「フジテレビヤングシナリオ大賞」受賞作がドラマ化されます。

坂元裕二さんや野木亜紀子さん、木曜劇場『silent』の生方美久さんなど、これまで数々の人気脚本家を輩出してきた「フジテレビヤングシナリオ大賞」。

このたび、第36回大賞受賞作『人質は脚本家』(脚本:石田真裕子さん)がドラマ化、放送されることが発表されました。

「ルーザー」と呼ばれたすべての人に贈る、逆転の物語

石田真裕子さんがテレビドラマ脚本デビューを果たします。

本作は、「脚本家が現実の事件に巻き込まれたら」という、ユニークな発想から生まれた逆転コメディドラマ。「失敗しても、人生はやり直せるのか?」――立てこもり事件という緊迫した状況のなかで、なぜか少し笑える“やけくそ感”と、人がもう一度立ち上がろうとする力強い姿を描きます。

「ルーザー」と呼ばれた、すべての人に贈る、希望と再生の物語です。

物語の主人公は、かつて連続ドラマ『ルーザー』の脚本を担当した、元脚本家の小泉拓哉(こいずみ・たくや/中尾明慶)。

視聴率不振で、作品は7話打ち切りという結果に終わり、ネット上でも酷評を受けて業界から姿を消しました。現在は、コンビニでアルバイトをしながら、夢を諦めかけています。

そんななか、母親からの連絡を受け実家に帰省した拓哉は、立ち寄った地元の郵便局で突然“人質”となってしまいます。

犯人は「娘に会いたい」と訴える、中年男性・三枝誠(さえぐさ・まこと/高橋克実)。会社の倒産、家族の離散を経て、唯一の願いである「娘との再会」を叶えたい一心で起こした、思いつきの立てこもり事件でした。

拓哉と話すうちに、三枝は勇気をもらったドラマ『ルーザー』の脚本家が、目の前の拓哉であることに気づきます。「失敗しても、やり直せばいい」。あのドラマに救われたという三枝。

しかし、その脚本を書いた拓哉自身は、まさに“ルーザー”として人生に行き詰まっていました。そんな緊迫した空気のなか、三枝は拓哉に思いがけない言葉を放ちます。「この事件の続き、脚本にしてください!」――。

銃を突きつけられながら、拓哉は事件の“脚本”を書き始めます。現実と物語が交差していく不思議な時間。閉ざされた空間のなかでそれぞれの“やり直したい過去”と向き合いながら、少しずつ心を通わせていきます。

やがてその“物語”が、彼自身と周囲の人生を変えていくことに…。

左から)高橋克実、中尾明慶

本作には、中尾明慶さん、高橋克実さん、内田理央さんらが出演。

中尾さんが演じるのは、かつて連続ドラマ『ルーザー』の脚本を手がけながらも低視聴率と酷評により業界を離れた元脚本家・小泉拓哉。

高橋さんが演じるのは、「娘にもう一度会いたい」という一心で郵便局での人質立てこもり事件を起こす中年男性・三枝誠。拳銃片手に暴走するも、どこか憎めないその姿は、さながら人生の迷路をさまようロマンチスト。やけくそな行動の裏に、切実な思いが詰まった“愛すべき犯人”を演じます。

内田さんが演じるのは、拓哉の元恋人であり、現在は郵便局員として働く鮫島音(さめじま・おと)。

現実的でしっかり者で、事件の行方を左右する重要な役どころ。冷静なツッコミ役として物語を引き締めつつ、ラストで見せる感情の揺れが印象的なキャラクターです。

『人質は脚本家』(関東ローカル)は、12月20日(土)14時30分より、フジテレビで放送されます。