<阿川佐和子 コメント>

――オファーを受けたときは、どう思いましたか?

以前、岡田惠和さんの脚本によるドラマに出演させていただいたことがあり、そのときも北村さんとご一緒させていただきました。私はアパートの管理人役だったのですが、今回は“住人”として出演させていただきます。

実は前回の出演時、「ご期待に添えられなかったのかな…」と自分では反省していたのですが、今回、岡田さんが「阿川さん、どうですか?」と声をかけてくださったと聞いて、「えっ、それリップサービスじゃないの!?」と、思わず言ってしまいました(笑)。

でも、ひとつのマンションで起こるささやかな出来事や幸せ、ちょっとした悲しみや喜びを分かち合う…そんな世界観は私もとても好きで、その中の“ひとつの歯車”として関われることが、何よりうれしいです。

――台本を読んだ印象は?

やっぱり岡田さんの作品はテンポが心地よくて、何気ない会話の中に面白さが散りばめられているんですよね。

思わず「これ、本筋と関係ある!?」ってツッコミたくなるような、でも思わず笑ってしまうやりとりが随所にあって、そういう“仕掛け”の作り方が本当にお上手だなと思いました。

――阿川さん演じる、永島さとこについて教えてください。

最初に第1話の台本を読んだとき、草刈正雄さん演じる“しんちゃん”との夫婦関係は、離婚まではいかないけど、「ちょっと冷えきっているのかな?」という印象でした。

でも読み進めるうちに、監督ともお話しして、「さとこはしんちゃんを実はすごく憎からず思っている」と聞いて、ホッとしました。

口調はちょっとキツいところもありますが(笑)、実は“しんちゃんに惚(ほ)れられている自分”がうれしくてたまらない。その感情がこの年齢まで続いているというのがステキだなと思いましたし、そんな“さとこ”を大切に、丁寧に演じたいと思っています。

――共演者のみなさんの印象は?

北村さんとは以前、他局ドラマでご一緒して、「またご一緒できたらいいですね」と話していたら、まさか主演として再会できるとは!それだけで「これは引き受けるしかないじゃない」と思いました。

さらに、夫役が草刈さんと聞いて「絶対引き受けるしかない!」と思いました(笑)。草刈さんとは以前、インタビュアーとしてお話させていただいたことはあるのですが、映像作品での共演は初めて。こんな幸せなご縁をいただけるなんて…本当に生きててよかったです!

――視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。

私にとっては、演技の仕事は決して頻繁なものではなく、前回の出演も2年ほど前でした。普段は基本的に、一人で書く仕事が多いので、大勢で一緒に作り上げていく“チームプレー”の現場はとても新鮮ですし、今回もその楽しさを味わいたくて参加させていただきました。

岡田さんの前作『最後から二番目の恋』にも負けないくらい、ステキな作品になるよう、チーム一丸となって頑張ります。どうぞ温かく見守っていただけたらうれしいです。