──水上さんと夫婦役を演じるうえで、工夫したことはありますか?

水上さんとは今回が初共演でした。今の時代、夫婦にもいろいろな形がありますが、原作や最初に台本を読んだときに、雄司と夕里子は「古き良き日本の夫婦」というか、いい意味で型にはまった夫婦だなと感じたんです。

水上さんご自身が普段からいろいろなことを考えていらっしゃって、すごく真面目な印象にお見受けしたので、「この人を立てよう」という思いがあれば夫婦として成立するんじゃないかなと思い、演じました。

久喜雄司演じる水上恒司

山下美月の“執着”は食事!「食べたいと思ったものを絶対に食べる」

──長野でロケをしたと聞きましたが、現場の雰囲気はいかがでしたか?

物語は難しい部分があり、作りこまなければいけない部分もありましたが、1ヵ月くらい滞在していたこともあって、現場は和気あいあいとしていました。

私は個人的に1人で信州そばを食べに行ったり、ぶどうを買ってホテルで食べたり、長野を楽しんだ思い出です(笑)。

──ホラーやミステリーが題材の作品は、現場でも不思議なことが起こるとよく聞きますが、本作の現場ではいかがでしたか?

私が霊感を持っていないからかもしれませんが、何もなかったですね。私だけですかね(笑)。

──本作は、人の執着・執念が題材となっていますが、山下さんは執着するほうですか?

執着…しないですね。仕事に関しては「1回やり始めたら頑張ってやりきろう」と思いますけど、それ以外のことは飽き性なので、まったく執着せずに生きています。

──そんななかでも、どうしてもこだわってしまうことはありますか?

食事でしょうか。「今日は生ガキが食べたい」と思ったら、絶対に生ガキを食べます。そこは譲れません。…と言いつつ、生ガキに関しては、次の日が仕事だったら諦めますけど(笑)。

──最後に、改めて映画の見どころを聞かせてください。

全編を通して圧が強いと言いますか、雄司と北斗の執着がスクリーンを通して“絵力”として伝わってくると思うので、楽しんでいただけたらうれしいです。

撮影:山越隼