からだと、コロナ後にいろいろな病気が流行していて、医療機関に行く方も増えています。そして、検査の方法も10年前よりかなり進化していて、色々な病原体が分かるんです。
ですから、以前も夏とかにインフルエンザの小さな流行はあったのかもしれませんが、感知されなかった、それが今は分かるようになってきた。

――インバウンドの影響もあるのでしょうか?
オーストラリアや南アフリカ、ブラジルなどは今、冬が終わるところなので、インフルエンザが流行しています。今、万博も真っ盛りでたくさんの外国人の方もいらしていますが、これだけ人の往来が盛んになると病原体も移動するので…、そういうことが季節外れの流行と関係している可能性もあります。

元々感染症は、症状が出ていない人からもうつるんです。ですから私たちは日頃から感染予防やワクチン接種などを行っているのですが、おそらく報告された以上に患者さんがいるのだと思います。ただ、私たちはずっとそれでこれまで何十年、何百年暮らしてきたわけですから、通常の感染予防を心がけつつ行けばいいと思います。

毎年インフルエンザのワクチンが始まるのが10月くらいからですので、始まったらしっかり予約して、順次打っていくことが大切です。

(『サン!シャイン』 2025年9月12日放送より)